夫とboyが
ふたり楽しそうにお風呂に入っている
その声聞きながら
ほっとテレビ眺める
すると
パーン…パーン…
ドドン
ドドン
そう思った
私はどこか
願をかけるように
すると同時に
それはもう
外で音がする
ん？
花火…かな？
まぁ…
すぐやむかな…
テレビに視線戻す
パーンパーン…
ドン
ドン
ドドン
ドドドン
！！
サンダル履いて
外に飛び出た
うわ…
目の前で
大きく上がる花火たち
わ…
わ…
すごい…
近い…
たぶん
隣の地域の祭りかな
１キロ離れていないかも
こんな素敵なところ…
場所だったんだ…
特等席…
ひとり
真っ暗な中
棒立ちで夜空見上げる
色とりどりの
キラキラした花たち
きれい
ほんときれい
見上げながら
ふっ…と
ひとりの顔が浮かんだ
あぁ…
こんな花火…見られないかな
そんな時間…ないかな
氷の上で
練習する姿が浮かんできて
“見せてあげたいな”
そう思った
私はどこか
おかしいんだろうか
今年初めての
今年初めての
花火見ながら
自分の家の前で
自分の家の前で
他の男(ひと)を想っているんだから
チラッと
チラッと
家の方を見る
明かりが灯っている
漂う家人の気配
どこか自嘲気味になり
漂う家人の気配
どこか自嘲気味になり
煌びやかな光を
ただ見つめていた
最後の最後
最後の最後
クライマックスに向け
盛り上がってゆく
おっきな
おっきな
おっきな
何輪かが咲き
最後に
黄金の
特大の
しだれ花火が咲いた
しだれ花火が咲いた
黄金の
大輪の花
あぁ
叶いますように
その手に
掴めますように
願をかけるように
祈った
真夏の刹那
真夏の刹那
すると同時に
サーッ…と雨が降ってきた
体が濡れ
服が濡れ始める
地面が雨を吸う音
ハッと我に返る気がし
少しの淋しさと
地面が雨を吸う音
ハッと我に返る気がし
少しの淋しさと
まだ少し夢心地な感覚と
同居する気持ち
大きくひとつ
大きくひとつ
息を吸い
吐いて
“いつもの”私で
“いつもの”私で
家に入る
すべてのこと
すべてのこと
終え
ひとりになって
どうしても気持ちがおさまらなくて
ここにこうして書いている
私は
ここにこうして書いている
私は
おかしいのかもしれない
妻であり
妻であり
母であり
主婦であり
なのに
時々そのバランスがとれなくなるほど
彼への気持ちが溢れ出る
それはもう
自分でも驚くほどに
この想いは
この想いは
何かなぁ
考えても
答えなど出ないと思うけれど
日記として