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健康長寿 めざしましょう

日々の愚問:今週の重箱の隅

2024-04-20 06:29:49 | 日記
意外な場所にも

 毎週土曜日は日々の暮らしの中で生じた極々小さな、ドーデもいい
愚問を取り上げています。
毎週取り上げる愚問は実にくだらない拘りですが、今週の「命名権」も同様。
まあ話を聞いてくださいな。
 地元紙の片隅にあった12行だけの短い記事。
<上田市が市の施設に愛称の命名権を導入した。
松本市では市の総合体育館、伊那市では市営球場に導入されている。>
 企業などが宣伝効果を期待して公共の施設に代価を払って名前を付け、
一方の自治体などは既存の施設でお金を受け取る。
よく聞く話ですが、実態をほとんど知りません。
今週はその辺りを探ってみました。

 <公共の施設に名前を付与する命名権とそれに付帯する諸権利をネイ
ミングライツと呼ぶ。>
 誕生したのは1973年のアメリカのスタジアムで、日本のお初は2003年。
お金を払う企業には宣伝効果、お金を受け取る自治体には施設の維持費軽減
のメリットがあり、続々と新しい名前が生まれています。(自治体クリップ より)
 スポーツ施設の最高額は福岡ヤフオクドームの5億円。
文化施設ではロームシアター京都の1億円。(命名権データ より)
 億の札が飛び交う話ばかりではありません。
<京都の清水寺の公衆トイレはTOTOが年間契約10万円で「はんなり
トイレ」の名を付けている。>(自治体クリップ より)
 日本各地のトイレでも地元企業によるネイミングライツが行使され、小さな
投資で宣伝が行われています。

バス停の名前

 当然ながら良い事ばかりじゃありません。
<①大都市以外では応募する企業が少ない。
②企業や商品名が目立ちすぎる。
③短期間で名前が変わる可能性がある。
④地元に根差した施設ほど住民の理解や合意が得られにくい。
⑤契約企業が社会的問題を起こした場合、施設のイメージダウンに繋がる。>
(北陸の視座 より)
 ざっと挙げただけでもこれだけのデメリットがありますが、これとは別の
毛色の変わった不都合も考えられます。

 たとえば長野市のバス会社の場合。
今年に入って市内の停留場で一部名称変更がありました。
従来の地域名を冠した何の変哲もない「中和田」が、近くの学校が命名権を
使って「長野日大ゲートウェイ」の派手な名前に変身したのです。
 この改名に何ら物を申す気は無いのですがちょっとばかり気になることが。
同じバス会社の路線には学校近くの停留所がたくさんあります。
たとえば「長野高校前」「吉田高校前」「若槻小学校前」「聖泉大学・短大前」
などは命名権が話題になる前からのもの。
 つまりお金を出さずに何がしかの宣伝効果を頂きです。
この不平等感が気になるのは、重箱の隅を毎週ほじくっている私だけでしょうが。


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昭和のプロレス:ミサイル級の衝撃

2024-04-19 06:29:59 | 日記
軽量の悲哀

 「甦れ!金曜8時の昭和のプロレス」では主役を引き立てた脇役達の
活躍を振り返っています。
今週登場する「南部の若獅子、リッキー・ギブソン」の来日はたったの1回。
でも日本のプロレス界にミサイル級の衝撃をお見舞いしています。

 178cm100kgの小柄なギブソンが日本にやって来たのは1975年
7月、23歳の時でした。
 全日本プロレスサマーアクションシリーズの参加メンバーはエリック、
スピリット、ダンカンなど巨漢の強豪揃い。
 7月5日の開幕戦では馬場・ヘーシンク対ダンカン・ギブソンのタッグ
マッチでメインに登場しましたが、いきなり軽量の弱点を晒します。
馬場が滅多に見せないアトミックドロップで軽々とギブソンを料理。
 8日も馬場・デストロイヤー対ダンカン・ギブソンでメインに出場。
1本目はギブソンがデストを下し2本目は外人組の反則負け。
決勝の3本目はまたも馬場の攻撃にギブソンが轟沈。
 翌9日は馬場・鶴田・ヘーシンクとの6人タッグに出場し、2本目に
きっちりと鶴田に押さえ込まれて敗退。

 12日はブリスコと組んで第5試合で高千穂・クツワダ組と対戦し時間
切れ引き分け。
 16日には再び馬場・デスト対ダンカン・ギブソンでメインに登場。
やっぱり2本目にデストの4の字を喰らってギブアップ。
18日もメインで馬場組と当たり再びデストの4の字に敗退しています。
 メインのタッグマッチでの負け役が続きますが、シリーズ中に10回
行われたシングル戦もほとんどが負け試合。
でもその中の1試合で観客の度肝を抜きました。

負け続きのシングル戦

 シングル戦は大熊とデストに1敗、小鹿とヘーシンクに2敗、駒に2勝し
残りの2試合は鶴田戦。
当然ながら鶴田にも2敗ですが、7月21日が問題の試合が行われた日。
 <トップロープに上がったギブソンをリング中央の鶴田は、何を仕掛ける
かと訝った表情。
その瞬間ギブソンが飛んだ。
衝撃で鶴田の首はムチ打ちのようにガクッと折れあわや3カウント。
しかしギブソンの攻めが続かず鶴田の反撃を許して破れてしまった。>
(青柿アリーナ より)

