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シロスタゾール内服で認知症進行抑制できるか!?

2015-05-27 07:45:45 | 医学/医療

国立循環器病研究センターがシロスタゾール内服により、軽度の認知症患者の進行抑制効果があるかを検討する臨床試験(治験)を多施設共同で始めると発表しました。

約1年前の2014年7月20日、NHK放送が『認知症800万人時代 認知症をくち止めろ~ここまで来た!世界の最前線~』なるスペシャル番組内でシロスタゾール内服による軽症認知症患者の進行抑制効果を取り上げたのが世間的に認知されるようになった最初でしょうか!?

シロスタゾール(先発品は大塚製薬のプレタール)
 シロスタゾールはホスホジエステラーゼを阻害することにより、cAMPの分解を抑制することで、血小板の凝集抑制と血管拡張を引き起こします。

特徴
 抗血小板作用
 血流量増加作用
 血管内皮機能改善&保護作用
 血管平滑筋細胞増殖抑制作用

シロスタゾールは、血小板の働きを弱めることで、血栓をできにくくし(血液をサラサラにし)、主に脳の血管が詰まる脳梗塞の再発を予防する薬として、現在使われています。

適応疾患(保険病名)
 慢性動脈閉塞症に基づく潰瘍、疼痛及び冷感などの虚血性諸症状の改善
 脳梗塞発症後の再発抑制

これまでの研究で、シロスタゾールが認知機能の低下を遅らせる可能性がいろいろと示されつつあります。シロスタゾールで血管の壁が軟らかくなり、脳にたまった老廃物を排出しやすくなるためとも考えられているようです。

副作用として多いのは頭痛と動悸、頻度は少ないですが、出血助長にも注意が必要です。

内服禁忌は、出血している患者さん、鬱血(うっけつ)性心不全の人、そして妊婦さんです。


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