こんにちわ寒さがブリ返して来ましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
私は……実は、今週の木曜日の「記憶がアヤフヤ」です。
実は去年も同じようなコトがあったんですが(苦笑)、記憶が飛んでしまっている&思い出せないという状態に少し戸惑っています(´_`。)
……しかし、ど~やらその記憶がアヤフヤで飛んでしまっている間、どうやら私は「一目で具合が悪そう」だけど、ちゃんと会話の受け答えもでき、行動も暴れたり変だったりすることもなく、それほど心配な感じでは無かったそーです(苦笑

まあ、出してもらっている薬が、一日朝昼夕寝る前と多いですし、その中にはキツイ薬もあるので、体調が悪いと――特に去年あたりから、とみに健康が優れず伏せっているコトも多いのですが……どうやらこのところの寒さのぶり返しが影響して記憶が飛んでるよーなコトが起こっているようです。
なんだかなぁ――ですけど、ある程度は仕方がないんでしょうネェ(´・ω・`)


さて、昨日からトランプ政権発足後、初の日米首脳会談が始まりました。
そこで会談前は「何を言われるか心配」とも言われていましたが、なんのなんの――


●トランプ氏「米軍を受け入れてくださり感謝」 首脳会談

2017年2月11日
安倍晋三首相とトランプ大統領は10日昼(日本時間11日未明)、米国のホワイトハウスで会談し、その後、共同記者会見に臨んだ。
両氏は日米同盟が重要で、アジア太平洋地域の安定の礎になるという認識で一致したと発表。トランプ氏は在日米軍について、
「米軍を受け入れてくださり、(日本に)感謝している」と述べるとともに、「日本の安全保障に関与する」とした

また、首相は会談で、沖縄県の尖閣諸島が米国の日本防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用範囲であると確認したことを明かした。北朝鮮による核・ミサイル開発や中国の南シナ海、東シナ海への海洋進出などに連携して取り組むことでも一致した。

会談では、経済関係強化の具体策を検討するため、麻生太郎副総理とペンス副大統領をトップとする対話の枠組みを作ることで合意したという。自由な貿易や投資の拡大をめざす。

トランプ氏が「不公平」と批判してきた自動車貿易について、首相は日本の自動車メーカーが米国内での生産を増やし、雇用創出に貢献してきたと強調した。

トランプ氏は、10日午後に大統領専用機のエアフォースワンで首相と一緒にフロリダ州のパームビーチに移動し、11日にゴルフをすることに触れ、「非常に実りある週末を過ごしたい」と笑顔で語った。(ワシントン=高橋福子)



蓋を開けてみれば意外とマトモで話が通じ、聞く耳も持っていたようですw
日本だけでなく、海外のマスゴミも『トランプの過激な発言部分ばかり強調して』報道しているのでそれだけ見れば“危ないヒトが米大統領になった!?”と思われるかと思いますが、その発言を見ていくと「移民難民問題やグローバル化の弊害」といった今まではタブーとされていた問題を「王様は裸だ!」と指差し指摘した子どもがごとく、『差別主義者というレッテル』も恐れず意外といってるコトの中身は別に間違っていません。
むしろ逆に、欧州などのエセ人道主義者ドモの吐き気もする偽善者ブリを浮かび上げさせていますw

……しっかし、今まで散々「安保タダ乗り論」を展開していただけに、トランプ大統領から素直に頭を下げて感謝されて安倍総理も面食らったでしょうねぇw
しかし、一方で「日本は欧州NATOが軍事費にGDPの2%をちゃんと国防の為に支出してるのに1%だけとか少なすぎねー?」という『日本にその国力に応じた』軍事費の支出をしていないのはなんとかしろ! というように言うべきことは言ってきています。
まあ、金額的にはGDP比で小さいように見えますが、そもそもの分母が――GDP部分が大きいので欧州諸国と遜色ない防衛費を予算計上してるんですが(苦笑
まあ中国の軍事費増強やら、東シナ海南シナ海での緊張の高まりを考えれば、海上保安庁の増強も含めて防衛費の増額は喫緊の課題といえるでしょう!



☆アメリカは世界の警官? というより保安官ではw



さて、日本への「軍事費の増額と、国際貢献をもっと増やせ」と言って来てるトランプ現政権ですが、皆様もご存知の通りオバマ前政権においてアメリカは「世界の警察官を続けられない」と告白し、日本や欧州諸国にも『国力に応じた相応の負担』を求めて来ましたが、まあ、コレは仕方がないといいますか当然の話ではないのでしょうか?

