「消滅可能性都市」を逆手に | 廣田信子のブログ

廣田信子のブログ

マンションコミュニティ研究会、MSC㈱代表廣田信子より
日々のマンション生活やお仕事に、また人生にちょっとプラスになるストーリーをお届けしています。
一人ひとりが自分らしく活躍しながら、力を合わせることで豊かに暮らす、新しいコミュニティ型社会を目指して・・・

こんにちは! 廣田信子です。

昨年5月8日、日本創成会議の記者発表で、衝撃的な発表があったのを
覚えていますか?
詳しくはこちら

「消滅可能性都市」すなわち、少子化や人口移動に歯止めがかからず、
将来消滅する可能性がある自治体が、
全国の市区町村の半分にあたる896自治体もあり、
早急な人口対策が必要だとされました。

どうやって推定したかと言うと、
20~39歳の女性の数が、2010年から40年にかけて5割以下に減る自治体を
「消滅可能性都市」としたのです。

子どもの大半をこの年代の女性が産んでいるので、
その減少は次の世代の人口を左右するからだと言います。

日本創成会議は将来人口の推計は、
20~39歳までに約3割の人口が大都市に流出することを前提としているので、
当然、地方に厳しい結果が出ました。

ところがです。
なんと、人口が流入するはずの東京23区でも
「消滅可能性都市」とされた区がひとつだけありました。

「豊島区」です。

池袋の持つ若者がやんちゃをしている街というイメージを
(クドカンの池袋ウエストゲートパークのイメージかな~)

10年、20年かけてチェンジし、
住みたい街ランキングの上位にランクされるまでになった直後のこの発表は、
豊島区役所に衝撃を与えました。

何より区民に与えたショックや無力感を何とかしなければ
これは危機事象であると
区長の号令で、すぐ「オールとしま」が立ち上がりました。

5月16日には第1回豊島区消滅可能性都市緊急対策本部会議が開催され

官民、市民、一体になったこの一年の取り組みは、目を見張るものがあります。

消滅可能性都市緊急対策本部は、持続発展都市推進本部と名を変え、
3月6日~8日には、「リノベーションスクール」が、東京で初めて開催されました。

すごいスピード感です。

実は、昨日、
豊島区の推進本部の事務局の責任者にたっぷりお話を伺ってきました。

また、詳しい内容はお伝えする機会があると思いますが、
今日のお話の中から、4つ強く感じたことをお伝えしたいと思います。

ひとつは、
まさに「ピンチをチャンスに変えた」ということです。

23区唯一の「消滅可能性都市」とされたことの
反論にエネルギーを使うとはやめよう、

これは震災にあったに匹敵する危機事象だととらえ、
前に進むことで、風評被害を吹き飛ばそうと、
役所の全庁挙げて、民間の知恵も、市民の力も結集したのです。

それができたのは、衝撃的なピンチがあったからです。


二つめは、
既存の枠組みに拘らずスピード感を持って取り組んだということです。

20代、30代を中心に公募で広く女性を集めて「としまF1会議」を開催し、
提言をまとめ、すぐ今年度予算に盛り込んだのです。

これには、「なぜ、女性だけなんだ」「議会軽視ではないか」という声もあったようです。

また、リノベーションスクールで民間と組むに当たっては、
「なぜその団体組むのか」ということを言う人も当然いたようです。

でも、危機ですから、とかく役所にありがちのように、
何でも平等にとか、根回しとか、既存の組織の代表者を集めて…
とか言わずにできたことがよかったのです。

それによって、新しいエネルギーが流れだし、
自分たちの提言がすぐ施策になることでやる気も出ます。


三つめは、
「地方との共生」をうたっていることです。
これには特に感激しました。

とかく自治体の施策は、自分たちの自治体にどうやって子育て世代を呼ぶかという
自分たちの自治体の都合だけの話になってしまいますが、

豊島区だけが人口を維持できればいいというのではなく、
日本全体の問題として捉え、東京圏と地方が共に適正な人口規模を維持できるよう
協力することが重要だとしています。


四つ目は、
「生めよ、増やせよ」式の狭義の少子化対策ではないということです。

住宅問題やワークライフバランスまで総合的な取り組みをし、
本人が生みたいと思ったときに安心して子供を産める環境を整備しようと
しています。

さて、
・ピンチをチャンスにして後ろを向かない
・広く人材を求めスピード感をもって取り組む
・周りと共存する
・本人の意思が尊重される環境をつくる

4つともどんな場合にも当てはまる重要な考え方ではないでしょうか。
学びました。


ランキングに参加しました。
クリックしていただけると励みになります!



マンション管理 ブログランキングへ

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ
にほんブログ村

------------------------------------------------------------------------------

Facebookでもお届けしています!
Facebook


Amebaブログ記事へのコメントについてのお願い