中国生活日記~蘇州統一編~

蘇州統一しました

中国のぶらり旅〜ポロリもあるよ〜

2017-04-25 20:00:43 | 中国日記

シュレディンガーのえの

どうもえのです。

ある日の休日の朝、起き抜けに嫁が言った。
「生理が来た」と。
別に結婚している人ならどうと言う事もない日常だと思う。
ただ、おはようもなく生理が来たって起き抜けに言うのはどうかと思うが。
なので軽く聞き流していたら、
「なんかこんな塊みたいなのがドロっと出てきた。いつもより量がすごい。見たらすぐ分かる、アカンやつや」
とか、状況を詳細に話し出した。

いや、塊がドロっと出てきたとかしらんやん。
アカンやつやとか中国人に大阪弁で言われてもしらんやん。

「と、いうわけで」
なんか珍しいラブホテルの名前を言ったかと思うと、続けてこう言われた。
「今日は一日ガキの面倒を見なさい。私は寝る。」

と、いうわけで休日にも関わらず、会社に出勤するより早く家をたたき出された。
面倒見てもらっていい?とか、今日は子守お願いね?とか、ごめんね愛してる、とかが多分「面倒を見なさい。私は寝る」の行間に詰まってるんだと思ってる。
思ってないとやってられない。

「坐バス乗る!!坐バス乗る!!」
半狂乱の様に叫ぶガキを抱えて途方に暮れる。
ちなみに、坐は中国語で乗るの意味だから「坐バス乗る」は動詞が2回出てくることになる。
うちのガキはほどよくルー大柴みたいになっているので、中国人にも日本人にも分からない言語を使う。
えのと嫁にしか分からない。むしろえのにも分からない。

とりあえずガキの希望に沿って、バス停にやって来た。
「よし、じゃあ今日は中国路線ぶらり途中下車の旅に行こう!」
と、決めた。
最初に来たバスに乗り、なんかよさげな場所で下りてぶらぶらしよう。
とガキに告げると、ガキの興奮がマックスに到達する。
なぜ世のガキはすべからくバスが好きなのか。

「巴士卡ピーしゅる。付钱!」
親にしか分からない言葉を繰り出すガキと一緒に、やって来たバスに乗る。
勿論巴士卡をピーさせた。
最初に来たバスに乗ったのでどこにいくか分からない。
中国のことなので、下手すりゃ山奥まで連れて行かれて炭鉱とかで働かされるかもしれない。
ガキを抱きながらブルブル震えて座っていた。
30分ほど座っていたら見覚えのある町並みが見えてきた。
石路
蘇州の割と大きな繁華街だ。
ちなみに蘇州最大のエロ舞庁があるところである。

とりあえず降りてみる。
少し歩くがどこも店が開いていない。
ちなみにこのとき朝9時前である。

頑なに歩くことを拒否するガキを抱きながら山塘街まで足を伸ばす。
山塘街は古い町並みが残っている場所で、観光名所だそうだ。
流石蘇州は東洋のベニスと言われる事もあり、町の中に河が流れていて舟が通っている。
ガキも河を眺めては
「汚ねー河ー!!」
と興奮気味である。

するとその汚ねー河をバックに結婚写真を撮るカップルが3組ほどいた。
女性のほうはみんなチャイナドレスで太ももまでぱっくりスリットが入っている。
チャイナドレスはセクシーでいい。
チャイナドレスを考えたチャイナ人はチャイナ人の誇りであっても言いと思っている。
チャイナドレスをじっくり堪能しようと写真を撮っているカップルに近づく。
「ブスじゃありませんように!ブスじゃありませんように!」
周りに日本語が分かるやつはいないだろうと高をくくり、祈りを心の中にとどめず口に出して言う。
チャイナドレスを着たブスは、それが罪状で、それが死因になるじゃないですか。
「ブスだったー、やっぱりブスだったー」
脇を通り過ぎながらやはり口に出して言った。
中国人の美人って、ちりめんじゃこの中にいる小さいタコくらいの割合しかいない。
中国人って人口がすごく多いから、美人もすごく多いのかと思ったけど、それが埋もれるくらいブスが多いから、ブスのミルフィーユみたいになってて、その中の一層が金色に輝いててもわかりゃしない。わかりゃしない。
抱えてたガキを振り回してやろうかと思ったわ。