冷戦時も冷戦後も、永らく日本を含む国際社会はパックスアメリカーナ(アメリカによる平和)の恩恵を甘受して来ました。
しかし、一昔前の世界のGDPの半分を米国が占めるという最盛期と違って今のアメリカは、繁栄し発展した世界経済のせいぜい二割から三割を占めるダケとなっています。
相対的にみてもアメリカの経済力の低下は認めざるを得ません。

さて、日本や欧州諸国といったアメリカの同盟国は、
「今まで主にアメリカが担ってきた“国際秩序と自由貿易の維持”のコストと責任分担を求め」
られています。
それがオバマ前政権時代の「アメリカは世界の警察官を続けられない……」でよく言い表されていますが――国際秩序の安定と自由資本経済を守る意味として、アメリカは『警察官( POLICE )』というより、むしろ西部劇でおなじみの『保安官(Sheriff)』の方が正しいのではないでしょうか?

で、ここで『警察官(POLICE)』と『保安官(Sheriff)』はどう違うのか? 確認してみましょう。
まず『警察官(POLICE)』ですが、警察官とは普通、警察権を行使する機関全般を指し意味しています。
警察権とは警察機関が公共の秩序を維持するため、国民に命令・強制をなし、その自由を制限する公権力のコトですがその権限には制約があります。
事件事故が起こった場合、捜査し、証拠を集め、逮捕しますが、普通“現行犯”でなければ家宅捜査を行う場合も、容疑者を取り調べる時にも「裁判所の令状(許可)が必要」です。
また司法においては現場の証拠集め、被疑者の取り調べ調書を取る所までで、その事故なり犯罪の被疑者の公訴を提起するのは『検察』の仕事となります。

一方で
『保安官(Sheriff)』は警察権に加え、被疑者や被告を拘置すること、有罪となった囚人を収監すること、裁判所の判断に基づいて強制執行をすること――これらの法執行を行う為、警察官よりも幅広く大きな権限が与えられています。
要するに「有罪か無罪か? どの程度の量刑を科すべきか?」 という裁判権はもっていませんが、それ以外の『捜査・逮捕・拘留・刑の執行』を執り行う公権力を付託され実行を任されています。
……まあ、アメリカの『保安官(Sheriff)』の起こりが西部劇で出てくるような開拓時代の自警団だと考えれば、地域の住人の中から自分達を守る為に警察権を付託され、治安維持を代表し、刑の執行を任された刑吏であると解すれば良いのではないでしょうか?

さて、こーして見てくれば警察官と保安官……今の世界秩序においてアメリカが担う役割がどちらが近いか? 見えて来ると思います。
……まあ、少し違いますが、湾岸戦争を一つ例に取っても、クエートを武力侵攻、占領したイラクを経済制裁し、多国籍軍を派遣する際に国連での決議という段階をわざわざ踏んでますが、これも『戦後、国際社会において軍事力を行使して国家間紛争・問題を解決することは(建前上ですが)禁じられ避けられるように』なりました。
ですが、実際は皆さまもご存知の通り、戦争、内戦、国境を巡る争いや戦前の砲艦外交よろしく軍事力を誇示しての恫喝は絶えるコトがありません ┐( ̄ヘ ̄)┌
それでも、冷戦時代から「軍事力に寄らない紛争解決手段」として国連がいわば疑似裁判所のような形で『軍事力の執行を認めるお墨付き』を認める決議の場として利用されて来ました。

ま~、日本人はよく誤解してるのですが「国連は別に世界政府でもなんでもない、ただの国際社会での外交の場」であるのですが……戦前の国際連盟が結局WWⅡを防ぐこともできず無力だったことを反省して、安保理と否決権を持つ常任理事国を設置することで『ある程度、国際秩序を守る』実行力と権威を有する国際機関として設立されました。
さて、国連が戦前の国際連盟と違うのが、WWⅡにおいて枢軸国との世界大戦を勝ち抜く為に欧米の西側諸国だけでなく、ソ連を始め東側の国々も参加するいわば「貴重な国際外交の舞台」として利用され、さらに戦後、連合軍に参加していなかった戦後独立した国々から、先の大戦では敵国だった日本やドイツをもまで加わりw 国際問題を多国間で協議する場になってます。

それと、国連開発計画(UNDP)、国連環境計画(UNEP)、国連プロジェクトサービス機関(UNOPS)、国連人口基金(UNFPA)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国連大学(UNU)、国連児童基金(UNICEF)、国連婦人開発基金(UNIFEM)、世界食糧計画(WFP)など国連総会により設立された国連の下部機関は多くありますし。
また、専門機関として国際労働機関(ILO)、国連食糧農業機関(FAO)、国連教育科学文化機関(UNESCO)、国連工業開発機関(UNIDO)、世界保健機関(WHO)、国際民間航空機関(ICAO)、国際海事機関(IMO)、国際電気通信連合(ITU)、万国郵便連合(UPU)、世界気象機関(WMO)、世界知的所有権機関(WIPO)、国際農業開発基金(IFAD)など多くの組織が形成され、多くの国が参加してます。

