河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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2466- ドヴォルザーク、オセロ、マルティヌー2番、ブラームス2番、ヤクブ・フルシャ、都響、2017.12.11

2017-12-11 23:05:05 | コンサート

2017年12月11日(月) 7:00pm 東京文化会館

ドヴォルザーク オセロ   16
マルティヌー 交響曲第2番  8-6-4-5
Int
ブラームス 交響曲第2番ニ長調  21-10-5-10

ヤクブ・フルシャ 指揮 東京都交響楽団


今日のフルシャのブラ2、第2楽章までで曲としても指揮者としても言いたいことを言い尽くした感があって、そのあとの展開も含めて誠に素晴らしい内容で、とりわけブラームスのハーモニーの充実度もさることながら弧を描いて進行するストリングの線が極めて美しいものであった。全曲通してホルンはもっと膨らみのあるサウンドが欲しいところだが、他のブラスセクションとティンパニは抑制されていて鉄板太鼓ブラスが鳴りを潜めいつもこうならいいのに、と思うところもあれど、パッションを殊更にフィナーレ楽章に求めることをしないクールで熱い二律背反シャッフル、フルシャの作り出すブラームスの懐の深さにうなるばかりのマーベラスな演奏で、秋の夜長ならぬ初冬の味わいを満喫しました。
第1楽章の提示部リピートなどはコクが増すばかりで、もう一度リピートしてもいいなあ、あらぬことさえ思わせてくれる。都響の緊張感漂う折り目正しき美演。凛としたブラームス。
やや明るめで終楽章コーダを冒頭から感じさせてくれる第1楽章のメロディーラインに比して2楽章は下降ラインからの開始。前楽章からの雰囲気のモードが漂いながらも別な表情を色濃く魅せてくれる。スバラシイ。なんでこんなに短いんだ。もっと長くてもいい、もっと味わいたい2楽章。ここでも全員シンクロした折り目正しき演奏にはふさわしい曲想でブラームス自身さんの満足度も高いことだろうと推測される。いい演奏ですね。
ここまで、静謐で精神の落ち着きを味わう。

もう、こうなると、第1,2楽章で大半を言い尽くしたあとの後半もなにやら同じモードが全体を覆い尽くすような気配が濃厚。フルシャの味付けが全面を覆う。3楽章の短さなど、ベートーヴェンのハンマークラーヴィアや31番といったあたりのことを掻き立てさせてくれる。終楽章は騒がしくなくて、なによりも唐突感が無いのがいい。4楽章は派手な違和感がなくて曲全体、同質性があってこれが指揮者の意図するところだったようにも思える。
聴きごたえのあるブラームス2番でした。

1曲目は3部作の中で一番長いオセロ。副題にとらわれることは無くても線が悲劇性を感じさせる。都響のアウトラインは水際立って美しく緊張感あふれてサラサラと流れていく。三つまとめて聴きたくもなる。

前半2曲目のマル2。
2番はドラマチックな激しさが無くて、先取りしたミニマル風味のきざみがフシをつけながらこぎみよく進行。都響の得意とするところで、モダンな作品であることを教えてくれる。
このコンビのマルティヌーは何度か接していてどれも素晴らしい。オーケストラの機動力がこの作曲家作品によくマッチして毎度完璧。
フルシャのマルティヌーの印象はこれまでと同じで、なにか、こう、もう少し抑えたものを望んでいるようにも思えるのだがどうだろうか。自国オケのデフォな質感を前提にして微細なニュアンスを求めているような気がする。都響に高みの要求をしているようにも思えるのだけれども、そうであってもなくても、ここはセッションでのマルティヌー交響曲全集を望んでやまない。すっとんで買いに行きますわ。

いい演奏会でした。ありがとうございました。
おわり

 


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