地震保険は、国による私有財産救済の入り口? | 廣田信子のブログ

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こんにちは! 廣田信子です。

 

昨日の地震保険のクイズいかがでしたか?

 

1.地震保険は法律に基づいた保険である。

 

これは、〇ですね。

 

地震保険は、新潟地震を契機に、

1966年(昭和41年)6月、法律に基づいて

創設されたものです。

そこが他の保険と大きく違います。これは楽勝ですよね。

 

「地震保険に関する法律」第一条(目的)には、 

この法律は、保険会社等が負う地震保険責任を

政府が再保険することにより、

 

地震保険の普及を図り、

もつて地震等による被災者の生活の安定に寄与することを

目的とする。

 

とあります。

 

他の災害に比べ、地震による災害は、

確率は低くても、

一旦発生すると巨額の損害が生じるもので、

もともと保険制度にはなじみにくいものでした。

 

民間の保険会社の保険金支払いキャパシティーには

限界があるため、

保険金の額に限度を設け、保険会社のキャパシティー不足分を

国が肩代わり(再保険)する形で

保険会社と国が共同運営しているのが地震保険です。

 

したがって、

保険の定義、保険の目的、てん補する損害と金額などは

法律で定められています。 

 

 

2.耐震診断をして必要な耐震改修を行うと、

  地震保険料は割引になる。

 

これはどうですか? 

「必要な」が曖昧といわれそうですが…これも一応〇です。

 

今年1月の改正により、保険料は値上がりしましたが、

 

地方公共団体等による耐震診断または耐震改修の結果、

改正建築基準法における耐震基準を満たす場合は

1割保険料を割引くことになりました。

 

 

3.新耐震基準と旧耐震基準のマンションでは保険料率が違う。

 

これは、どうですか。これも一応〇です。

正確にいうと、割引があるということですが…。

 

1981年(昭和56年)6月1日以降に新築された建物、

すなわち新耐震基準に基づいて建てられた建物は、

保険料が1割割引かれます。

 

 

4.まったく損傷ない階があっても、

  損傷がひどい階の判定が全体の判定になる。

 

これも、〇です。

 

判定は、最上階を除く階で、

一番損傷が激しかった階の損傷で行われます。

 

したがって、場合によっては、

ほとんど損傷がない階があっても、

「全損」というような判定になることもあります。

 

で、建物の共用部分の地震保険の判定が「全損」となると、

専有部分の地震保険の判定も、個別に行わずに、

すべて「全損」と判定されます。

 

 

5.東日本大震災の時に

  仙台で地震保険を掛けているマンションで、

  保険金が支払われたのは9割以上である。

 

これも一応〇のつもりです。

 

全部を調査した資料があるわけではないので、

正確には分かりませんので、

問題としては、いい問題じゃないですが…と言い訳した上で、

 

「マンション管理支援ネットワークせんだい・みやぎ」

が実施した

「仙台圏での被災状況・ 復旧状況に関するアンケート調査」

によると、

 92.3%のマンションが地震保険金を受け取っています。

 

思ったより多くありませんか?

 

問1で書いたように、

地震保険は、国が

「地震等による被災者の生活の安定に寄与すること」

を目的に創設した保険ですので、

 

迅速に保険金を支払うことが重要で、

査定は極力簡便に行う必要があります。

 

厳しく査定するというより、

できるだけ出してあげようという目でみてくれる…

 

そんな印象がある(あくまで個人の見解です)保険です。

 

 

6.地震保険に加入しているマンションは4割強である。

 

これは、×のつもりです。

 

すべてを網羅した結果があるわけではありませんが、

損保大手4社の平成27年の集計では、

マンションの共用部分の保険の付帯率はまだ 38.1%です。

 

不思議なことに、

被災した仙台や熊本の地震保険付帯率は、

この数字よりずっと高かったんです。

 

 

さて、みなさんいかがでしたか?

25日の勉強会のウォーミングアップでした。

 

くわしく知りたい方は、

直接専門家のお話をお聞きください。(定員まであと少しです)

→「第53回勉強会

 

甚大な地震災害では、

保険金はほとんどが国の補填によって支払われるのです。

 

そう思うと、地震保険は、

国による住宅である私有財産救済の唯一の入り口なのかな…

そんな一面も感じています。

 

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