この他、一歩踏み込んで地域紛争や戦争の仲裁や復興を促進する為に国連平和維持活動(略称PKO)が、国連が世界各地の紛争地域の平和の維持を図る手段として実際の慣行を通じて確立されてますし。
その他、ソマリア海賊を多国間で協力して多くの国が船舶警備のために 海軍艦艇を派遣、鎮圧を行いましたが、その際も2008年6月と12月に国連安全保障理事会で決議がなされたことを根拠にしています。

……まあ、国連と国連の下部組織は現実には理想には程遠く、人権問題を行う国連機関に中国を始めとする『問題国』が職員を送り込んでいたり、イスラエル問題を始め国連安全保障理事会で非難決議がなされても常任理事国の否決権で打ち消されたりと問題も数知れなくあるのですが、一応、国際問題・紛争を議論する国際外交の舞台としてそれなりに利用されています。

さて、話が少し横にそれましたがアメリカに話を戻しますと、戦後――特に冷戦後の世界秩序の形成と安定のためアメリカが主導的な役割を果たして来ましたが、その役割と実際は『世界の警察官』というより『世界の保安官』と呼んだ方が正しいんじゃないですかね?(苦笑

また、世界の安定や秩序を守る――とはいっても米国はなんでも介入するワケではありません。
悲しい話ですが、中共によるウィグルやチベット侵攻占領を非難するだけで、それ以上は介入しない一方で「産油国であるクエート」がイラクの侵攻を受けた際にはクエートからイラク軍の撤退と開放を行わせる為に国連で非難決議がなされると共に多国籍軍を形成してアッという間に派遣されました。
この他、世界では今も紛争が各地で絶えませんが、どんな紛争にも介入するワケではなく、欧米中露などの権益や思惑が絡んで優先順位が大きく違います。

さて、こーした状況を見てどこか既視感を覚えませんか?
そう、いわば西部劇の中で出て来る保安官に似ています。
西部劇では保安官は別に常に正義の味方というワケではありません。
話によっては、町の有力者と組んで悪事を働く悪徳保安官なんかが出て来ます。
まあ、たいていは腕の立つ風来坊のガンマンが立ち寄って、悪役有力者とその手先となっていた保安官をやっつけて去って行くのですが……警察官が警察権の行使に検察・司法の制限が加わる代わりに、一応国家の統治下の治安と社会正義を執行する役割を担うのに対して、保安官は西部開拓時代の「自分の身は自分で守るしかない」という状況の下、その地域の法執行代表者として法執行権を付与されている公職です。
警官は公務員ですが、保安官はたいてい市町村で構成される自治体などで選挙によって選ばれ法執行権力を執行します。
で、今はそうでもなくなりましたが昔は腕っ節の良い奴を雇ったりしていたようですし。
まあ、さすがに現代では正規雇用の保安官代理は州の治安職員基準に基づく訓練を履修しなければなることはできませんが(苦笑)。

そういう意味でもアメリカが軍事力を行使したり、経済制裁したりで介入するのは
「あくまでそれが“アメリカの国益に適う”から」
ですし、そういう意味からも警察というより保安官と観た方がシックリくるのではないでしょうか?



☆実はアメリカの立場は江戸幕府に似ている!?



さて、財政面での負担と、米軍兵士の死傷の犠牲に耐えかねてアメリカは「世界の警察官を続けることができない」と発言する所まで行き詰ってしまったのですが……ある意味でそれも当然かも知れません ┐( ̄ヘ ̄)┌
今のパックスアメリカーナ(米国による平和)は米国の主導と同時に、負担で維持されているのですから。
もちろん日本や欧州、世界各地のアメリカの同盟国・友好国も協力していますが、空母艦隊の派遣や中東や中央アジアの紛争地域での米軍の展開は基本「アメリカが費用を負担して」います。
無論、そうするコトが国際貿易や地域の安定を守り「アメリカの利益となっている」ので当然といえば当然なのですが……アメリカが維持する国際平和の恩恵を、いわばおこぼれを日本を始めNATOやASEANなどの諸国は甘受しています。
さて、アメリカの世界に占めるGDPの割合はアメリカは以前は3割程度占めていたものの、今は2割しかありません。
アメリカの成長は依然続いているものの、割合で言うと3分の2程度まで減っています。
これでは影響力が低下して当然でしょう。

