「ここ最近、記事が自動車ブログ化しとるんちゃうかぁ?」というご指摘を、メッセージでいただくことの多い今日この頃ではありますが(笑)、幸福の科学の地元布教ブログなのに、時折書かせていただいている自動車記事が大好評で、感謝感激雨アラレの代表管理人でございます。
何事も、「点」で見たら真実は見えてきません。「点」の段階で、うかつに結論を出すことは、ともすればレッテルを貼ってしまいがちです。何事も、「点と点」をつないで、「線」や「面」や「立方形」で見ることが大切だと思うのです。
何事も「始まり」というものがあり、「過程」があり、「今」があります。その一例として、日本の基幹産業と頑張り続ける日本の自動車産業の、偉大なる創意と工夫の歴史のひとこまを、ご一緒に楽しんでいただければ幸いです。
今回の主役は、三菱ミラージュ(初代)です。
「おいおいばくちゃん、スーパーカーうんちくとかやった方が、お客さん、来るぞョ!」と仰るかも知れませんが、ここで取り扱っているテーマは、「世界に与えた影響」でございますので、あしからず。
さてこのミラージュですが、1978年発売ですけど、超いかしたデザインですね。日本の小型車として歴代トップのデザインだと思います。
さてミラージュですが、三菱最初のFF(フロントエンジン・フロントドライブ)車です。つまりエンジンが車体前方にあって、前輪を駆動するタイプです。エンジンは横置きです。
実はFF車の種類には色々ありまして、大きく分類すると、エンジンを縦置きにする方式と、横置きにする方式があります。
三菱がFF車を作るにあたり、なぜエンジンを横置きにしたか?私が思うには、「中島飛行機であるスバルのFFが、縦置きエンジンだったから」ではないでしょうかね。(笑)
戦前から、三菱と中島飛行機はライバル関係でしたので、時代の流れでFFの開発は致し方ないにしても、スバルと同じ方式には、絶対にしたくなかったのではないでしょうか?(爆笑)
それ以外にも、三菱はことごとく、反スバル方式を貫いていますので、FF車を開発するに際しても、三菱的には、エンジン搭載は横置きしか選択肢がなかったと思います。(爆笑)
そしてメンドクサイ話なんですけれども、横置きエンジンの搭載方法も2種類あります。
イシゴニス方式と、ジアコーサ方式です。
イシゴニス方式というのは、エンジンとギアとの2階建て方式です。
代表例は、ミニクーパーですね。
ミニ 前輪の前に空間がなく、2階建てイシニゴス以外では不可能なデザイン
前輪の上にエンジンが乗っかる形ですので、前後のスペースは要らないですし、FR車のエンジンがそのまま使えますが、エンジンから下の変速ギアなどは、どうしても専用の設計が必要です。
ドライバーがズボラだと、走っている途中で、いきなりエンジンが壊れる可能性があるんですね。エンジンとギアでは、オイルに求められる特性が全く違うので、イシゴニス方式のFF車だと、オイル管理は重要です。
ランボルギーニ ミウラ 2階建てイシニゴス方式ミッドシップ
またエンジンとギアとで、潤滑オイルを分けられますので、オーナーがずぼらでも、オイルによるトラブルは少なくなります。
今の主流はジアコーサ式ですので、FF車には、軽自動車など、超小型のエンジンでなければ、前輪の前に、もっさりとした空間があるはずです。
顔が突き出ているというか、アゴが出ているというか、エンジンを載せる空間が特別に必要なのがジアコーサFFです。
現代のミニ ジアコーサ方式なので、前輪の前に、エンジンを積む空間がある。
走ってしまえば問題はないのですが、最もタイヤにまわす力がかかる発信時に、ハンドルが取られるという現象が起こります。これをトルクステアと呼びます。これを克服したのは、後年のマツダですが、それはまたの機会に。
ちなみに、ジアコーサ方式でミッドシップにした事例は、日本のトヨタのMR2や、イタリアのフィアットのX1/9など、小型の作品に大変多いです。
