日本祖国戦線

愛国社会主義(National Socialism)による日本及び世界の再建を模索する研究会です。

諸悪の根源、新自由主義

2015年03月31日 21時57分51秒 | 経済問題
一億総中流・高度経済成長の秘密~戦後日本の国民社会主義(2)東日本大震災から4年~インフラ国営化の提案の記事に書いたように、戦前や高度経済成長期の日本の共同体社会が崩壊し、利己主義・利益至上主義が台頭した背景には新自由主義がありました。

新自由主義の概略は以下の通りです。

新自由主義・はてなダイアリー
新自由主義においては、経済への政府の介入を縮小し(所謂「小さな政府」)、規制緩和等を通じて従来政府が担っていた機能を市場に任せることが行われる。ケインズ主義は需要を政府がコントロールする「総需要管理政策」を指向するのに対し、新自由主義かにおいては供給サイドの活性化を目指す「サプライサイド政策」が採られる。この場合、減税により資金を民間に回し、規制緩和や政府部門の民営化等の手段によって民間経済を活性化させる方策が指向される。

日本においては、80年代の中曽根政権下、電電公社や国鉄の民営化等の手段により「行政改革」が進められた。

新自由主義で有名な人物と言えば、アメリカのロナルド・レーガンとイギリスのマーガレット・サッチャーです。


ロナルド・ウィルソン・レーガン


マーガレット・ヒルダ・サッチャー



彼、彼女らの政策は名前から取って、それぞれ「レーガノミクス」「サッチャリズム」と呼ばれます。

その特徴と結果を見てみましょう。

レーガノミクス
レーガノミクスの主軸は、社会保障費と軍事費の拡大で政府支出を拡大、減税、規制緩和、インフレ収束であった。

1.社会保障支出と軍事支出の拡大により、経済を発展させ、強いアメリカを復活させる。
2.減税により、労働意欲の向上と貯蓄の増加を促し投資を促進する。
3.規制を緩和し投資を促進する。
4.金融政策によりマネーサプライの伸びを抑制して「通貨高」を誘導してインフレ率を低下させる。


この政策群の理想的展開は、「富裕層の減税による貯蓄の増加と労働意欲の向上、企業減税と規制緩和により投資が促され供給力が向上する。経済成長の回復で歳入が増加し税率低下による歳入低下を補い歳入を増加させると共に、福祉予算を抑制して歳出を削減する。インフレーションは金融政策により抑制されるので歳出への制約は低下する。結果、歳出配分を軍事支出に転換し強いアメリカが復活する。」というものである。

経済学者の伊藤修は「大幅減税と軍事費(財政支出)の増大によって、反ケインズ主義の思想に立ちながら結果、ケインズ的な需要刺激策となった」と指摘している。

レーガノミクスの結果
実際の展開は想定とはかなり異なった。1970年代末からすでに金融政策はインフレ退治に乗り出しており、政権発足時にはかなり高金利になっていた。そこに、社会保障支出と軍事支出の拡大[1]と減税をセットにした大型の財政政策が発動されることになったため、高金利はいっそう拍車がかかった。

この高金利は民間投資を停滞させると同時に日本などの外国資金のアメリカへの流入を促進し、その為替レートをドル高に導いた。ドル高は、輸出減退と輸入増大をもたらし、インフレ率の低下へつながった。財政赤字の増大はこのようにして民間投資の減少と経常収支赤字によってバランスされインフレーションへはつながらなかった。



サッチャリズム
サッチャー政権の経済政策は、20世紀以後に継続されてきた高福祉の社会保障政策、社会保障支出の拡大を継続するとともに、国営の水道、電気、ガス、通信、鉄道、航空などの事業民営化と経済に対する規制緩和により、社会保障支出の拡大による政府支出の拡大をしながら、他の分野では民営化と規制緩和を進めて、政府の機能を削減したことである。フリードリヒ・ハイエクに傾倒していたサッチャーは新自由主義に基づき、官営であった電気、水道、ガスといったパブリックセクターと空港、航空とといった大規模産業を民営化した。

それまでロンドンのシティが牛耳っていた金融部門も規制緩和によって外国資本の参入を認めた。いわゆるビッグバン政策であるが、この政策により市場を外国資本に奪われ、国内企業が競争に敗れるという結果を招いた。そのためウィンブルドン現象とも言われる事態が発生した。

また、所得税減税を進める一方で、付加価値税(消費税)を増税し国民に勤勉と倹約と促した。しかしこれは付加価値税には逆進性があるため高所得者層に有利に低所得者層には不利に働いた。

また、インフレ抑制のために金利引き上げを行った(失業率が上がったためにリフレーション政策に転換した)。

サッチャリズムの結果
公共投資を抑えた緊縮財政は、インフレ抑制に一定の成果を見せたが、ポンド高誘導は輸出産業に打撃を与え、不況の長期化と企業淘汰による失業率の上昇を招いた。金融業中心の産業の推進・効率化は貧富の格差を拡大させた。