さて、社会の安定と治安を守る為に大きな負担をしているという意味でふと思い浮かんだのが日本の江戸幕府です。
ど~いうことか? といいますと、江戸時代、日本を統治してのは江戸に幕府を開いた徳川でした。
さて、日本全体の石高は江戸時代後期の天保期で3055万8917石余、明治5年末で3237万 3825石余(実高)だったといいますが、幕府直轄領の天領の石高が400万石(13%)~450万石(15%)、旗本領が約400万石で合わせて800万石(27%)を少し超える程度にすぎませんでした。
無論、諸藩が現地を統治したり手伝い普請で駆り出されたりしていましたが、江戸幕府は五代将軍綱吉の時代には、初代権現様(家康)が残した金銀の貯えも尽き、以降幕末まで財政難に悩まされます。
江戸幕府は徳川家の領内だけではなく、日本全国の統治もいわば「任されて」いたにも関わらず日本全体で占める石高の割合は三割もありませんでした。
さて、石高をGDPと置き換えてみた時、どこか既視感を覚えませんか?w

そう、今現在、世界に占めるアメリカのGDPの割合は2002年に32%を占めたのをピークに2014年には22.5%にまで下がってしまっています。
無論、アメリカはマイナス成長した訳ではありません。
そうでなく中国を始めとする新興国の経済成長が、世界全体のGDPの増加速度がアメリカのGDP成長率を上回り、結果として相対的に世界経済の中でアメリカのGDP規模が小さくなっただけです。
いずれにしても、江戸幕府同様に全国=全世界の平和を守る負担に耐えられなくなって来ています。
そういう意味で、アメリカはパックスアメリカーナの秩序維持が難しくなって来ているのです。
江戸時代、江戸幕府は仮に黒船が来なくても、財政破綻という形で倒れていたかもしれない……という研究結果があります。
歴史を鑑みれば、アメリカがパックスアメリカーナの――世界の警察、保安官の位置を今後も務めてくれるのを日本や欧州、韓国、サウジアラビアにイスラエルといった同盟国や関係国が望むなら、何らかの形で相応の財政負担や役割分担を協力して助けて行かねばならないでしょう。


さて、とは言いましてもどうすればいいのでしょう?
トランプ大統領は誤解していましたが、財政負担では日本はすでに在日米軍駐留費の75%近くを「思いやり予算」などで負担しています。
これ以上、出すとなると「在日米軍軍人の人件費」にまで負担を請け負う……コトになります。
無論、数千億規模といっても日本にすれば負担をするのはそれほど負担ではアリマセン。
しかし「在日米軍軍人の人件費」にまで支援負担するとなると、いわば傭兵のようになってしまいます。
本当は、理想は日本が自国の防衛費(軍事費)を増額し――GDPの1%でなく欧米並みの2%にまで増やし、アジア太平洋方面における秩序と自由貿易を守る役割をもっと積極的に担うコトなんですが……現状の日本社会の内向き志向や戦後の非戦主義の定着といった考え方を方向転換しなければ難しいでしょう ┐( ̄ヘ ̄)┌

まあ、よほどのショックが無い限り、もう一世紀ほど先まで日本が「積極的に世界に関わるように」はならないでしょう。

とはいえ、トランプ大統領がいうまでもなく『強いアメリカが保証するパックスアメリカーナの恩恵』をこれから先も受けたければ、日本は相応の役割や負担の分担を請け負い、かつアメリカ国内の産業再活性化に協力せざるを得ないでしょう ┐( ̄ヘ ̄)┌
今回の安倍総理のトランプ政権誕生後の初訪米では、まだ突っ込んだ話はしていませんが、日本が「アメリカの産業力、経済の復興」に協力する素案として、『現地製造を推し進める』と、『新幹線などの技術支援を行う』などが出ていますが、それと同時に「アメリカ国内のインフラ更新に直接出資する!?」なんて話まで出ています!?



☆先進国であるハズの米国にODAをしても日本に利益がある!?



日本は戦後、世界の多くの国にODAという形で無償有償に関わらず多くの支援を行って来ました。
しかし、一つのポリシーというか当然の話ですが、「経済や技術支援するのは遅れた発展途上国だけ」で、欧米先進国にODAを出したことなどアリマセンでした。
まあ、当然といえば当然の話で、欧米諸国も先進国の意地と申しましょうか?
隣の中国やら韓国のように経済的に成長しても、反日を国是としていても「日本から平気でODAをもらう」ような恥知らずとは違いますからね。