チャイナドレスで思い出したけど、昔、まだえのが番号で呼ばれていた頃、京都に五条楽園っていう新地があったんですよ。
なんとそこは幾ばくかのお金を出せばお座敷的なところで着物を着た女性を「あーれーぇ」ってして、上の口やら下の口やらでフェブラッチオをしてくれるとか言う幻の桃源郷があったんですよ。
そんなの、あれじゃないですか。
いくじゃないですか。
いったんですよ、まーぼと。
幻の桃源郷を求めて。
正確な場所が分からなかったのでそれっぽいところに車を走らせると、京都の細い路地に入り込んで行って全然見つからない。
しかもほっそい民家の路地だったんでもう前にはいけないし、今来た道をバック戻るのも無理だし。
動けなくて困っていると、通報されたのか自転車でおまわりさんがやって来るし。
恥を忍んで五条楽園を探して迷ってるんですって言うと、おまわりさんが半笑いで「あーなくなったよ、全部(笑)」見たいなこといわれるし、そもそもおまわりさんに売春宿のありかを聞くのは間違ってるとか説教されるし、バックで戻る時壁に擦るし、で幻は本当に幻でした。
で、笑い話で済むところを、助手席で置物のように静かだったまーぼが
「五条楽園の口になってたのに、この落とし前、どうしてくれる?」
とか低い声でうなるんですよ。
低い声でうなるまーぼはマジ怒りモードですからね。

給料日まであと30日もあるのに、パチスロで全財産溶かしても穏やかに微笑んでるまーぼが、
超めずらしいことに追加で2000円だしてパネル指名して、終わった後「ミシュランマンだったわ」と微笑んでるまーぼが、
こっそりリビングのパソコンにいかがわしい動画をダウンロードして放置してやっても穏やかに微笑んで、いやあれは結構怒ってたな。
まあそんなまーぼがマジ怒りモードですよ。
相当期待していたのでしょう。

じゃあ変わりに、京都のストリップ劇場を見に行こうといっても、No Thank You
京都の風俗に行こうといっても、No Thank You
京都の有名ラーメンを奢るといっても、No Thank You
風に身を任せスナフキンのように生きるまーぼが頑なに拒否ですよ。
五条楽園のせいで友情がヤバイ
もうやけくそ気味に、滋賀の雄琴温泉に行ってゴールデンゲート見る?っていったら、Yes I Do

何が彼の琴線に触れたか分からなかったが、結局滋賀県まで車を走らせて金色に輝くゴールデンゲートを見学しました。
そしたらその何日か後に急にまーぼから入院すると連絡が入り、お見舞いに行って原因を聞いたら「キス病」って言いながら穏やかに微笑んでました。

もうチャイナドレスも着物も関係なくなっちゃったし、そもそもどうでもいい話だったから、話を戻します。
ブスのチャイナドレスは青龍刀で斬首って法律を共産党が作らないのはおかしいんじゃないかと感じながら山塘街を後にする。
まだ午前10時前である。
こんな時間に帰ったら、役立たずだの小日本だの日本鬼子だの罵られた挙句、汚ねー河に八墓村されますから、ちょうどやって来た家とは反対方向に向かうバスに飛び乗った。
ドナドナとバスに揺られること30分。
観前街のバス停が近づいてきた。
よし降りようと席を立った瞬間、バスが車と接触事故を起こした。
えのは立ち上がっていたので踏ん張ってこらえ、ガキが飛んで行きそうになったので何とか押さえつけたが、隣のお姉さんは吹き飛んでいた。
無理やり割り込もうとした車の側面にバスが接触したのだ。
中国の穏やかな日常風景である。
そのままバスを降りる。
ちなみに蘇州で2番目に大きなエロ舞庁があるところである。

10時を回っていたので店も開き出して人も増えてきた。
しかし、観前街に来たもののやりたいこともない。
ガキを抱えたままだったためヘトヘトである。
嫁がいないので、スターバックスとかにしけ込んでレイコーを煽ろうかと考えたが、なぜか金玉が握りつぶされるイメージが一瞬頭をよぎり、スタバの前を素通りした。

