清く図太くしたたかに!
3日で読めるトップが強運であり続けるための『人間学読本』
ヨーロッパ英雄史小説作家・小園崇文です。
「デキるリーダーは歴史に学ぶ!ヨーロッパ史を図太くしぶとく生き抜いた強運な王たちの物語」
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●打ち込んだ学問が救ったピンチ
さて、時計の針を少し巻き戻します。ヘンリー8世が男子の世継ぎを求めて、結婚と離婚を繰り返す中、1533年に生まれたエリザベスは、母アン・ブーリンの死後、グロースターシャ―という所で、義姉メアリーと共に育てられます。この頃のメアリーとエリザベスは共に大人の事情に翻弄される子供同士、とても仲睦まじく過ごしたようです。
メアリーの方が14歳も年上ということもあり、わずか3歳にして自分と同じ境遇(母が王のお気に召さなくなって無理やり離婚)に陥った義姉エリザベスをとても可愛がったようです。ですがこのメアリーという人は、ちょっと想像を絶する二重人格者でもあります。聖母マリアのような慈悲の心を見せる時もあれば、悪魔のような恐ろしい形相を見せる時もあります。エリザベスに対しても義姉として可愛がる半面、「この子の母親のせいで私の母は王妃の座を追われた…」と屈折した感情を抱いており、その感情が後年、自身が女王に即位してからのエリザベスに対する猛烈な「パワハラ」に繋がります。
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