先進国に投資する場合でも政府が仲立ちするにしても「あくまでも民間の経済活動」という範疇から出たコトはアリマセンでした。
さて、しかしトランプ新政権誕生前から、オバマ大統領の二期目が始まった頃から、そうではなく「日本政府が直接、支援援助するODAをアメリカにも行う」という話がちらほら出始めました。
その一つが「日本のリニアモーターカーをワシントンDCーバルティモア間で整備する」構想で、民間の支援投資の他、5000億円規模で直接財政援助を行う――なんていう具体的な話まで進んでいます。
無論、中国なんかと違って、日本が投資し現地工場を指導建築するにしても最大限、現地住人(この場合はアメリカ国民)を雇い、車両やレールも極力現地生産で協力して行くというのが前提ですが、こうした話に、
「日本は1000兆円を超える借金があるのに外国に……それもアメリカのような先進国にバラまくのか!?」
なんて眉を顰める人も多いようですが、中長期的に観て、ちゃんと日本の利益になります。
まず、最終製品組み立てやインフラ整備の土木建築は無論、現地の雇用と経済に貢献できるよう行います。
しかし今や「日本国内でしか生産製造できない」部品から素材、特殊鋼などの高付加価値の分野が山ほどあります。
中韓の特亜どころか、欧米先進国のどの国でも結局、『日本並みの高レベルの生産品』を作り賄うコトはできません。
……まあ、半世紀先には分かりませんが(苦笑)、それはそれで日本もさらに先をいっているでしょうから、世界のどの国だろうが日本に追いつき取って代わろうには相当な努力が必要でしょう。
ですから、今の車や航空機、スマートフォンに至るまで、日本の工場が停まれば、世界中の工場が停まる! という311震災や去年の九州大震災でも明らかになったように、世界の生産の現場は『日本からの部品、素材の供給』が無ければ成り立たなくなっている事がハッキリしています。
これは『生産技術や工場、鉄高炉を移転させる』といってもそういうホド簡単ではアリマセン。

ハッキリいいますと勉強と技術はたゆまぬ努力と研鑽の積み重ねが必要となります。
ですので、中国や韓国が日本から最新技術を盗み、真似しようとしても積み重ねがないのですから、そこからさらに改良したり発展させたりすることはできずにいます。
それどころか、サムスンのスマートフォンですが『発火事故』を起こしても未だに原因の解明もできていませんw 

この技術の積み重ねが日本に追いつけていないのは欧米各国も同じで、例えば英国では「日本の高速鉄道技術を導入し、現地生産方式で行って」いますが、日本jから現地生産用の工場とラインを受け入れていても、そーしたハード以上に、ソフト面――この場合はプログラムとかではなく、現場で働く人材の技術や知識、そして何よりも精神面での真面目さ細やかさは英国人技術者から「驚きと尊敬」をかち得、見習われているといいます。

……と、いいますか、日本の真骨頂は仕事に対する真摯さで、単純に生産設備や産業ロボットといった製造ラインを導入しただけでは半分も意味がありません。
まあ、日本人の職人気質というか真面目さが世界でも度を抜いているんですがねぇ(苦笑
日本が指導、技術支援した海外では「日本から学んだ最大の宝は“仕事に対する誠実さと真摯さ”だ」と、いわれます。

先の日本から高速鉄道の技術導入、現地生産工場誘致を行っている英国においては、ここ最近、毎年のように“強烈な寒波”に襲われ、物流通旅客インフラがマヒしています。

そして2009年12月には、イギリスを襲った大寒波により、英仏海峡トンネルを走っていたユーロスターの車両がトンネル内で故障し、およそ500人の乗客がトンネル内に閉じ込められる事故が発生しました。
当局はトンネル内に閉じ込められた乗客を救うため、クラス395電車を乗客救助列車として、英仏海峡トンネルを走行。
トンネル内に取り残されていたおよそ500人の乗客を16時間ぶりに救出した。


という事態があったのですが、この際、大寒波の中、動かせた列車は日立の395だけで、上記記事の通り英仏海峡トンネルで立ち往生した欧州製の列車から見事助け出したのが大評判なりました。
こうして信頼を得た日本から英国は『高速鉄道技術の導入』を決めたのでした。
さて、その後、列車車両等は日本から輸出するのではなく、現地に工場を作り生産からその後の保守整備まで行うコトとなりました。
そして、日本から技術指導の為に技術者が出向したのですが単純に技術的な面での指導以上に丁寧で真摯な仕事に向かう日本人の仕事ぶりがこれまた評判だったとかw


海外で日本の製品は『過剰すぎる品質の良さ』で評判です。
無論、それが逆に仇となって「高品質、高価格」の製品よりも「そこそこの“使える”できでさえあれば、安価の方が良い」という需要を読み間違って、中国や韓国などに『最終組み立て品(製品)』の競争では負けたかも知れません……が、それも一時のモノで、結局、誰でも組み立てできる製造競争では中韓が有利だったかも知れませんが、しょせん「安売り競争」ですんで、先行していた中韓は人件費等のコストの高まりと、さらに人件費の安い東南アジアやアフリカなどの追いついて来る発展途上国との競争に今度は市場を奪われようとしています。

