ババモンは、日によって、調子の良し悪しがある。
これは、認知症の本にも書いてあった。前夜の睡眠とか、そういうものがかかわるんだろう。
当然だが、少しでも他人と楽しく過ごせたときは、調子が良く、顔つきも良い。
けど、他人との触れ合いがうまくいかず、ババモンのうっとうしい思考を招くときは、興奮したり、人を疑うような、意地が悪そうな顏になる。
一日何もしていないと、ボーっと感が強く、 呆けたババに見える。
まあ、一番心配になるのは、呆けた顏をしているときだ。
しかし、私が訪問して話をしているうちに、ババモンの顏が、次第に正気に戻ってくる。
「人との触れ合いが、呆けを防ぐ」というのは、介護者の誰もが感じることだろう。
しかし、これまでにないくらい、私は今年の冬が怖い。
昨冬より、ババモンは確実に心身ともに弱っている。何事もなく平和に冬を越せる気がしない。
「頭と共に、身体も弱ってくる」と、認知症介護の経験者から聞いたが、ババモンもまさにそんな感じだ。
転倒、骨折、インフルなど、これまでもあったことを、いろいろ想像して、気持ちだけでも備えたいが、現実というのは、えてして想像していなかったことが起こるものだ。
けど、もう運命に身を任せるしかないな。
ババモンが不調のときは、「もう仕事を辞めればいいや」と決心し、好調なときは、まだ今の生活が続けられそうな気がして、また迷う。