トラブルシューター

私の修理・製作体験記(茨城・県西おもちゃ病院・JA7FJP/1)

Language Pal修理中(4台目)

2017-11-14 12:31:37 | 知育玩具

 ブログをご覧になった方から修理依頼があった。
今までに3台ほど修理対応したが、電池液漏れ、ベルトの伸び等、簡単に原因が分かるもので、即完了したが、今回のは、そういかなかった。
逆にメカは正常に動作しているが、音が全然出ない。
スピーカーは正常。
基板を調べるとICを2種類使用。
パワーアンプ:TA7368P-東芝
カセット録再生:BA5101-ROHM
電源部に入っている電解コンデンサ470uF/10Vも膨らんでいる。
ICとコンデンサの状態からして、ACアダプタ(添付はされてこなかったが)の電圧(定格6V)が高すぎたか極性が逆に印可されたのかもしれない。

回路に電圧が掛からないので、調べると録音ボタンで切り替わるスイッチが、再生時でも再生側がONにならない。
全く同じ機種が有ったので見比べると、切替スイッチのトグル動作するばねが無くなっていた。
これは製作が困難なので、手持ちのマイクロスイッチで代用、これがぴったりだった。

ついでにICを見たら、まるっきり異なっていた。

パワーアンプ:UPC1212C-NEC
カセット録再生:M51121P-三菱
だが、スイッチとコンデンサを交換しても動作せず。
接続コネクタは同じなので基板を入れ替えてみると、問題無く動作する。
ICは簡単に動作確認出来る様にソケットに交換。
TA7368Pは手持ち品が有ったので、交換したところ、このICは動作した。
だがBA5101は動作しないので、入手先を探したがこれが大変だった。
データーシートも検索で出てこなかったので、ROHMに問い合わせたところ、カタログをスキャンしてファイルを送ってくれた。(法人名を入れないと受け付けないが)
これを見ると同等品は無く(M5112Pとは形状・回路が異なる)BA5101を探すしか無さそうだ。
依頼者に費用について了承を得たので、一応、海外(米国)のオークション出品をセカイモン経由で落札した。到着までは2週間以上掛かる様だ。
その後、国内の電子部品販売店でも在庫があるみたいで(確定では無く確認中)、納期が早いので押さえておいた。
届くまでは修理中断となる。
【11/24:動作OK】
BA5101の国内販売店在庫が確認出来、届いたので交換したところ動作した。
だが、再生音が非常に小さい。
ヘッド周りを分解したためにアジマス調整がずれてしまった様だ。
調整は非常にシビアで2個のネジによる相互調整が必要で、一番大きく、綺麗に再生出来る位置に調整した。ホットメルトで調整がずれない様にする。
後悔先に立たずだが、ヘッド周りの分解は原則、しないことである。
良し!と組み立てたら、音が極端に小さくなった。
基板を見ると抵抗が一本焼損しており値が読み取れない(カラーコードの1本目は5と読み取れるだけ)。テスターで測定すると約10kΩあるので、感で5.1kΩに付け替える(B-GND間)。
ついでに、このトランジスタ(2SC945)を交換。近くの2SC1815もモールドが変色していたので交換。これで正常に戻ったが、あと4個のトランジスタが壊れている可能性(録音関係のチェックをしていないので)があるので、後日交換することにする。
ICと電解コンの不良原因だが、それらしいことが見つかった。
ACアダプタ入力のDCジャック(外径Φ5.5内径2.5)極性が標準とは逆で中心電極がマイナスになっている。このことから、付属(オプションかも知れないが)のACアダプタでは無く、一般のDC6Vアダプタを差し込んだため(誤極防止のダイオードは無し)半導体や電解コンデンサに逆電圧が加わって不良になってしまったのではないかと推測する。
秋月のDC6V出力のACアダプタを購入し、プラグを付け替えて対応した。


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