で・・・ミラージュが採用したのは、今主流のジアコーサ式のFFです。なぜミラージュが、ジアコーサを採用したか?おそらくそれは、ミラージュ以前に、日産チェリー(初代)が、イシニゴス方式のFFだったからだと思います。(笑)
実は、初代日産チェリーを開発したのは、日産と合併した、旧プリンス自動車のメンバーなんですね。旧プリンス自動車の前身は、スバルと同じく、中島飛行機なんですね。(爆笑)
三菱はやっぱり、旧中島飛行機(プリンス自動車)が開発した、チェリーと同じ方式には、絶対に!、したくなかったのではないでしょうかね?(さらに爆笑)
ジアコーサには、専用エンジンが必要・・・と思われていたんです。実は、当時主流のFR車のエンジンを、ジアコーサスタイルで横並びにしますと、車が逆走してしまったんですね。(爆笑)
ですから、どうしてもキャブレターを運転席側に配置する必要があったのですが、そうすると、回転の関係上、車は後ろ向きに爆走し始めちゃったんですね。
ホンダ シビックのエンジン。 灰色の円形の物体はキャブレターにきれいなエアを送るエアクリーナー
ですから、それまで主流のFR車を作ってきた多くのメーカーは、空間効率の悪い縦置きエンジンで、仕方なくFFを作ってきたと思います。
イシニゴススタイルでも、ギアから先は専用ですから、開発費は巨額です。
トヨタ初のFF車 ターセル 縦置きエンジン独特の、顔が突き出たスタイルですね。
でも三菱は、それまで使ってきたFR車のエンジンとギアで、ジアコーサFFのミラージュを作ってしまったんです。
では三菱は、どうやって、横置きジアコーサの逆走を克服したか?(笑)
もう傑作です。現実主義、実用主義、あっぱれです。
それで、エンジン開発なら100億円かかるところを、ほんのわずかな出費で済ませたんですね。(大笑)
おまけに、その小さな逆転ギアを、Hi&Lowの2段にして、ごく普通の4段変速ギアを、4×2の、8段変速ギアにしてしまったんですよ!これを三菱は、「スーパーシフト」と銘打って、ミラージュに搭載し発売しました。
スーパーシフト 4×2の8段変速
今でも、オートマでなければ、7段変速が最高だと思います。
それが、いきなり8段変速ですからね。それは、すごい商品価値です。
変速数の多さに目が行きがちなのですが、三菱の開発側の思惑とすれば、「タイヤの回転を逆転させたかった」ということです。
三菱ミラージュは、実に簡単な真理を、世界の自動車産業に提示してたからです。
それは・・・、
「な~んだ。今あるエンジンでFF化するには、エンジンの回転を、逆転させればいいんだぁ。」ということです。(爆笑)
イシニゴス方式でも、ギアは新たに専用に作らないといけませんから、ジアコーサ方式の方が、遥かに安く作れるようになったのです。
この三菱が持つ、世界のトレンドメーカーとしての一端が、このミラージュスーパーシフトなんですが、それが、中島飛行機(スバル&プリンス)に対するライバル心という動機なのが、私にはとても面白いんです。(爆笑)
そしてこのスーパーシフト。この三菱の現実主義が生んだオモシロ製品(失礼)から、他にも超意外な発明がなされていて、それが今の主流になっています。
今回は、また随分と長くなってしまいましたので(爆笑)、いつかまた、それについてお話できればと思います。
(ばく)
初代 MIRAGE ミラージュ 1400GLX 1978
講演会 大川隆法総裁「信じる力」
本会場 大分別府ビーコンプラザ・コンベンションホール(完全予約制)
衛星会場 全国の支部・精舎・衛星布教所
日時 2月11日(土・祝)13時20分~
高知支部精舎 高知県高知市高須 TEL:088-882-7775
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