ベア、前年割れの1300円=家族手当は増額―トヨタ春闘

時事通信 3/13(月) 0:16配信

 

2017年春闘をリードするトヨタ自動車の労使交渉は12日、従業員の基本給を底上げするベースアップ(ベア)について、月額1300円とすることで事実上決着した。ベア実施は4年連続。前年の妥結水準(1500円)を下回るが、家族手当の拡充を前倒しで実施して1100円を上積みし、全体としての賃金上昇は前年を上回る。

 事業環境の悪化や先行き不透明感が高まる中、経営側は長期的な人件費の増大につながる高水準のベアに慎重姿勢を崩さなかった。手当を含めた賃金を前年以上としたが、トヨタの「ベア前年割れ」は他社にも影響を及ぼす可能性がある。

 経営側は15日に回答する。ベアとは別に、2021年に予定していた第2子以降に対する家族手当(現在1万3500円)の2万円への引き上げを今年4月に前倒しで実施。定期昇給分を合わせた組合員平均の昇給は月額9700円になる。

 一時金は、労組の要求通り6.3カ月分(前年7.1カ月分)を回答する。一時金の満額は7年連続。非正規の期間従業員の賃金は、労組の要求した1日当たり150円(月額換算3000円)の引き上げを受け入れる。

 17年春闘をめぐって、安倍晋三首相は産業界に「前年並みの賃上げ」を要請。ただ、電機大手なども前年を下回るベアで事実上決着している。