haruku666のblog

晴薫という名前でやっていた、雨の日の日曜日は・・・というブログの後継です。 教養書の備忘録、小説、エッセイ、ノンフィクションの読後記録。 映画、スポーツ観戦の感想が主でしたが、最近は安室奈美恵を神と崇拝し、萌え系アニメも愛好しています。 718ケイマンGT4でサーキットも走ります。

神よ憐れみたまえ 小池真理子@ミステリーというより文学、重量級の傑作

小池真理子、「このミス」に久々のランキングと、手に取りました。
ただ単行本で570p!
分厚さに気後れしつつページを繰ったのですが、素晴らしかったです。

内容は、小学生の時に両親を殺された一人の少女。
その生涯の物語。

殺人とそれに遭遇した少女と周囲の人々の魂の彷徨と困惑。
カラマーゾフの兄弟すら想起させるほどの重厚感には、ただひたすら圧倒されますが、この作品では犯人、スメルジャコフ?はあっさりと判明。
果たしてその動機は、が後半で描かれ、ミステリーとしては、その謎が本命ですね。

小池真理子の筆致は圧倒的ですが、この作品ではいつもと違い、美の限界を追求するような描写は控えられる一方、人の深淵をさぐるような、人のありようを見定めるような探査針のよう描写が続きます。

愛のありよう。
そのカタチの不可思議さ・・・

後半、謎が解き明かされた後の章では、小池真理子ファンにはお待ちかね。
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我、筑波最難関の80Rを攻略セリ@筑波サーキット2000

サーキットを走っていると車速を70キロ位まで落とすヘアピンカーブから、190キロ以上でアプローチするような高速コーナーまで、いろいろあるわけです。

そんな中、私を一番悩ましていたのが、筑波の80R。
実際、ここでの事故は非常に多く、私も目の前でクルマが吹っ飛ぶのを見たのは2度3度・・・
もっとあったかな?
さっきまでピットで話していた人のクルマが飛んでいったりしてね。
危ないなぁ、と思うわけです。

高速コーナーと言っても2種類あって、一つは筑波の最終コーナーとか富士スピードウェイの100Rとか、延々と曲がっていく、円を描くようなコーナーですね。
こっちは楽しいんです。
130キロ位で曲がりながらタイヤのグリップを感じつつ、突込みから余裕がありあそうなら微妙にアクセルを踏み増し・・・オーバーかな、と感じたら、そっと抜いてフロントをラインに戻す。

要するに曲がりながら修正が効く。

それが富士のコカ・コーラとかこの80Rなどの、くの字に曲がるようなコーナーでは、飛び込みが全て。
安全に行くとタイムが出ないし、オーバースピードだと修正の間がなく、一気にスピン、コースアウトする危険がある。
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イル・リストランテ ニコ・ロミート@ブルガリホテル東京のメインダイニングは・・・合わなかったです

ブルガリホテル東京のメインダイニングです。

2.2万円のランチのメインはイカでした。
正直、メニューの説明を聞いた時は、ポルナレフ状態
ありのまま起こった事を話しています。
そして本当にメインにはイカがでました。
催眠術とか超スピードではありませんでした。

以下、コースです。
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シャンパン別料金ですが、THIENOTが美味しいです。
他にウォッカを飲みましたが、ソムリエの方は感じ良かったです。

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野菜のスープ、濃厚でこれが一番だったかな
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パンです。
右側のオリーブオイルを付けて食べます。
後方の茶色い板みたいのがゴマ風味で美味しいです。
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前菜1
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前菜2
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一八〇秒の熱量 山本草介@ある種の人間の性は、時に狂気なのか

36才、8勝8敗のB級ボクサーが、37才で向かえるプロボクサーの定年規定を前に、なんとか定年延長の為、タイトルを獲ろうとあがくノンフィクションです。
彼は戦い続けたいのですね。

先日、あまりにも輝かしい井上尚弥のノンフィクションを読んだのですが、その最初の一節。
最も地味で、この本に取り上げられなかったら、知る事もなかった佐野友樹選手の章に一番感動しました。
かなりのマニアにだって無名の選手でも、ここまで努力をしているのだ。
人生を掛け、他のすべてを犠牲にしている、という事にです。

この本で取り上げられる米澤重隆選手の人生も凄い!
彼のファイトスタイルは、ただ愚直に前に出てパンチを振るうだけ。
華麗さや凄みのある切れ味とはまったく無縁な地味なモノであり、その生活を支える為に派遣社員として夜勤と日勤の日々を続けている。

昼夜逆転がまじる仕事の中で、彼は昼の練習を休まない為に、時にはドトールコーヒーで座ったままで眠り、仕事場では、サバ―を冷やす冷気の中ですら眠る・・・
普通の仕事だったら、家の蒲団で眠れるのに、そんな生活を続けている。
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ケイマンGT4、3年目の車検代と延長保証、盲点と年末の予定

718ケイマンGT4PDK、第一回目の車検代、支払い総額49万円に+タイヤ代でした。

ただしこれには以下の費用が含まれます

1)延長保証に入りました。
普段、私は保障の類い入らないのですが、なにせこのクルマ、私史上最も故障するクルマです。
PADM故障実に3回!
インジェクター故障に、ECS故障、トランスミッションエラーも出たし、クーラントまで減っていた。
2年で18.7万ですが、再びPADM故障が出たら一発で吹っ飛びますからね。
PADM対策品に代えてあるんですが、信用してないからね。
18.7万で今後2年間保証が続くなら安いモノです。

2)公的諸経費
重量税、自賠責保険、印紙代、車検代行料で6.7万

3)エンジンオイル、オイルフィルター、ブレーキフルード交換
秋にも代えていたんですが、サーキットを走るのでこの辺も交換です。

実はこの辺でヨシと思っていたのですが、盲点だったこともあって
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11文字の檻 青崎有吾@SFから新本格派、百合まである傑作短編集!