「あ、そうだ、海賊版のパソコンゲームでも買いに行こう」
昔蘇州に旅行で来ていた頃、観前街に来る目的といったら海賊版のパソコンソフトであった。
Windowsからオフィス、その他高価なソフトまで、海賊版が売っている。
あの頃のえのの会社のパソコンの中身は中国の海賊版ソフトが占めていた。

最近ガキの夜泣きがなくなったので、少しくらい夜更かししてもいいだろうと思いたち怪しげなビルに入っていく。
汚いビルで壁にもたれかかったら、ドリフのように壁がバタンバタンと倒れそうな佇まいである。
昔は良くここで買い物をしたなぁと懐かしく感じながらあたりを見回すと、昔はパソコンが主流だったが、いまは携帯電話が主流のようだ。
キュラキュラと危ない音がするエスカレーターで上に上ると、雑多に商品が詰まれた汚ねー店が並ぶ。
店を観て回ると中国人の店員が声をかけてくる。
フロアの客がえのしか居ないようで、客引きが必死である。
追ってくるゾンビから逃げるようにフロアを巡るがお目当ての海賊版ソフトが売っていない。
パソコンから携帯電話に変わってしまったため売っていないのである。
更に3階に上ってみるがここにも売っていない。
ふとトイレの前の店にそれらしき物が置いていた。
おっ?と思い店の前に行くと、海賊版のソフトが少しだけだが置いていた。
手に取ろうと店に近づくと、鼻が曲がりそうなほどくさい。
トイレの前の店だから、鼻が曲がりそうなほどくさい。
日本だと異臭騒ぎで警察が来て事件になるやつ。
息を止めて海賊版ソフトを見た。
見たら一瞬で分かる古い奴やん。
さっき思い出で語ってた、昔蘇州に旅行で来ていた頃から時が止まってたわ。
誰がいまさらWindows2000を買いますかっていう話ですよ。
オラクルサーバー2000がセットでも要りません。
息継ぎが必要ない速さで店を後にしました。

観前街にある電気屋を巡ってみるがどこにも海賊版は売っておらず。
ガキを抱えたまま歩き回って疲れたので地下鉄で帰る。
時間は12時ごろである。
家に着くと嫁が寝ているので、静かに家に入り昼飯をこしらえて、嫁を起こして食事。
「さっきトイレですごいのが出た。ちょうどお前が食べているそれくらいの大きさの血の塊」
嫁の話を聞きながらご飯を食べた。

ガキが昼寝をするので小休止。
3時頃にガキが起床。
寝起きからテンションがマックスなのは何故だろう。

「もう一度外で遊んで来なさい」
と嫁が布団から顔を出さずに言うので外に行くことにした。
もう足がパンパンだったので今度は自転車ででかけることにする。

家の近所の知らない路を中心に自転車で走る。
細い路地ではマッサージ屋と称した風俗店が並んでいる。
ガラスの奥にはエロそうな格好をしたまあまあ強面のブスたちがやる気なさそうにひまわりの種を食っている。
流石歴戦の戦士たち。パンツ丸出しで座っているのだが、じめじめした岩をめくると出てくる虫の裏っ側みたいなブスのパンツなので見てもうれしくない。
その店の隣は大人のおもちゃの無人自動販売機が並んでいる。テンガが60元だった。
ちょうど学校が終わる時間なのかその道を小学生たちが歩いていた。
この子達は将来立派な売春婦になるに違いない。と、中国の教育の明るい未来を見た。
胸いっぱいにPM2.5を吸い込んで蘇州の裏路地を探検した。

5時を回ってそろそろ帰宅しても怒られないだろうと帰路へと向かう。
えのの横を走っていたババアの自転車と前から走ってきたババアの自転車が正面衝突を起こし、ババアが視界から消えたが日常風景なので気にしない。

家に帰って出前を食べて、ガキを風呂に入れて寝かしつける。

「今日は本当にありがとう。すごく助かったよ。愛してる」
と、生理で痛いからとえのが揉まされている嫁の腰あたりが語り掛けて来た気がした。

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