《きっかけ》 
主催しています読書会「タイマネ⭐︎金曜読書会」にて紹介された本です。 
毎月最後の金曜に開催しているこの読書会にて紹介された本のうち、
 一冊が「育成系FPのみどりとお金の育て方」にて課題図書となります。

今回、私が紹介した佐藤一彦さんの『ビリオネア思考』といむらきよし
さんの『7歳児でもスグ結果が出せる超非常識な成功法則』です。
佐藤さんは勤め先の代表、いむらさんは個性心理學のお師匠と2015年、
一番にお世話になった方々の書籍を紹介させていただきました。

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課題となりました書籍「お金のプロが教える!インフレ時代に備える
資産形成」の著者はファイナンシャルプランナーの黒松雄平さん。
お金の専門家として最近ではマンション投資についての分かりやすい
説明で有名とのことですが、私の場合は前職が教育業界でしたので、
経営される会社が運営される進学塾ジェネシスの方が先に記憶にあり
ました。

内容としては、現在の私の仕事に近しい内容のため、納得するところ
もあり、また違和感を感じるものもあり、これまで、この感想文で
扱った書籍とは、自分の中では一線を画すものでした。

《脳みそ絞ってポイント3つ》

(1)通貨の持つ本当の価値はどこにあるかを知る


外貨を持つより、海外に銀行口座を持つよりも先にやることがあります。
通貨の価値は何であるかを学び、しっかりと考えること。

『今の1000万円は、将来500万円の価値にしかならない

 今の日本が解決しなkればいけない事柄の1つに、年金問題があり
ます。将来は本当に年金がもらえるのか、不安に思う方も多いでしょう。

 簡単な結論から言うと「もらえる」と言っていいと思います。とこ
ろが、20万円の年金を貰えるつもりでいて、実際に20万円を受け取れる
としても、その価値が現在の10万円分にしかならないとしたら、どうで
しょうか。

 また、コツコツとお金を積み立てて、ようやく2000万円が貯まったと
します。その価値も現在の1000万円分にしかならないとしたら、皆さん
はどう思うでしょう。そういうことが、まさに起き始めています。

 仮に皆さんが今、銀行に1000万円を預けているとしましょう。額面で
見たとき、この先も1000万円という数字は変わらないので、安心として
いると思います。ところが将来その1000万円の価値は、現在の半分程度に
なっているのです。銀行で定期預金を組むことは、穴の空いた貯金箱に
お金を入れることと、もはや変わらないのです。

 これは国内で生活していると、どうしても気付きにくいことです。
後で詳しく述べますが、例えば海外旅行をすると、私たちの財産が目減り
していることがすぐにわかると思います。』

P20、1行目(1、経済情勢と年金 ついに始まった円安、インフレ時代 
半減する円の価値)


衝撃的な内容から始まります。
しかし、「お金」の本来、把握しおかなければならないことが、ここに
集約されています。
物価上昇と為替が重なると、生活の中であたり前に感じていたお金の
価値に疑問が生じます。
お金はあくまでも、「何か」の「対価」です。
物々交換は、お互いにそれぞれの価値を認識し、納得するから成り立ち
ます。
これを物と物で交換する代わりに同等の価値と見込まれるもので代用
したのが通貨、すなわちお金。

その対象となる「物」は同じでも「通貨」の価値までがずっと同じとは
限らない。これは海を渡って世界で通貨を捉えると、常に変動が出て
くるものになります。

この当たり前に出てくる変動に日本の人々は感覚的にとても弱いことを
ここでは言っているようの感じます。


(2)日本の教育の間違いは「お金の教育がない」こと

「借金は悪いこと」という先入観を捨てる

 ここまでローンについてお話ししてきましたが、今までローンなどを
組んだことがない人は、やっぱり借金は悪いこと、やってはいけない
ことだと「何となく」思っているのではないでしょうか。しかし、借金は
本当に悪いことなのでしょうか。
 お金の借り入れに関して言えば、最初に日本に入ってきたセンセーショ
ナルな仕掛けはロバート・キヨサキさんの『金持ち父さん 貧乏父さん』
だったと思います。世界で3000万部を売り上げた著書のなかでも書かれて
いますが、借金は決して悪いことではありません。もちろん悪い借金も
ありますが、いい借金もあります。
 つまり、お金を生まない資産を借金で買うことはよくありませんが、
お金を生む資産は借金をしてでも持つべきです。たとえばローンで購入
する車はがらくた以外の何ものでもなく、お金どころかマイナスを生み
ます。ギャンブルなどの借金は問題外です。
 本書でいう借り入れとは、お金を生む資産をつくるための借金です。
借金で持つ不動産は、お金を生んでくれます。そして資産形成を考える
うえで、お金を生む資産を「持つ人」と「持たない人」では、大きく
変わってくるのです。』
P75、2行目(2、インフレ時代に備えた資産形成の考え方)