 ギブソンが炸裂させたのが国内初のトップロープからのドロップキック、
後にミサイルキックと称される技でした。
 目にしたファンだけでなく、受けた鶴田も驚きました。
<この技に衝撃を受けた鶴田は自らの秘密兵器とした。
試練の10番勝負のクリス・テイラー戦で胸板を射抜き一撃でフォールを奪った。
この頃はウルトラCドロップキックなどと呼ばれていた。>
(昭和プロレス研究室 より)
 日本のプロレス史にたった一発の技で名を刻んだギブソンですが、実は
10日程前の12日にも鶴田と闘っています。
残念ながらそちらの試合の詳細は不明です。


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国語のおさらい:はぐらかされて

2024-04-18 06:29:49 | 日記
堂々巡り

 毎週木曜日は国語をおさらいする日。
今週取り上げるのはおかしな語感の「ぬらりくらり」
よく似た表現の「のらりくらり」は日常会話にも出てきますが、ふたつ
の言葉の違いは何?
 先ずは意味の確認から。
辞書を引くと素っ気なくただ一言<ぬらくら>とあります。
ならばとそちらを引くと<ぬらくら:①物の表面に粘り気があって、
滑ってつかまえにくい様子。
②のらりくらりを参照せよ。
③のらくらを参照せよ。>とあります。

 何だかたらいまわしにされている気分でそちらを引くと<のらりくらり:
相手に論点をはぐらかされて、核心を衝いた議論が出来ない様子。ぬらくら。>
 指示に従ってこちらも引くと<のらくら:その日を何をするでもなく、
だらしなく過ごす様子。ぬらくら。>(新明解国語辞典 より)となって
気分は禅問答。
 いったん整理してみましょう。
「ぬらりくらり」=「ぬらくら」=「のらりくらり」=「のらくら」=
「ぬらくら」で堂々巡り。
結局「ぬらりくらり」と「のらりくらり」は同じ意味だと解釈したけれど、
さて正しいのかどうか。

先に誕生したのは

 両者には微妙な違いがあるのだそうで、こんな解説がありました。
<とらえどころのない様子を表す点で共通しているが、「ぬらりくらり」
は物理的なぬるぬるするイメージを含むのに対し、「のらりくらり」は
行動や態度に関する表現に特化していると言える。>(Copilot より)
 ぬるぬるしたイメージを持って次の解説を読むと微妙な違いが何となく
理解できます。
「のらりくらり」は否定的な意味合いだけではなく、肯定的な表現にも
使えると書かれていました。
 <「小遣いをねだられて、使い道を聞いたらのらりくらりとかわされた」
この場合質問者は困惑させられたと感じているのでネガティブな印象になる。
 しかし立場を入れ替えると、「小遣いをねだると使い道を聞かれたが、
のらりくらりとかわした」とすると一転して主体者にメリットがあるポジ
ティブな印象になる。>(sutady-Z より)

 これを「ぬらりくらり」に置き換えて読んでみると、なんだか粘着質な
嫌な雰囲気が滲む気配。
たかが小遣いの無心なのに陰湿なはかりごとをしている様に思えてしまう
から不思議です。
「のらりくらり」>「ぬらりくらり」、爽快感を式にするとこうなるのでは。
 最後にどちらの言葉が先に誕生したかの話。
<「のらりくらり」は「ぬらりくらり」から派生した言葉。
元々あった「ぬらり」が「のらり」に変化したことから生まれた表現。>
(Copilot より)
 どうして「ぬ」が「の」に変化したのか探ったけれど、ぬらりくらりと
かわされて結局答えは分からぬままでした。

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身近な生き物:迷惑カラス

2024-04-17 06:29:09 | 日記
ニオイに鈍感

 知り合いがぼやきまくっています。
「勤め先で収集日にごみを出すと毎度カラスがやって来て袋を突き破って
食べかすをあさる。
生ごみが散乱して後片付けが大変。
腹がたつのでニオイで撃退しようと酢や塩素や殺虫剤など臭い物を周りに
撒いたけれど全く効果なし。
どうしたらイイ?」
 人家に近づくタヌキは酢などのニオイを嫌うって話を聞いたことがあるし、
ネコ寄らずはニオイで撃退する商品。
野生動物は強烈なニオイを嫌うものだと思い込んでいたので、このぼやきは
新鮮な驚きです。
どうしてカラスは嫌なニオイに怯まないのか早速調査です。

 「カラスが嫌がるニオイはあるか?」
そのものズバリな質問がネットで見つかりました。
勇んで開くと意外にも答えは「おそらく99%、無い」
 そりゃまた、何故?
<なぜなら鼻が悪いから。
カラスの嗅球(脳の部位)は非常に小さくて痕跡程度しかない。
嗅球から伸びる嗅神経も非常に細くて貧弱。>(Crowlab より)
 だからカラスはどんなニオイに攻められても屁の河童。
嗅球は鶏の四分の一以下なので嗅覚は劣っている。
けれどその分を視覚で補い食べ物を探し、見つけた場所を覚える記憶力も
発達しているので全く困らないのだとか。
 三歩歩くと忘れる鶏とは大違い。