さて、追われる立場となった中韓は今までの「低賃金、低コスト」を武器にした産業構造から、「高付加価値を生む高級品、高品質品」へと産業構造を変える必要に迫られています。
しかし、模倣やパクリばかりで下地となる技術力、産業力が全然ありませんから、ドンドン追い込まれています。

と、まあ、そんな感じなのですが、一方で欧米先進国は先進国で、安易に目先の利益だけ追求して自国の国内産業を産業空洞化で失ってしまいました。
今、そうした事による極端な格差の拡大や、社会の中核を成すベキ中間所得層の没落が顕著となり、自国内産業の回帰と復興に躍起となっています。
しかし、80年代以降三十年以上も産業空洞化を許してきたツケはおそらく同じだけの時間を――これから三十年以上かけて頑張らないと無理なのではないでしょうか?
そして話を戻しますが、それまでの間、生産や製品の核心部分の部品や素材を欧米諸国ですら「日本から買わねば」なりません。
さらにいうと日本が先進国にもODAを増やし、現地生産を増やしていくと、当然のコトながら工業規格などの基準を日本が握っていく事になります。

この良い例がOSソフト分野ですかねぇ?w
さて、OSソフトといいますと、PCやスマートフォンなど向けのオペレーティングシステムの代表的な製品としては、Windows、Mac OS、UNIX、Linuxなどらが普通思い浮かぶかと思います。
しかし……です。
ハッキリいいますと組み込みシステム用OSでトップシェアを誇るのはTRONであり、家電から車まで幅広く使われています。
TRONの活躍する場は我々が意識していないだけで、実は身の回りに数多く存在し普及しているのですよ?
……とはいっても、まあ、TRONのシェアはパテント取得していないために使用が自由ですし開発者が立派な人で特許取得しなかったために 開発者の手離れて1人歩きしていつの間にか気付いてみれば普及していたという感じですが(苦笑
ですので今やTRONが表舞台に立つことは少なくPCやスマートフォンのような派手さがなく、組み込み(エンベデッド)システムの世界でTRONは“ネジや釘”のような存在となってしまっています。
しかし逆を言えばネジや釘抜きで家が建たないように、TRONは家電から車載そして人工衛星に至るまでなくてはならぬOS(基本 ソフトウェア)となっています。
いわば日本発のOSが世界の家電や工業製品の標準規格となっているのですが、今は地味に裏方で重要な縁の下の支えという感じで収まっていますが、もしかするとこれから先、『おお化けに化ける』かも知れません!?
と、いいますのもこれから先、すべての“モノ”をインターネットにつなげるIoT(Internet of Things) の時代が来ると言われていますが、そのIoTを実現する可能性の1つにTRON(トロン)プロジェクトが今、再評価されて来ています。
なにせ世界中のほとんどの家電や車両、航空機から人工衛星までさまざまな部品にTRONは組み込まれています。
ですので“モノ”をインターネットにつないで情報を相互に制御する基盤として、我々が普段使っているWindowsやモバイルデバイス向けのOSは、あまりにも肥大しすぎています。
そこで、当初から組み込みデバイスを対象に設計したリアルタイムOSのITRONが、脚光を浴びることになっているのですが……これってスゴイことではないでしょうか?

そして同じように、製品を構成する重要な中核部品やパーツ、素材などで日本の製品が普及すればするほど『生産現場における重要性が増し、日本の工業規格が世界の標準になって行く』というコトになります!?
実はといいますとこの工業規格の主導権というのは重要で、冷戦終結後、すでに二十年を超え、三十年も目の前だというのに旧ソ連圏の国々はロシアを筆頭にほとんど国内の産業には産業競争力が無く、苦しんでいます。
それもこれも、旧東側の工業規格が西側の――いまや世界を席巻する日欧米の規格とは全く合わず使いようが無いからです ┐( ̄ヘ ̄)┌
ウクライナが先年、ロシアから離れ欧州EUユーロに入ろうとしてロシアと事実上の紛争状態となり、クリミアを取られました。
そうした内戦紛争状態も、もちろん影響していますが、それ以上にウクライナ国内の工場などの工業規格が『旧ソ連のモノ』でしたので、結局、ロシアにしか通用しない為、経済発展が阻害され立ち遅れているのです。
冷戦終結後、ドイツが統一した後、東ドイツの生産設備はほとんど使い物にならず廃棄されました。

