さて、何処かの政党が紆余曲折を経て落ち着いた公約みたいな物について考えてみたいと思う。(実際に公約かどうかは確認していないので知らない)

まず何よりも考えるべきは、安全保証関連法を、憲法のどの条文に則って運用するかだ。
前文ではないだろう。
平和を愛する諸国民の云々とあるが、安全保障上の問題が起こる以上、平和を愛していない諸国民が暴れているはずなので、これではない。
ではなんだろうか?

実は、ここで思考が行く詰まってしまった。
暫く色々考えて、やっと思い付いたのが、国民の各種権利に関する項目。
第三章の、国民の権利と義務を定めたところだ。
幸福追求権とか、職業選択の自由とかそんなところだ。(特に二十五条)

で、ここでまた思考が止まってしまう。

第三章を素直に読んでいると、集団的自衛権はそもそも絶対に必要であると解釈出来る。
何故ならば、二十五条に健康で文化的な最低限度の生活を送る権利があると明記されているからだ。

さて、現代社会において、文化的な生活を送るとはどんな事を意味するだろうか?
何よりも電気と上下水道が来ていることを意味するだろうと思う。(上下水道は兎も角、電気が来ていない世帯ってどのくらいあるのだろう?)
特に問題は電気だ。(結局上下水道も同じだけれど)
ご存じのように、日本の発電に使う燃料の殆どは、化石燃料だ。
その中でも原油の割合はかなり高い。
そして、現段階において原油というのは中東に依存している。
つまり、中東からの海上輸送が遮断された場合、即座に文化的な生活の危機に陥ると言う事だ。(もちろん備蓄があるし、米国から買うことも出来るだろうが、混乱は必至だろう)
政府はこれを何とかしなければならないし、国民は政府のやることに協力する必要があるだろう。
そうしないと、文化的な生活が送れなくなる。
健康的な生活が送れるかどうかは、趣旨が違うし混乱するので考えない。

以上の事を踏まえるならば、最低限、中東からの石油輸送を確保する必要がある。(もちろん、現代社会はもっと色々な物が必要であることは認識しているが、全てを書くときりが無いし、話の筋はどれも同じだ)
では、今の日本が、単独で、中東からの海上輸送を確保することが出来るだろうか?
答えは否。
どう控えめに見積もっても、一万キロを超えている海上輸送路を日本の海上自衛隊が確保することなど出来ない。
そのための艦艇数が圧倒的に足りていない。

ではどうするか?
これはもう、他の国と共同で確保する以外の選択肢は、ただ今現在存在していない。(海賊対峙に血道を上げているのも、この路線に一環だろう)
軍拡に次ぐ軍拡を行って、海上自衛隊の戦力を増やすという手もあるが、それは経済破綻に繋がるかも知れないので、出来るだけやりたくない。

結論を書こう。

希望の党は安全保証関連法案を容認、あるいは、増進させることを目論んでいる。(いや、増進はしようとしていないだろうか?)

さて最後に。

俺は次の選挙で希望の党へ投票すべきだろうか?
偶然にも、候補者が俺の住んでいるところにいるし、比例代表もある。
しかし、俺の答えは否。
理由は、上に書いた俺の思考が希望の党の思考と同じであるかどうかが全く分からないからだ。
俺の考えも付かない理屈で、安全保証関連法を否定することもあり得る。(憲法前文が破綻しているという前提に立つ俺の考えが一般的ではないことをきちんと認識していることもある)
だから俺は、明確に方向性を示している政党と、そこに所属する候補者へ投票する。
その候補者や政党がきちんと仕事をするかどうかは兎も角として、一定の方向へ向かって進んでくれることを期待して。

ちなみに、憲法の条文を調べるのに、口語訳 日本国憲法 大日本帝国憲法(倉山満)を使った。
憲法の条文はどれを読んでも同じだが、文庫版で持ち運びが容易だったので。

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