幸福の科学高知 なかまのぶろぐ

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ミラージュが切り開いた、スーパーな逆転の未来。

2017-02-02 00:02:10 | 自動車から見える日本と世界

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「ここ最近、記事が自動車ブログ化しとるんちゃうかぁ?」というご指摘を、メッセージでいただくことの多い今日この頃ではありますが(笑)、幸福の科学の地元布教ブログなのに、時折書かせていただいている自動車記事が大好評で、感謝感激雨アラレの代表管理人でございます。

何事も、「点」で見たら真実は見えてきません。「点」の段階で、うかつに結論を出すことは、ともすればレッテルを貼ってしまいがちです。何事も、「点と点」をつないで、「線」や「面」や「立方形」で見ることが大切だと思うのです。

何事も「始まり」というものがあり、「過程」があり、「今」があります。その一例として、日本の基幹産業と頑張り続ける日本の自動車産業の、偉大なる創意と工夫の歴史のひとこまを、ご一緒に楽しんでいただければ幸いです。

今回の主役は、三菱ミラージュ(初代)です。

「おいおいばくちゃん、スーパーカーうんちくとかやった方が、お客さん、来るぞョ!」と仰るかも知れませんが、ここで取り扱っているテーマは、「世界に与えた影響」でございますので、あしからず。

今日取り上げる三菱ミラージュこそ、現代の世界の自動車の原型に当たると考えられる偉大な作品なのです。
今の世界の自動車製品の99.9%は、ミラージュなくして存在しないと思います。

さてこのミラージュですが、1978年発売ですけど、超いかしたデザインですね。日本の小型車として歴代トップのデザインだと思います。

 

 

さてミラージュですが、三菱最初のFF(フロントエンジン・フロントドライブ)車です。つまりエンジンが車体前方にあって、前輪を駆動するタイプです。エンジンは横置きです。

実はFF車の種類には色々ありまして、大きく分類すると、エンジンを縦置きにする方式と、横置きにする方式があります。

1978年当時はFR(フロントエンジン・リアドライブ)車もたくさんあり、FF車も少なかったですが、FFのエンジン搭載方法も、縦置きもあり横置きもありと、ずいぶんと混在していました。
 
今世界の自動車製品の販売台数では、99.9%横置きFFです。しかもジアコーサ方式というタイプです。今これ以外の方式では、スバルの水平対向エンジンを使った縦置き方式しか、FFには存在しません。
 
「当時はまだ方法論の選択で、皆、迷っていた時期だった。」というのが通説です。それは何か、「進化論的淘汰」を感じさせる表現で、一見すると「説得力があるかも」と思ってしまいますが、私は「見方が甘いぜョ!」と思うのです。(笑)
 
「ジアコーサ方式というのが一般的になった発端は、三菱ミラージュだった。」と言うのが、偏屈自動車評論家(爆笑)のばく説なんですね。
 
 
前輪の前に縦置きに、全長の短い水平対向エンジンを載せているスバル1000

三菱がFF車を作るにあたり、なぜエンジンを横置きにしたか?私が思うには、「中島飛行機であるスバルのFFが、縦置きエンジンだったから」ではないでしょうかね。(笑) 

戦前から、三菱と中島飛行機はライバル関係でしたので、時代の流れでFFの開発は致し方ないにしても、スバルと同じ方式には、絶対にしたくなかったのではないでしょうか?(爆笑)

それ以外にも、三菱はことごとく、反スバル方式を貫いていますので、FF車を開発するに際しても、三菱的には、エンジン搭載は横置きしか選択肢がなかったと思います。(爆笑) 

そしてメンドクサイ話なんですけれども、横置きエンジンの搭載方法も2種類あります。 

イシゴニス方式と、ジアコーサ方式です。

 

イシゴニス方式というのは、エンジンとギアとの2階建て方式です。

代表例は、ミニクーパーですね。

ミニ 前輪の前に空間がなく、2階建てイシニゴス以外では不可能なデザイン

イシニゴスFFは、とにかく前後左右のスペース効率に優れますので、ホンダN360など、日本車の初期のFF車はイシゴニス方式が多いんです。

前輪の上にエンジンが乗っかる形ですので、前後のスペースは要らないですし、FR車のエンジンがそのまま使えますが、エンジンから下の変速ギアなどは、どうしても専用の設計が必要です。

