故郷を離れて50年以上、子供の頃 使ったり 聞いたりしていた言葉(方言)も すっかり忘れてしまっていますが 突然 ふっと思い出すことがあります。
その内 ふっと思い出すことも出来なくなるはずで 完全に忘れてしまわない内に 書き留めてみよう等と 思っているところです。
No.06 「こわい」
「疲れた」「だるい」「体調が悪い」等という意味で 使っていたような気がします。
一般的な 「怖い」「おそろしい」等という意味でも 使っていたのかどうかは 記憶曖昧。
例えば
「キョウハ ナンダカ コワイ ソイ ガッコウ ヤスムワネ」
(今日は なんだか 体の具合が悪いので 学校休みますよ)
・・学校が 怖いから 休むのでは ありません
「イソイデ ハシッテキタ モンデ アア コワカッタ」
(急いで 走ってきたので ああ 疲れた)
・・怖ろしくて 走ってきたのでは ありません
「コワイシゴト サセテシマッテ ワルカッタネ」
(疲れる仕事をさせてしまって すみませんでしたね)
・・恐い仕事を 頼んだので ありません
昭和30年~40年頃の故郷の冬景色・・かんじきで 道踏みしていました。
No.05 「あせくらしい」 → こちら
No.04 「しょうしい」 → こちら
No.03 「~くんない」 → こちら
No.02 「またじ」 → こちら
No.01 「おぞい」 → こちら
こちらでは「こわい」と言ったら「おっかねがね~」ですが
疲れた時に使う言葉なんですね。
因みに「だるい」は「だりぃ」
「疲れた」は「くたびれた」と言います。
ここへ越してきた時に驚いたのは女性が自分の事を「俺」と言っている事でした。
町民運動会の選手を決める時ある女性が
「俺、からっとびなんか出来ねえよ」と言ったのです。
話が全く理解できませんでしたね。
「からっとび」とは徒競走の事で「すっとび」と言っていた方もおりました。
いずれにしても群馬の言葉は余り品の良い言葉では有りません。
私の住んでいる福島県中通り地方でも、「疲れた」は〈こわい〉あるいは〈こえぇ〉です。
『あー、今日は こえぇがったなぁ』
『ほんじゃ、上がって 休んでいがさんしょ』は、
《あー 今日は 疲れたなー》
《それじゃぁ、上がって 休んで行ってください》です。
あまり、耳にしなくなってしまった言葉ですが、懐かしい響きです。
多分 最近は 根っからの地元でも 使う人が減ってきていると思いますが。
「俺」は 子供の頃 近所のおばあさんが 使っていたのを 今 思い出しました。
「からっとび」・・???と なりますね。
忘れていた方言も 芋蔓式に 思い出すものですね。
「こわい」・・福島県でも 同じような意味合いですか。
「こえぇがったなぁ」、「いがさんしょ」は いかにも 東北の言葉に聞えます。
今では 根っからの地元の人でも 使わなくなって 懐かしい響きですね。
「あれ、こーわいさ、こんなことまでしてもらわんでも」などと。恐ろしいことは「おそがい」といいます。
「ああ、疲れた」は「やれ、こうぇじゃ」
怖いは「おっかない」です。
学芸会の劇で、怖い場面を、台本通りに「こわい!こわい!」と読んだ時、意味が分からなかったです。
「恥ずかしい」は「しょし」か「しょしじゃ」でした。
懐かしい方言です。
かなり 違った意味合いですね。
ルーツは 有るんでしょうが 地方地方で 独特の言葉になっていったんでしょう。
飛騨の 「おそがい」・・・
「おっかない」と言っていたような気がします。
いろいろ 芋蔓式に 思い出してくるものですね。
秋田県と北陸、似ていますね。
「怖い場面」で 「疲れた!疲れた!」 は おかしいと思われたんですか。
今では 地元でも 使う人が少なくなっているんでしょうね。
なんとなく 懐かしくなります。