さて、今や世界標準の工業規格は事実上、日欧米が主導し決める形になっています。
ですんでアメリカのモノと欧州のモノと日本の工業規格のどれを『世界標準として採用するか?』その主導権を巡って日欧米の三者の間で争いになっています。
さらにこれに中国も名乗りを上げ、特にTVや放送分野での規格を狙って来ましたが――欧米に中国との工業規格争いで日本は優位を保ちつつあります。
なにせ『日本しか製造できない部品、素材が山ほどあり』ますからねぇw
しかし、アメリカも欧州EUも、高品質高技術が必要とはいえど「生産者」ではなく、市場としての「買い手、お客として」の立場を武器に日本に対して欧米それぞれが自国・自域内で用いている工業規格を世界標準に押し付けようとしています(苦笑

まあ、中国なんかが特に顕著に『碌な技術力も産業力も無い』のに、十二億の市場という買い手としての立場を武器にしてこの競争に加わろうとしていたみたいですが……敗北に終わろうとしています。

欧米はまだ日本と相争っていますが……日本国内での外国車のシェアをみればわかるように(ほぼ3%程度しか無い)、競争力という点で日本には全く歯が立たない――高付加価値の部品、素材を中心に「日本に頼る」割合が大きくなってしまっています。
このままで行くと今後、日本と欧米の差は、軍事と航空機産業、船舶も豪華客船などの『日本があまり取り扱っていない、参画していない』一部の分野を除いて開くことはあっても縮まることはないでしょう ┐( ̄ヘ ̄)┌

さて、80年代~90年代の日米貿易摩擦やバブル崩壊などから、日本は「直接日本から海外に輸出する」のを避け、中国や韓国といった第三国を経由するか、もしくは欧米現地生産に徐々に切り替えて行きました。
その結果、GDP(国内総生産)だけでみればこの過去二十年の間、「失われた二十年」だなんて自虐的に自分でいうほど低成長で来た――ように見えますがハッキリいいますとそれは錯覚です(棒
欧米を始め、中国に韓国にまで「日本は斜陽の落ちぶれた国」だなんて観られてますし、日本人自身も多くがそう誤解していますがなんのなんのw

日本はこの過去二十年の間に、国内はデフレ社会に順応適応した社会構造に転換を果たしましたし、日本国内で目立った大きな成長をする代わりに海外で投資や現地生産を進め成長してきま.した。
すなわちGDP(国内総生産)ではなく、GNP(国民総生産)で観てみれば今のGDP500兆円前後ではなく、その倍近いGNP900兆円規模の経済力を有しています。



☆GDPとGNPの違いと、日本と欧米を分けた決定的な要因とは?



ここで改めて確認しておきたいのですがGDPとGNPの違い――分かってますよね?
GDPは“国内”総生産といわれるように、それぞれの国内で一年に生み出された富がどれだけか? を見る指標です。
一方で、20世紀にはよく使われていたGDPは“国民”総生産という通り、その国の国民が生み出した付加価値の合計です。
すなわち日本であろうと、海外であろうと、日本国民や日本企業が生み出した富を言い表します。

つまり、日本は国内こそデフレスパイラルから抜け出せず低成長に喘いでいるように見えて、その実、実は海外で大きな経済成長を成し遂げて来た――と、いうワケなんですよw

さて、ここで「では?」と不審に不思議に思われた方も多いのではないでしょうか?

これまでの話の流れだと、日本も海外に企業が工場を移転させ現地生産や第三国の発展途上国での生産にシフトして行ったのですから、欧米同様に『産業空洞化』が進んでいてもおかしくない――ですのにそうはなっていません。


いえ、ね(苦笑)、日本も分野によっては産業空洞化が進んだ分野があるんですよ?
例えば白物家電なんかがそーです。

今、冷蔵庫やTVに洗濯機などの最終組み立ては海外がほとんどで逆輸入が当たり前です。
しかし――です。
欧米との大きな違いは「各企業が研究開発費を惜しまず」製品の品質向上を続けたコトにあります。
ですので、もうお分かりかと思いますが、「日本に逆輸入される」形ですが、結局は最終組み立てが海外なだけで、日本国内で流通している製品のほとんどは日本“企業”製のモノばかりなのですよ?
すなわち、海外メーカー製のモノはルンバなどの一部の自動掃除機などを除いて結局日本国内か海外でかの違いがあれど『日本企業の製品が圧倒的な競争力を有して』います。
逆にアメリカや欧州は自国のメーカーの製品では品質性能で競り負けて日本企業の製品を買っていますからね~w
中国なんて確かに人口規模から来る国内市場(需要)は大きい国ですが、中国メーカーの独自ブランドの製品よりも日欧米の製品の方が売れていますし、競争力でまったく歯が立ちませんw

