心の模様

心の中の一つ一つを整理して、いつか素敵な部屋にしてみたい。

時を超えて

2017-01-19 | 妄想
高校の同窓会で

久しぶりにあなたに会った



あなたは変わらず精悍な顔

堂々とした態度で



幸せなのか?って

ぼっけに手を突っ込んで

ぶっきら棒に聞いてくるから



私は

誘ってるの?って

ふざけてみる



あなたは目を見開いて

驚いた顔したけど

意を決したように

そうって言った



放課後の教室

あなたとあなたの友達数人と

忘れ物を取りに戻った私



あなたは私に聞こえるように話してた

俺のこと あっちゃんって呼ぶ女

馴れ馴れしくて嫌い

苗字にくんをつけて呼ぶ女の子が

好きだって



あなたはいつもハキハキしてて

大昔に生きてたような

生真面目なところがあって

でもそこが皆に受けて

人気者だった



だから男女問わず誰もが親しみ込めて

あっちゃんって呼んでたけど

私は苗字にくんをつけて呼んでいた



聞こえなかったふりして

教室を出ると

あなたは追いかけてきて

あいつはやめろって

また言った



あなたが遊び人だと言うあいつと

私は付き合っていた



何もかも見透かしてしまうような

あなたよりあいつの方が

ずっと気が楽だったから



私はあなたに何も言わず

逃げるように走って

部活に向かった



高校の時と変わらないなって

あなたは少しうつむいて言う



笑ってるのに寂しそうって



ああ この見透かされた感じが

昔はだめだったんだって

優しい人なだけなのに



私はいいよって笑った



あなたはまた驚いたように

パッと顔を上げて



嬉しそうに笑った


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