なお、サッチャーは格差に対して人々が政府の介入なしで相互に助け合って解消することを期待しており、富裕層が自己責任の美名の下で貧困層を切り捨てるどころか嘲笑までするようになったことに失望の意を表していた。

1979-1887年の雇用削減率は平均34%に達し、鉄鋼では90%に達したが、国有企業の生産性は低い企業で20%、高い企業で70%上昇した。

1970年代から1980年代前半まで、イギリスでは労働組合によるストライキが頻発に起き恒常化していたが、サッチャー政権による労働法改正などによって、1986年以降はストライキは激減し沈静化したため、経済は安定していった。

雇用面においては、賃金が下がり、失業率も上がり、国民の中に大きな批判が起こった。伝統的な高福祉の社会保障政策を維持しながら、経済の拡大、競争力の強化、失業率の低下、労働者の所得の増大、財政収支の黒字化などを同時に成り立たせることが困難で、それを達成できず、人頭税導入において国民の不満が増大し、支持率が低下し、サッチャー首相は辞職した。


(Wikipedaより)

日本では当時の中曽根康弘首相が新自由主義に影響を受けて、国鉄民営化をはじめとする民営化政策を進めました。




さて、戦後日本では大きな国営事業の民営化が3回ありました。

中曽根康弘内閣、橋本龍太郎内閣、小泉純一郎内閣の時の3回です。

中曽根内閣(1982-1987)

日本国有鉄道(国鉄)→ JRグループと日本国有鉄道清算事業団 (1987年)
日本電信電話公社 → NTTグループ (1984年)
日本専売公社 → 日本たばこ産業株式会社 (1985年) → 塩事業を塩事業センターに分離
日本硫安輸出株式会社 → 根拠法廃止(1984年)
日本自動車ターミナル株式会社 → 根拠法廃止(1985年)
東北開発株式会社 → 根拠法廃止(1986年) → 三菱マテリアル株式会社に合併
日本航空 → 根拠法廃止(1987年)、完全政府放出 → 日本航空インターナショナル → 日本航空
日本航空機製造株式会社 → 解散(1983年)、根拠法廃止(1988年)
沖縄電力株式会社 → 根拠法廃止(1988年)

橋本内閣 (1996-1998)

国際電信電話株式会社(KDD)→ 根拠法廃止(1998年) → KDDI株式会社

小泉内閣(聖域なき構造改革)(2001-2006)

商法会社化
日本郵政公社 → 日本郵政グループ (郵政民営化関連法、2005年)
道路関係四公団→ 上下分離方式
電源開発株式会社- 電源開発促進法の廃止(電発法、2003年)
帝都高速度交通営団 → 東京地下鉄株式会社(2004年)
新東京国際空港公団 → 成田国際空港株式会社(2004年)

完全民営化
電源開発株式会社 - 2004年10月に完全民営化。
東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本) - 2002年に完全民営化。
西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本) - 2004年に完全民営化。
東海旅客鉄道株式会社(JR東海) - 2006年に完全民営化。
株式会社日本興業銀行 - 2002年にみずほフィナンシャルグループに合併。


このうち、中曽根、小泉の二人には共通点があります。

それは、「極度の親米派」であったということです。

中曽根康弘は、アメリカの貿易赤字解消のためプラザ合意による円高ドル安政策を採り、結果的に日本をバブル経済に突入させてしまいました。
小泉純一郎は、アメリカのイラク侵略に賛意を表し、郵政民営化後に郵便貯金でアメリカ国債を購入しました。

彼らの新自由主義政策は、日本国民を富裕層とそうでない層に分けてしまいました。

また、上記のようなアメリカの対日政策は、日本の国力を削ぐために行われたものです。

日本型社会主義の終焉
日米構造協議を通じてアメリカ合衆国から「ダンゴー」(談合)「ケイレツ」(系列)「生産性の低い非効率な会社や業種の存続」「グローバリゼーションでの競争に勝てない」などと批判され、1980年代の中曽根内閣で行政改革路線が推進されて緩やかに解体へと向かった。さらに1990年代には規制緩和と護送船団方式からの脱却が叫ばれ、1996年に発足した橋本内閣による金融ビッグバンと2001年に就任した小泉内閣による「構造改革路線」により、従来の日本型経済体制は終焉を迎えたとされる。
(Wikipediaより)

>>「生産性の低い非効率な会社や業種の存続」「グローバリゼーションでの競争に勝てない」などと批判され・・・
表向きは日本を心配しているように聞こえますが、本音では洗練された国民社会主義に基づく強靭な日本経済を破壊したくて仕方がなかったのです。

そして、日本は国民社会主義から新自由主義の国に変わりました。

バブル経済以降の日本社会には、ホリエモンこと堀江貴文のような相場師や従業員を奴隷のように酷使するブラック経営者のような金儲け第一のモンスターを生み出してしまったのです。


それでは、現在の安倍総理のアベノミクスは如何に?

次回に続きます。

今回もご覧頂きありがとうございました。

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