 借金には良い借金と悪い借金があるということを理解しながらも、
不動産投資のためにする借り入れと自宅を購入するための借り入れを同等に
見ている方が少なくありません。
 私はお客様の大半が不動産投資家のため、仕事先では引用のことを理解
されているお客様ばかりですが、一般的なマネーセミナーに参加しますと、
良い借金と悪い借金の違いを履き違えている方が多いことに未だに驚か
されます。
 不動産投資をするということは「大家さん」になるわけで、つまりは
「大家さん業」を開業することなのです。立派な事業です。ですから事業
のために融資を受けて、そして会社を運営することと同じ。ここを勘違い
して、不動産投資はお金を借りてできる投資、と理解している方が多いの
です、実際に。

 なぜ、こんなトンチンカンな勘違いや不理解があるかと言えば、「お金
の教育を受けていない」からです。かつて、小学校から高校までの全ての
教科書と学習指導要領に目を通しましたが、本来持っておくべきお金の
知識に関わることは殆ど見られませんでした。
 教える仕組みも、教えられる人も、教える機会も作らない教育だったの
です。(現在は、地域や学校ごとで力を入れて指導しているところもあり
ますので、一概に全くないとは言えなくなってきました)

 ここで注意すべきは「無駄遣いをしない」「貯金をする」「借金は悪」
「税金を納める」「投資はギャンブル」的な、学校教育の中で過ごした
期間に刷り込まれた、いらない常識を消し去らないと本当に必要な資産を
形成する知識・知恵は得られない、良い話を聞いても表面だけで理解した
と思い込む危険な状態になるということ。

 
(3)不動産投資は生命保険の役割もできる

 本書では、30歳の人が価格1850万円の新築ワンルームマンションを金利
2.1%35年返済のフルローンで購入したとして例示を出しています。
 月々の返済額は約6万2500円、管理費・修繕積立金が月々6500円かかる
とした場合、毎月の支払額は約7万円。ここで7万7500円(共益費込み)で
サブリース(家賃保証制度)を活用すると保証賃料は約7万円。ここで収支は
ほとんどゼロです。(本書内ではさらに細かい設定や注意は書かれてい
ますので、ここでは割愛)

保険より不動産の方が収支は得!

 日本人は、もしものときのための保険がとても好きなように感じられます。
保険だと財布の紐が緩んで、総額いくら支払うことになるかを考えずについ
つい高い保険料を支払ってしまっている人も多いのではないでしょうか。
 では、先ほどのワンルームマンションを購入した場合と同じくらいの保障を
保険でつけようと思ったら、いくら支払うことになるのでしょう。
 具体的に見ていくと、まず万一亡くなった場合に備えて収入保障保険に加入
したとします。先ほどのワンルームマンションでは家賃が7万円から始まり、
最終的に5万円まで下がりました。そこで収支保障保険の受取金額を家賃の
中間ぐらいをとって6万円で考えてみます。
 収入保障保険は非常に安い保険です。この場合月々の保険料は約2500円に
なります。これくらいの金額だと、万一に備えてと思い簡単に保険料を支払う
方もいるのではないでしょうか。
 この収入保障保険に加えて、将来の年金が不安なので個人年金保険に
加入したとします。個人年金保険の場合、受取期間を10年や20年と選ぶこと
ができますが、今回は終身年金に加入したとします。なぜなら、日本は世界
一の長寿国で65歳を
過ぎてからも今の時代、何年生きるかわかりません。そのため、受取期間が
10年や20年では不安だということで、多くの方が終身年金に加入しているの
です。
 終身年金は収入保障保険に比べ非常に高いです。この場合、終身年金の
月々の受取額を5万円に設定すると保険料は月々3万円です。収入保障保険の
保険料と合わせると月々の支払いは3万2500円です。これを35年間支払い
続けると支払い総額は1365万円です。
 ワンルームマンションと保険を比べると、同じ保障が付いているのにワン
ルームマンションの方が800万円以上もお得ということになるのです。』
P100、1行目(4、ワンルームマンション投資の訴求)


本書は、ワンルームマンショ投資を一押しする内容ですが、ここに囚わ
れず、不動産投資全般で考えます。
不動産投資の魅力の一つは、生命保険の代わりになるということ。
銀行からの融資(住宅ローンなど)を受けて、運営していくわけですが、
その際に団体信用生命保険に加入することができます。ローンにいくらか
上乗せすることで、契約者に万が一のことがあった場合、以後の返済義務が
なくなるというものです。
ご家族全員で大家さん業をいつでも引き継げる状況にしてあれば、安定
した収入を毎月運んで来てくれる心強い「保険」になるのです。
しかも、得ている収入は、単に保険会社から振り込まれてくるものでは
なく、入居者の方からの家賃。つまりは住居を提供することで得られるお金
ですから、「誰かの幸せ」に関わった報酬と見ることもできます。
自分のため、家族のため、社会のため、、、と、回っているお金がとても
イキイキしているように感じませんか?

投資というと、ギャンブル性や、お金持ちだけのもの、良くないもの、
ズルいもの・・・とネガティブイメージを持たれやすい面がありますが、
それは、家族の社会の幸せのために、努力して知ろうとしない方々の戯言と
思えば良いと思っています。


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