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 庇にガラス戸という、店舗らしき建物があったが、中は空で”ひとけ”はないということで、とりあえず、店の裏側に回ってみることにした。

 勝手口のドアは勿論、閉じられている。



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 港区の路地の奥の奥の質素な木造店舗において、かつて、美容室が営まれていたということらしい。



裏家 (1 - 1)
 先程見学した廃アパートの隣の建物が見える。

 どこもかしこも廃屋好きには堪らない朽ち具合。



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 廃美容室のある路地の終端行き止まりには、二世帯住宅だったと思われる、廃屋。

 見下ろされているような、谷底みたいな地に、逆ガラパゴス状態で、巨大ゴーストタウンが、今日まで、そのまま残されてしまっているという現実。



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 丁寧に表皮だけを剥がして、中のスポンジを露出させることに、どういった意図があったのか   



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 丸い蛍光灯だけが残されたまま。



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 住人の舗装工事要求も叶えられないままに、砂利道の路地だった場所はまもなく、上級国民しか立ち入れないようなきらびやかな商業施設やホテルに生まれ変わる。



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 次から次へと現れる路地の奥へと侵入して行く。



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 せっかくの都会の原っぱなのに、子供の姿はどこにもない。



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 モデルの撮影とかにピッタリなような気もしますが、そういう業界の人達は遠慮してしまっているのか。変な工場で写真を撮るよりは、ここの方がよっぽど荒涼感が漂っていて創造力が掻き立てるような気もする。



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 精気のなさそうな赤いマンションは隣の路地にあるようだ。



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 まだまだ使えそうなのに、全戸立ち退き完了済みの様子。



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 入口全体がフェンスで覆われている。



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 「麻布ロングビーチマンション」という名前のマンション。

 ここで、めずらしく人が歩いているなと思ったら、男の人が脇の路地に入っていった。

 日本人っぽい。

 カメラはぶら下げていないが、小袋を脇に抱えている。

 その路地も今までと同様に、廃墟の並びしかないはずなので、もしかしたら同系統の趣味の、街ブラ見るだけ派の人かもしれない。

 かち合うのもなんなので、手前で待ってみることにした。

 すると、五分もしないうちに入って行った路地から彼が出て来る。



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 理由はまさか、あれなのか。

 港区の昼間でも人の姿が見えないゴーストタウンの中の細っそい路地の奥、取り壊し間近の廃屋集落の真ん中で、クリーニング屋がまだ営業をしているのだろうか   



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 早歩きで、クリーニング屋の前を横目で凝視しながら通過する。

 光線の加減で目視確認はできなかったものの、そうと思われる機械の唸る音がしていた。店は確かにやっているようだった。



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 こんな古い牛乳瓶入れのある廃屋がそのまま放置されているかと思うと、その隣ではいまだ、クリーニング屋が営業を続けているとは、なんとも不可解な街。



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 クリーニング屋のある路地の行き止まりには、また古そうな廃墟が顔を突き合わせていて、そのうちの一軒には、貝塚のようなものも見られた   



つづく…

「廃墟老人の知恵」 港区虎ノ門、廃墟集落を行く.5

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