知人への忠告

 カラスが特別なのか、それとも野鳥全般がニオイに鈍感なのか、そこも
知りたいところです。
あれこれ調べていたら鳥のご先祖様の話が出てきました。
有名なあの恐竜は嗅球が非常に発達していたのだとか。
 <ティラノサウルスの嗅球は大きくてニオイを感知する仕組みを持っていた。
恐竜は鳥に近くなる程、嗅球が小さくなる傾向がある。>(福井県立恐竜博物館 より)
 鳥類は恐竜よりもニオイを識別する能力は低水準、でも種類によって
能力に違いがありました。
 <アヒルやフラミンゴなどの比較的原始的な鳥の嗅球は大きく、カラス・
フィンチ・オウムなどの頭が良いとされる鳥の嗅球は小さい。
知性が発達した代償で嗅球が小さくなったと考えられる。>(AFR より)

 ニオイを感知する嗅球の大きさは生息地や食生活などの生態学的適応と
相関する、そんな解説がありました。
 <キウイは地中のミミズのニオイを嗅ぎ分ける。
アホウドリやウミツバメは水面近くの小魚やイカのニオイでエサを探す。
一方オウムなどは道具を使ったり音声学習などの認知能力に依存したり
しているので嗅覚は発達していない。>(セキセイインコ情報室 より)
 頭が良い分ニオイには鈍感。
本来ならばそこは弱みになりそうなのに、カラスはそれすら強みに変えて
しまいます。
残飯の腐敗臭だろうが酢や殺虫剤だろうが、何が来ても平気。
だってニオイが分からないんだもん。
 これじゃ知人の努力は実を結びません。
「諦めな」、そう教えてやろうと思います。

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雑草の日:小説の悪役

2024-04-16 06:29:49 | 日記
かぐわしい香り

 毎週火曜日は雑草を取り上げる日。
今週はタデ科イヌタデ属の草の話です。
 実物を見たこともない「ニオイタデ」って草ですが、名前を知った
切っ掛けがちょっと怪しげ。
先日読んだ山田宗樹さんの「黒い春」に出て来たのですが、設定がかなりの悪役。
正体不明の病原菌を仲介する植物として登場するのです。
小説の中とは言えそんな草が実際にあったら恐ろしいと身震いしました。
 ところが読後に実在する草と知って唖然。
実物は何がしかの悪さをするのかしないのか、詳細を知りたくなるってもので。

 写真を見ると姿形は至極普通の様子。
よく見るイヌタデの拡大版って印象です。
 <大型の一年草で1メートルから1.5メートル程に伸びる。
花は密に穂状に付き紅紫色。
果実は黒くて光沢がある。>(京都府レッドデータブック より)
 特徴的なのは開出毛(かいしゅつもう)
<開出毛:葉、葉脈、葉柄、枝などの面に対し、直角に近い角度で伸びて
いる毛。>(用語解説 より)
 ニオイタデの毛は褐色で長いので見分けるポイントになるそうで。

 更にこの毛にはもうひとつの特徴が。
<毛から香りを発する。
茎を触った指先を鼻に近づけると爽やかな香りがする。>(きまぐれ自然観察 より)
あるいは<こすると香る消しゴムの匂いがする。>(岡山理科大学 より)
 好意的な感想が多い中、wikipediaにはこんな表現で載っています。
<酢酸アルミニウムのニオイに近い。>
 酢酸アルミニウムなんて嗅いだことがないので調べてみました。
<水酸化アルミニウムを酢酸で溶かして作る、やや酢酸臭のある無色の粉末。>
(goo辞書 より)
 もう少し調べると<酢酸:酢に含まれる強酸で強い酸味と刺激臭を持つ。>
(用語集 より)
 好意的に思い描いたニオイタデのかぐわしい香りが、この解説で無惨にも
砕け散りました。

もしも出会ったならば

 ならば実物を見つけて香りを体感しよう、そう思ったけれど実現は難しそう。
「近年は見られることが少なくなった」とか「草原などで稀に見かける」
とか「兵庫県では絶滅危惧Bにランクアップした」などと書かれているので、
簡単に遭遇できる相手ではなさそうです。
 ではこの草の歴史を調べれば香りの詳細が掴めるかも、今度はそう思った
けれどこの方面も怪し気。
「帰化、在来の二説あり」とか「外来種の記述があるが根拠は示されて
いない」などとどれも不明瞭。
中には<江戸時代に園芸種として導入>(外来植物調査実行委員会 より)
と断定しているものもありますが、極々少数派。
出自すらはっきりとはしない謎の草です。
 せめて作者の山田さんが危ない設定にした根拠でも示してくれれば
ニオイタデへの拘りも薄れるのですが、その手の情報も見つからず。
結局危ないのか安全なのか、さっぱり分かりません。
 もしも何処かで出会ったら、間違いなく私はうろたえます。


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