河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2465- ラフマニノフ、ピアノ協奏曲第3番第4番、マツーエフ、シンフォニックダンス、ゲルギエフ、マリインスキー、2017.12.10

2017-12-10 23:24:03 | コンサート

2017年12月10日(日) 6:00-8:45pmサントリー

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番ニ短調op.30  18+9+12
 ピアノ、デニス・マツーエフ

Int

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第4番ト短調op.40  9-8+8
 ピアノ、デニス・マツーエフ
(encore)
ラフマニノフ 練習曲『音の絵』op.39-2  6′


ラフマニノフ 交響的舞曲op.45  12+9+13
(encore)
メンデルスゾーン 『真夏の夜の夢』よりスケルツォ  4′

ワレリー・ゲルギエフ 指揮 マリインスキー歌劇場管弦楽団


ゲルギエフ、サンクトペテルブルク・キーロフ歌劇場管弦楽団はNHKのスタジオで録音したことがあり放送もされた。

グリンカ ルスランとリュドミラ、序曲
ボロディン ダッタン人の踊り
チャイコフスキー ナッツクラッカーより、花のワルツ
ムソルグスキー 展覧会の絵
指揮 ワレリー・ゲルギエフ
サンクトペテルブルク・キーロフ歌劇場管弦楽団
収録 1993年11月27日 NHK509ステューディオ
放送日 1994年3月7日  air NHK-FM


何度も来日していて、昨年2016年も3回聴いた。オペラ公演ふたつと演奏会をひとつ。
2202- ロメジュリ、オネーギン、イーゴリ公、十月革命、ゲルギエフ、マリインスキー、2016.10.11
2203- ヴェルディ、ドン・カルロ、ゲルギエフ、マリインスキ―、2016.10.12
2205- エフゲニー・オネーギン、ゲルギエフ、マリインスキー、2016.10.15

1993年の来日公演記録はブログへのポストが済んでなくて整理できていない。ゲルギエフは単身来日も含めたくさん聴いてきた。
ゲルギエフとマリインスキー。とりわけゲルギエフの指揮回数が毎シーズン多すぎてどうなんだろうと思うが、今日のような演奏を聴いていると、オーケストラの水準が日常から相応な高みに達していれば、リハの多寡にかかわらず、指揮者共々、毎度、素晴らしい演奏を繰り広げることは可能なんだろうなとある部分納得するところが多い。
ソ連崩壊後、1993年の来日頃はオーケストラ団員の目の色が違って見えるほどで、やれば楽になる。つまり、仕事をこなすほどに生活が裕福になる。それにはこの指揮者についていくのが正しい道だと。演奏は気力充実、それによって生活も充実したものになる。そういったことを、皮膚感覚でひたひたと感じたことを思い出す。当時も今もスキルはハイで、一定のレヴェルを保持している。総裁指揮者の手の込んだ良しき画策も色々とあるのだろう。
当時から指揮者とオケは完全に一体化していて、どんな小さな動きにも見事な反応を示していた。長い休止でピクリともせず指揮者を凝視し続ける団員。それだけでもド迫力。
あの当時は演奏後、オーケストラ全体でスタンディング、個々のプレイヤーにスタンディング指示をだしていなかった記憶なのだが、その後、立たせるようになってプレイヤーの反応が凄い。ムラヴィンスキーの指使いかと見まごうプレイヤーたちの見事なド反応。あれを見ただけでもわかることはたくさんありましたね。今日の演奏会でもそれは変わらず。相変わらず見事な反応スタンディング。
指揮者がコロコロかわり、スタンディングも、オレ?オマエ?ダレ?立つの?みたいなみっともない日本のオケの風景には失笑する。コンマスがスタープレイヤーになって色々と掛け持ちしている姿もどうかと思う。団員と日常的に本当に連携が取れているのか。阿も吽もなくて、リハ作業効率も良くないのではないかとこっちは心配になる。


ということで、
長大なプログラム。始まる前から長くなるとゲルギエフの公演ではわかっている。それにしても凄いプログラム。お昼にラフマニノフPC1と2、それにシンフォニーの2番やって、夜はこの公演。マツーエフも凄いもんだ。昨日は三鷹でリサイタルをしている。
2464- ベトソナ、テンペスト、31、チャイコフスキー、ドゥムカ、大ソナタ、デニス・マツーエフ、2017.12.9

圧倒的ピアニズムの神髄、圧巻の3番コンチェルト。マツーエフは昨日のリサイタルでも感じたが、静かな運びに長けている。殊の外デリカシーに富む。馬力腕力はそうとうなものだが、むしろ耳をそばだてるべきはそういったあたり。魅惑的に始まる冒頭から聴きどころ満載。アダージョ楽章の光るサウンド、したたる音の粒、ゆっくりと噛み締めるフレーズ。ラフマニノフの3番は極みの美しさ。
終楽章の技の恐さは知らなくて幸い。鮮やかなラフマニノフの妙技を堪能。マツーエフが先かラフマニノフが先か。
鳴りを潜めていたブラスセクションが断片的に活躍。アタックというか束になってスフォルツァンド気味に鳴らして進行するあたり、あまりの輝きにクラクラする。
ピアノが3連符の下降形進行。後打ちを絡めたブラス伴奏、派手なシンコペーション。そしてラフマニノフ終止。スッキリ。
振幅感情の大きい曲で聴く思いを込め過ぎて、すでに1曲目で満足過ぎる。

休憩を取り、後半へ。次もメインディッシュ、4番コンチェルト。
これまでやにっこい曲のように感じていたのだが、今日のような才気爆発オケと絡まってやると面白い。このメリハリ感!ピアノとオケが丁々発止。迫力と美しさ、両方来ました。ゲルギエフのブルブルコントロールもお見事で。伴奏ツボよくはまります。
2楽章のラルゴは作曲家がアメリカを体験していないと浮かばないようなフシだと思う。マツーエフの昨日のリサイタルのアンコール5曲目の自作自演曲「即興」の出だしを思い出す。ちょっと斜めに構えたような具合で深い沈み込みとはまた別な風情を感じさせるものがある。
絞り出すような終楽章、圧巻。ピアノ、オーケストラ、圧倒的過ぎて異次元ワールドを満喫出来ました。破天荒の力感。もう、ため息も押し殺す凄い演奏でしたね。ラフマニノフ終止も異次元か。

この日の最後の曲、シンフォニックダンス。ここでオーケストラは思う存分、力を発揮。
ギラギラした感じは無くて抑えた中に作品の美しさが浮かび上がる。
第1楽章静謐な演奏。サックスは惚れ惚れする響き。2楽章のワルツは縁どりが鮮やかカーヴィング明るくなり切らない切なさが気持ちを晴れやかなものにしない。終楽章、怒りの日を含めた旋律の交錯。オーケストラの妙技とパワーを満遍なく惜しみなく出し切る。凄味のあるもの。巨大な作品でした。

以上3曲、ピアノアンコール、オーケストラアンコール含め2時間45分。もっと長くかかるかと思ったけれどもそうでもなかった。日本式のダラダラ入退場、繰り返し拍手によるダラダラ立ち座り、オケの遅い入場、そういったものがなくてシャキッとしていて時間の使い方がうまい。ベルリン・フィルも同じ。テキパキしている。
こういったところは関係者とかお偉いさんがお金払って見に来て吸収して欲しいところですね。
おわり


























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