設計コンサルタントと施工業者がうまくやる?   | 廣田信子のブログ

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マンションコミュニティ研究会、MSC㈱代表廣田信子より
日々のマンション生活やお仕事に、また人生にちょっとプラスになるストーリーをお届けしています。
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こんにちは! 廣田信子です。

 

不適切コンサル問題に対して、

 

「バックマージンなんて

どこの業界でもよくあることじゃないか

昔から設計コンサルタントと施工業者は

うまくやってきたんだ…」

 

そんなことを堂々と言う人がいることに、

私は暗い気持ちになります。

 

本来は、緊張関係を持って

それぞれの役割を果たす義務がある両者が

「うまくやる」ことで、

 

管理組合や関わった個人が

どんな被害を被ってきたか…

 

追い詰められて相談をしてきた方の状況は

いつも深刻で、胸が痛みます。

 

管理組合が、

設計コンサルタントに決定的不信感を持つのは、

工事の瑕疵の事実が出てきたときというのが

圧倒的に多いのです。

 

高いお金をとられたというようなことは、

工事が無事終わって、工事の不具合が発生しなければ

あまり問題にはなりません。

 

次の大規模修繕工事のときに資金が不足し、

前回の工事で取られ過ぎたと

悔しがることはあっても…。

 

設計コンサルタントと施工業者の癒着の問題は、

設計コンサルタントが自分の役割である工事監理を

きちんとしないこと…それが一番なのです。

 

それが管理組合にどれほどの傷を残すか…

あるマンションの「物語」です。

 

……………………………………

 

大規模修繕工事終了後1年もたたないうちに、

 

・塗装が大きく膨らんで浮いてくる

・鉄部に錆が大量に発生する

・漏水が始まる

 

そういう事態が発生していました。

 

就任したばかりの修繕委員長は、

施工業者のアフターサービスの対応の悪さに

頭を悩ましていました。

 

施工業者は、指摘された場所を表面的に直すだけで、

なぜそうなったか、原因の説明もしてもらえない。

 

設計コンサルタントに聞いても何の返答もなく、

施工業者の味方をするばかり。

 

原因がわからないのだから、

いつ、別の個所で同じような

剥がれや漏水があるかわからない。

 

責任感の強い修繕委員長は

このままなし崩しにはできないと、

理事会に報告し、

別の専門家に調査を依頼しました。

 

すると、

手抜き工事や材料の仕様違いがいくつも発覚。

 

いったい、

設計コンサルタントは何をしていたのか、

本当に工事を監理していたのか…。

 

不信感がつのり、

改めて見積書や工事業者選定の過程を検証すると、

 

明らかに談合の痕跡があり、

最初から、その施工業者に

工事が落ちるようになっていた…

 

しかも、

その施工業者は管理会社のグループ企業で、

実際に工事をしたのは別の施工業者。

 

管理会社の取り分、

設計コンサルへのバックマージンも

しっかりのった金額を取られていたのです。

 

実際に補修工事にくる職人の投げやりさから、

現場にはお金が回っていないと想像できる。

 

設計コンサルには

見積り通りの工事監理料を払っているのに…。

 

だったら、せめて責任を持って

工事を監理するのは当たり前じゃないか、

責任をとって工事をやり直させてほしい。

小手先の補修では解決しない。

 

そう思うのは当然だと思います。

 

しかし、

設計コンサルの担当者は、

開き直って電話にも一切出なくなる。

 

設計コンサルタントにとって、

この管理組合は一見の客。

信頼を失っても痛くも痒くもない。

 

しかし、管理会社は、

年間多数の工事を抱える大切なお客だ。

管理会社と組んで仕事をした方が何倍も利益になる。

 

談合を仕切って

管理会社に工事が落ちるようにすれば、

間違いなくバックマージンがとれる。

 

管理会社こそ大事なお客だから、

うるさい管理組合から守らなければならない。

 

そして、管理会社は思います。

 

この責任感が強い修繕委員長を何とかしたい。

この人さえ引きずり下ろせばうやむやになる。

 

それには、管理組合の中で孤立させることだ。

 

そこから、

修繕委員長への人格攻撃が始まる。

 

あの人は変わった人、

何か個人的な目的があるのではないか…

そんなフェイク情報をさりげなく流すことで…。

 

翌年、理事が総入れ替えになると、

新理事は過去の経緯も

修繕委員長のこともよく知らず、

面倒なことを嫌がるから、

だんだん修繕委員長を見る目が変わってくる。

 

同時に、理事には、自分も管理会社に逆らうと、

人格攻撃をされるかもしれないという恐怖も生じてくる。

で、関わりたくない…と。

 

そして、

がんばってきた修繕委員長を孤立させていく…。

 

子供のいじめの構図と同じだ。

 

管理会社も設計コンサルも

この修繕委員長があきらめるか

マンションを出ていくのを待っている。

 

……………………

 

これは、「物語」ですが、

 

管理組合のためとがんばったことで、

人格攻撃で孤立化させられ、

つらい思いをした経験をもつ人は少なくないのです。

 

輪番制の理事会では、

こんなことも普通に起こり得るのです。

 

だから、問題が表面に出にくいのです。

 

設計コンサルタントと施工業者が繋がると言うのは

こういうことなのです。

 

高いお金をとられ、

まともな工事をしてもらえず、

 

さらに、まっとうな声を上げた人は

人格攻撃にさらされ

マンションを出ていかざるを得なくなる。

 

管理組合の自主性も失われる…。

 

こんなことがあるとしても、

それでも、

「バックマージンなんてよくあることじゃないか

設計コンサルタントと施工業者はうまくやってきたんだ…」

 

なんていうのを許せますか。

 

幸いにも、不適切コンサル問題が表に出たことで、

いくつかのコンサルタントの団体ができ、

問題を無くし、信頼を取り戻すために

努力することになったようです。

 

今後は、

バックマージンや談合を正当化するようなことは

さすがに言われなくなるでしょう。

 

そう信じて、思い切って

この記事を書くことにしました。

 

でも、実際になくなるのか…続きは明日

 

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