素晴らしく充実感のある短編集です。
そのベースとなったのは青崎有吾さんの筆力ですが、たぐい稀な傑作まで押し上げたのは、卓越した構想でしょう。
素晴らしかったです。
以下、個別の感想は、

「加速してゆく」
JR福知山線の事故を題材に、これは社会派小説?という出だしから進行で、青崎有吾にしては変わっていると思いながらラスト!
本格派推理に回帰する鮮やかな幕切れでした。

「硝子屋敷」
完全に新本格派の設定と進行。
パロディ風でもありますが、新本格派自体、ミステリー黄金期への作品に、そんな雰囲気ありますからね。
ラストの謎解き!
お見事の一言でした。
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世界でいちばん透きとおった物語 杉井光@安定の進行も、ラストの衝撃には?

24年版このミス8位の作品です。
妻子がいるも、幾多の女性を愛人とした放蕩のベストセラー作家。
その認知もされなかった私生児が主人公です。

彼は母親を亡くした後、その作家の遺稿を探す事になるのですが、その題名が「世界でいちばん透きとおった物語」。
そこに秘められた謎と、それを探す過程のお話しです。

文章のクオリティは高く、キャラクターも良く描けています。
最近、このミスに挙げられた作家数人の文章にはついていけず、音楽などの好みで良く言われる「耳が古くなった(センスが今の時代についていけない)」のか、と思っていたんですが、杉井さんのこの作品は読んでいて安心感がありました。

やっぱりこうこなくっちゃね、と思いながら読み進め、さて衝撃と呼ばれるラストですが・・・


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十戒 夕木春央@優れたプロットと、魅力の薄い文章

前作「方舟」に続く夕木春央さんの題名神話シリーズ!

今回は、遺産として残された小島に、開発業者や建設、不動産の方々と、親子で見に行ったら、膨大な爆弾が残されていた上に、殺人事件が勃発!
しかもその「犯人を見つけてはならない」という十戒を課せられてしまう。
守らないと島ごと爆破されるという状況の中、連続殺人が・・・というお話し。

十の戒律は、犯人が特定されない為に、細かく規定されていて、島に残された8人は悪戦苦闘。
それでもラスト、犯人の説明ですべて納得。

プロットは素晴らしいと思いました。
夕木春央ファンなら、ラスト1行の衝撃は、なかなかのモノです。


まあ犯人は途中でなんとなく察しがついてしまうんですけど、事後の告白は、説得力があり、なるほど、なるほど、でした。

ただ前作同様、私には文章がイマイチ馴染めないのは変わらず・・・
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体育館の殺人 青崎有吾@本格派ミステリーとしての安定感

青崎有吾さんが学生時代に書いたデビュー作にして鮎川哲也賞受賞作です。
本格派ミステリーとして評価されましたが、私は賞にふさわしい快作だと感じました。

この作家の最大の美点は、心地よく読める文体です。
詩的な美文とか、印象的なアイロニーなどはありませんが、しっかりと物語をささえる安定感抜群の文章は、読みやすく、本格派推理に必要な事件の様相がしっかりと頭に入って来ます。

内容は、雨のふる放課後、部活動が開始される中、体育館に造られた密室で殺人事件が起こります。
それを学生にして天才的な才能を誇る探偵が解決、ですね。
まさに本格派推理小説の様式通りですが、退屈ではない。
事件の経過と捜査の進展が明瞭で、読者にも分かりやすい。
ラストの理路整然とした謎解きも納得のいくものでした。

ただキャラクターの底が若干浅く、それほどの魅力がない・・・そこが弱いですかね・・・
天才探偵さん、勉強もしないでアニメ好きで、これほどの洞察力があるなら、女の子からチマチマお金なんて巻き上げないで、スマホ一つで、FXでも株でも取引して、大儲けすれば良いのに、なんて思いましたが、出版は2012年
この時代では難しかったですかね・・・
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GR86in筑波サーキットTC1000@洗濯板を突然攻略&マフラー交換はタイムアップに関係なし

筑波サーキットのショートコース。
TC1000には通称「洗濯板」と、呼ばれるコーナーがあります。
私、ココ苦手だったんです。
切っ掛けは、手前のコーナーのクリップ過ぎてからのブレーキングで、姿勢を乱し、コース内側に突っ込みそうになってから。
それまでも、TC1000で事故、っていうと、ココで止まり切れずに、コースアウトって図柄、良く見ていたんで、安全で有名なココも、鬼門はあるものだな、という認識でした。

だからどうしても、1つ手前のコーナーのクリップ付近でブレーキングしてしまい、結果、余してしまう・・・
これではタイム、出ませんね・・・

何度かYouTubeを観ては、巧い人はみな、手前の左側のクリップ過ぎてから、洗濯板の手前でブレーキだよね、と分かってはいたんですが、ダメ!

ところが本日、走ってみたら、軽々と走れる・・・
なんで?
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