小池真理子、「このミス」に久々のランキングと、手に取りました。
ただ単行本で570p!
分厚さに気後れしつつページを繰ったのですが、素晴らしかったです。
内容は、小学生の時に両親を殺された一人の少女。
その生涯の物語。
殺人とそれに遭遇した少女と周囲の人々の魂の彷徨と困惑。
カラマーゾフの兄弟すら想起させるほどの重厚感には、ただひたすら圧倒されますが、この作品では犯人、スメルジャコフ?はあっさりと判明。
果たしてその動機は、が後半で描かれ、ミステリーとしては、その謎が本命ですね。
小池真理子の筆致は圧倒的ですが、この作品ではいつもと違い、美の限界を追求するような描写は控えられる一方、人の深淵をさぐるような、人のありようを見定めるような探査針のよう描写が続きます。
愛のありよう。
そのカタチの不可思議さ・・・
後半、謎が解き明かされた後の章では、小池真理子ファンにはお待ちかね。
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