重心が高くなるのと、エンジンとギアとが同じオイルを使うため、オイル管理を怠ると、エンジンを痛めるのが欠点です。
 

ドライバーがズボラだと、走っている途中で、いきなりエンジンが壊れる可能性があるんですね。エンジンとギアでは、オイルに求められる特性が全く違うので、イシゴニス方式のFF車だと、オイル管理は重要です。

ちなみに、この方式で、エンジンを横置きにした、ミッドシップのスポーツカーの代表が、ランボルギーニミウラです。
 
 

ランボルギーニ ミウラ 2階建てイシニゴス方式ミッドシップ

一方ジアコーサ方式は、エンジンとギアボックスを横並びにして、最終的にデフという駆動ギアにつなぐ方式です。重心が低いのと、ギアなどを専用設計する必要がないのが特徴です。 

またエンジンとギアとで、潤滑オイルを分けられますので、オーナーがずぼらでも、オイルによるトラブルは少なくなります。

ただ横に長いので、エンジンルームには余裕はありません。またタイヤの前に、エンジンを載せる空間が必要です。
 

今の主流はジアコーサ式ですので、FF車には、軽自動車など、超小型のエンジンでなければ、前輪の前に、もっさりとした空間があるはずです。

顔が突き出ているというか、アゴが出ているというか、エンジンを載せる空間が特別に必要なのがジアコーサFFです。

現代のミニ ジアコーサ方式なので、前輪の前に、エンジンを積む空間がある。

また横に長い関係上、どうしても左右が非対称で、左右の重量バランスが取れません。
そして、タイヤを駆動するシャフトも、左右で長さが違ってしまいます。これは、左右の駆動輪で、回す力が違うことを意味します。
 

走ってしまえば問題はないのですが、最もタイヤにまわす力がかかる発信時に、ハンドルが取られるという現象が起こります。これをトルクステアと呼びます。これを克服したのは、後年のマツダですが、それはまたの機会に。

ちなみに、ジアコーサ方式でミッドシップにした事例は、日本のトヨタのMR2や、イタリアのフィアットのX1/9など、小型の作品に大変多いです。

 

このように技術や方式というのは、進化論的に「何のこんなところが優れているので、時代の流れでこうなった」的なものではなく、すべて、何か良いところがあれば、それと同じだけの欠点があるものなのです。そのネガを、克服していくところに進化があるんですね。
 
技術的に淘汰されたと思われている縦型FFやイシニゴスの方が、前輪に掛かる荷重は大きく、また左右のバランスも良いので、運動面に限れば、現代主流のジアコーサの方が劣る部分も大きいのです。

で・・・ミラージュが採用したのは、今主流のジアコーサ式のFFです。なぜミラージュが、ジアコーサを採用したか?おそらくそれは、ミラージュ以前に、日産チェリー(初代)が、イシニゴス方式のFFだったからだと思います。(笑)

実は、初代日産チェリーを開発したのは、日産と合併した、旧プリンス自動車のメンバーなんですね。旧プリンス自動車の前身は、スバルと同じく、中島飛行機なんですね。(爆笑)

三菱はやっぱり、旧中島飛行機(プリンス自動車)が開発した、チェリーと同じ方式には、絶対に!、したくなかったのではないでしょうかね?(さらに爆笑)

三菱技術者の意地が、初のFF車ミラージュのエンジン搭載方法を、横置き横並び方式(ジアコーサスタイルのFF)に導いたに違いないのです。
 
日産 チェリークーペ 初代 前輪の前空間はほとんどない。典型的なイシニゴス方式のFF
 
三菱の発想の根底には、対中島飛行機意識があると私は思います。
 しかし当時のジアコーサスタイルには、運動面の他にも、とても大きな欠点がありました。

ジアコーサには、専用エンジンが必要・・・と思われていたんです。実は、当時主流のFR車のエンジンを、ジアコーサスタイルで横並びにしますと、車が逆走してしまったんですね。(爆笑)

なぜならば、当時は燃料供給システムが、気化器(キャブレター)時代でして、前向きにキャブレターを向けますと、冬場にキャブレターが凍ってしまって、動かなくなることがあったんです。

ですから、どうしてもキャブレターを運転席側に配置する必要があったのですが、そうすると、回転の関係上、車は後ろ向きに爆走し始めちゃったんですね。

 