まあ、要するに日本は人件費やコスト面で勝負ならない従来からの白物家電などの最終組み立て生産は国内で行っていませんが、製品の品質向上改善にキチンと研究開発費をかけて競争力を維持しています。
まあぶっちゃけていいますと「最終組み立て生産を国内でするか? 海外でするか?」という違いだけです。
しかも、近年は中国などの人件費の高騰や反日リスクなどで、「国内で生産しても中国などの海外からの運賃や品質の維持という面から考えてそう変わらない」と国内工場回帰の動きもありますし。
あと、国内に残った産業も、海外のメーカーが太刀打ちできない「高品質、高レベル」の高い付加価値を有する製品や素材を研鑽し、競争力の維持――どころか、海外企業が追いつけない日本独自の競争力のある製品、商品を日々開発研究しています。

その上に日本国内の日本人という「ある意味、世界一厳しい消費者の目」にさらされ評価を受けるのですから、日本企業の競争力が国内はもとより海外でも圧倒的なのは当然といえるでしょう。


☆まとめに――



さて、その一方で、欧米先進諸国が日本と違いなぜあそこまで「落ちぶれた」のかといいますと――目先の利益、企業業績を上げるコトのみ血道を上げ、企業の経営者が安易に工場の海外転移を進め、さらにマネーゲームに走ったから――でしょう ┐( ̄ヘ ̄)┌

ハッキリいいまして、BIG3の自動車産業を始めとする産業界の経営者たちは『株主とストップオプションをもらえる自分たち』が儲ける事しか考えず本業をおろそかにしました。
一時はGMなどは自動車の生産よりも、車のローンなどの金融業の方が儲けが大きいという有様で、企業としての健全な中長期的な経営戦略を考えずカネ儲けに走りました。

「金儲けがしたいなら、銀行屋になればいい(棒」

まったくもって呆れるしかありません。
そーやって欧米では金融工学だのなんだのといって投資や投機の金儲けに現を抜かす内に、日本からは産業競争力で引き離され、肝心の実業――産業の競争力を失っていきました。
さて、車にしろ家電製品にしろ、今では残念ながら生産現場に人手はそういりません。
産業ロボットの発展も手伝って、むしろ人の手を介さない方が効率が良かったり、事故などが起こらず安心だったりします。
しかし、そうなると『よほど人件費と労働条件が低い』か、あるいは機械化・ロボット化がまだできない熟練工の技が必要でもない限り、発展途上国だろうが先進国だろうが何処に工場を建ててもそう変わらない上に、1980年代以前の工場勤めで家を持ち車を買い、子供を学校に通わせる普通の中流家庭の収入を得れていたような時代には戻れないでしょう。

しかしそーいう80年代以前のアメリカが幸せだった黄金期を取り戻す……というのがトランプ大統領の公約です。
また、多くの米国民の望みでもあるでしょう。
さて、それは無理な望みなのでしょうか?

いえ、そうは思いません。
確かに製品組み立ての製造現場では省力化が進み、人件費を始めとするコストも高くなって再興は難しいでしょう。
しかし、その一方で『老朽化した公共インフラの更新や補修』あるいは『高速鉄道や電気自動車の普及』などの新規次世代インフラの整備を通じてそのすそ野の産業も含めて経済を活性化させ、雇用の安定と普通に働いて普通に真っ当な収入を得る新しい社会を再構築するコトは充分今からでも間に合うと思います。

そしてそのアメリカの復興を日本が技術や現地工場だけではなく資金資本も出して助けるベキなのです。
例えばアメリカに日本からODAだなんて――先進国から先進国へ援助なんておかしいやるべきではない! と、正論といえば正論ですが、江戸時代の江戸幕府が徳川の天領の収入だけで日本全体を統治する負担を負って破綻の道を進んでいたように、現代のアメリカは世界全体の二割程度のGDPとなりながら世界の安定秩序を――パックスアメリカーナの維持を担っています。
その負担に耐えかねて「世界の警察官(保安官)を止める」とまで言い出していますし。
今の世界の安定や平和の恩恵を最も受ける国の一つである日本が、そのアメリカの負担を助け軽減し、国力の再興に手を貸すのは充分に価値があります。

また、日本が技術的、資本的に支援すれば、回り回って長期的に観れば充分日本にも“利”益がもたらせます。
今日でなく明日、明日でなく五十年や百年先でもいいじゃないですか?
私たち日本人の祖先たちは――先達は、そうして今の『素晴らしい、暮らしやすい』日本を築き上げてくれました。
目先の損得ではなく、長期的にそして一面からでなく多方面から観て、少なくとも同じ価値観を共有できるアメリカとは共存共栄を図っていくベキだと私は思います。
皆様はどう思われ、考えられますか?

ではでは、また!

 

 

タイトル鬼子っ










 

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