今の私には、わからない。
「親不孝者」「心が冷たい」と
言われたくないから、
悲しんでいる顔はするだろう。
親。
親ってなんだろう。
両親はよく、お金、お金、お金、お金と
言っていた。
高校受験にお金がかかる
塾には行かせない。家庭教師もつけない。
お金がかかるから滑り止めは受けるな
大学受験、落ちたら家を出て行け
大学のお金と生活費、そんなにかかるのか。
金食い虫。
親のすねかじり。
これらは、実際に言われた言葉。
挙げればもっとキリがないけれど。
これを聞いた人は、たいてい
「お金に困っている家庭なのね」と思うだろう。
とんでもない。高年収所得者だ。年収一千万はゆうに超えている。
私は極力、親にお金のことで迷惑をかけないように生きてきた。
小中高すべて公立、大学も国立。塾も一度も通ってない。
それでも「金食い虫」と言われ続けた。
大学で家を出て、たまに帰省すると「なにしに帰ってきたのか。目的はなんだ。金か。」と言われた。
ああ、私は存在するだけで、迷惑な存在なんだなと思ってきた。
生きているだけで、迷惑な存在だと思った。
そう思ってきた。
それでも我慢して、親には育ててもらった恩がある、お金だって実際、私を育てるためにかけてくれたんだ。
そう思って、親と接し続けようと思った。
思った、けど、
無理だった。
お金以外にも、問題発言は山のようにあり、それをなんの悪気もなく言う親に、心はズタズタに切り裂かれる。
親に自覚がないから、タチが悪い。
そして、そんな親に育てられた私も、親色が染み付いてとれない。そんな自分が嫌いだ。
それでも私は生きていく。
親は、もういい。
私が生きていくためには、
親から離れる以外に方法がなかった。
だから、親からは離れる。
生きるために。
どんなに親族に対して、罵られ、悪評をたてられても、
そう言っている本人、あの親が、
「こういう人なんだな」と思われるだけ。
私は、私の誠意を尽くしていく。
私は、私らしさを獲得していく。
どんどん自分色に染めて、
どんどん好きな人の色に染めて、
生きていくんだ。
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