ホンダ シビックのエンジン。 灰色の円形の物体はキャブレターにきれいなエアを送るエアクリーナー

今では、燃料噴射装置という便利な道具がありまして、(これを普及させたのは日産です。)そういう心配は全くないんですけれども、当時は主流のFR車用のエンジンでは、ジアコーサスタイルが取れなかったんです。
ホンダシビックなど、それまでもジアコーサスタイルのFF車というのはありましたが、皆、社運を賭けた専用開発のエンジンだったんですね。
 
エンジンを一から開発するとなると、100億円以上の出費を覚悟しなければなりません。
ですから、それまで主流のFR車を作ってきた多くのメーカーは、空間効率の悪い縦置きエンジンで、仕方なくFFを作ってきたと思います。
それは、大トヨタでも同じでした。
当時、縦置きエンジンのFFというのは、売れなければ破産する自動車業界では、当然のリスク管理だったんです。

イシニゴススタイルでも、ギアから先は専用ですから、開発費は巨額です。 

トヨタ初のFF車 ターセル 縦置きエンジン独特の、顔が突き出たスタイルですね。 

でも三菱は、それまで使ってきたFR車のエンジンとギアで、ジアコーサFFのミラージュを作ってしまったんです。

では三菱は、どうやって、横置きジアコーサの逆走を克服したか?(笑) 

もう傑作です。現実主義、実用主義、あっぱれです。

エンジンとギアの間に、もうひとつ小さなギアを入れて、エンジン回転はそのままに、タイヤへの駆動回転を逆転させたんです。

それで、エンジン開発なら100億円かかるところを、ほんのわずかな出費で済ませたんですね。(大笑) 

おまけに、その小さな逆転ギアを、Hi&Lowの2段にして、ごく普通の4段変速ギアを、4×2の、8段変速ギアにしてしまったんですよ!これを三菱は、「スーパーシフト」と銘打って、ミラージュに搭載し発売しました。 

 

スーパーシフト 4×2の8段変速

開発費は安いし(笑)、当時5段変速でも、「すごい!」といわれていた時代です。

今でも、オートマでなければ、7段変速が最高だと思います。 

それが、いきなり8段変速ですからね。それは、すごい商品価値です。

変速数の多さに目が行きがちなのですが、三菱の開発側の思惑とすれば、「タイヤの回転を逆転させたかった」ということです。

 そしてこのスーパーシフトを見た、全世界の自動車業界は、「あ”~~~~~~~~~~!」と叫んだに違いありません。 

三菱ミラージュは、実に簡単な真理を、世界の自動車産業に提示してたからです。 

それは・・・、 

「な~んだ。今あるエンジンでFF化するには、エンジンの回転を、逆転させればいいんだぁ。」ということです。(爆笑)

そう、エンジン新開発なら、巨額の投資が必要ですが、エンジン回転を逆転させるだけなら、一部の部品を代えれば良いだけなんです。(笑)
 
 それで、今まで巨大な投資が怖くて、FF車開発を試すことができなかった、世界の多くの自動車業界の、出費や心理面におけるハードルを、三菱が大幅に下げたのですね。FF車をテストするのに、まず、専用のエンジンやギアをつくるという必要がなくなったんです。
 
三菱のスーパーシフト自体は、それほど普及せず、三菱も自ら逆回転の新エンジンを開発した時点で、スーパーシフトを止めていますが、このスーパーシフトのアイデアは、世界の自動車製品のFF化を一気に広めると共に、その主流・・・というか、全てがジアコーサFFになるきっかけとなったんです。 

イシニゴス方式でも、ギアは新たに専用に作らないといけませんから、ジアコーサ方式の方が、遥かに安く作れるようになったのです。

 三菱のやったことや、やろうとしたことが、世界の主流になる。

この三菱が持つ、世界のトレンドメーカーとしての一端が、このミラージュスーパーシフトなんですが、それが、中島飛行機(スバル&プリンス)に対するライバル心という動機なのが、私にはとても面白いんです。(爆笑) 

そしてこのスーパーシフト。この三菱の現実主義が生んだオモシロ製品(失礼)から、他にも超意外な発明がなされていて、それが今の主流になっています。 

今回は、また随分と長くなってしまいましたので(爆笑)、いつかまた、それについてお話できればと思います。

                               (ばく)

初代 MIRAGE ミラージュ 1400GLX 1978

 

   

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本会場    大分別府ビーコンプラザ・コンベンションホール(完全予約制) 

衛星会場   全国の支部・精舎・衛星布教所

日時     2月11日(土・祝)13時20分~ 

高知支部精舎    高知県高知市高須           TEL:088-882-7775 

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