子供の頃 使ったり、聞いたりしていた言葉(方言)も 故郷を離れて50年以上も暮らし すっかり忘れてしまっていますが 突然 ふっと思い出すことが あります。
故郷は 遠きにありて 想うもの・・・、
ふっと思い出した時に 書き留めておこうかなと 思っているところです。
No.17 「たびのしゅう」
根っからの地元の人でない人のこと、または お盆や正月に帰省しているような人のこと を 地元の人が そう呼んでいたような気がします。
例えば
「タビノシュウモ オルモンデ ハヨ シマイニセンカネ」
(よそから来てくれた人もいますから 早く 終わらせましょう)
「タビノシュウ エンリョセント ヨバレテクンナイ」
(遠くから来てくれた皆さん、遠慮しないで 召し上がって下さい)
★懐かしい故郷の方言 → こちら
私も長い間
あんたは「旅のしゅう」「旅の人」だで。
と言われ続けておりました。
東京から東海地方に嫁いだ私に、近所の人は「よそ者」という意味でそう呼んでいました。
「旅の人」はいつかまた、どこかほかの地に行くもののと考えられているようで、「よそ者」とくくられているようで、さみしかったです。
東京から東海地方に嫁がれた ろこ様の 当時の寂しさ 良く分ります。田舎には 封建的な村社会、因習いっぱいの時代でしたからね。
東京から北陸の山村に疎開し そのまま定住したウチも ずいぶん後年まで「疎開者」「旅の衆」 と呼ばれて 地元農家とは 別枠で見られていたように思います。
次第に 地元民化していきましたが 就職で 地元を離れた後には 帰省等すると また 「旅の衆」と 呼ばれたもんです。
私にとっては 北陸の山村が 旅の途中だったことになってしまいましたが・・・。
相手が他所の者でなくても使います。
例えば
若い女性 「これ力が必要だわね、私には無理みたい」
昔の女性 「ほれ、ワケエモンが困ってるよ
そこの男衆、ちょっくら手ぇ貸してくんねぇかね」
ってな具合です。
最近は世代交代が進み余り聞かれなくなりましたが
それでもお年寄りの間では使われていますね。
方言も大切な日本の文化です
「男性の皆さん」「女性の皆さん」・・なんて 言う雰囲気 有りませんでしたし。
たか様地方、お年寄りの間では まだ 使われているんでしょうね。
長男だった私等 特に いつ 戻って来るんだ と 言われんばかりの ニュアンスに感じたものです。