老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

     生きていた時の 🐕 殿ちゃん

2018-02-07 10:55:14 | 俳句

    

 殿が生きていた時は、日常の外出は病院とデパート以外はいつも一緒にお供に連れ出していた。
毎日の散歩は勿論のこと、野暮用の時も、いつも先にたって車に乗り込むのは殿ちゃんであった。
殿ちゃんを連れていると、どんな露地でも迷って入り込んでも不審な目では見られたことは無い。
最近車で走りながら、あらゆる香川県の道という道を散歩していたと思いだした。
今ここ知らない場所を、一人で歩くと不審人物として建物の影からそっと監視されているに違いないだろう。
車で走っていると、「おしっこがしたいから車を止めて」と殿が催促をする。
車を止めて草むらでおしっこを終わるとその辺を10分ほど散策をする。
それで満足をした殿は、静かに目的地につくまではお利口にしている。

 本当に可愛かった。

       

 ある時、家の周辺を、いつものように散歩をしていた。
高校の門の前に二人連れの男性が立っていた。
挨拶をして通りすぎようとすると、その内の若い男性が「可愛い犬ですね」と声をかけてきた。
自慢、そう自慢、殿は一日に一回は誰かに逢うたび「可愛い」といわれていた。
名前まで知っている人がいて、「殿」と声をかけてくれる。

買物に行くと、自転車置き場に繋いで私の買物が終わるのを待っていたのだ。いつも、いつも誰かが遊び相手になっていてくれた。
殿の嫌いな場所は図書館。ここでは10分もするとワンワンと吠えて私を呼ぶ。
相手をしてくれる人もなく、寂しいか?それともここの雰囲気がきらいなのか、図書館では私もおちおちはしていられない。

 学校の校門の前で声をかけてくれたのもいつものことと思いつつ、すぎようとした。ふと声をかけてくれた若い男性の顔を見ると、タレントの 篠山紀信の息子のアッキー君。
「可愛い犬ですね、何という種類ですか?触ってもいいですか?綱を持たせて下さい」と話かけてくる。
「どうしてここに?」と尋ねると、ロケに来て、待ち時間があったので、、、」
と応えた。

 今朝、NHKの番組「あさイチ」を観ているとそのアッキーが泣いている。
「あさイチ」の番組が今年三月で終わると出演者が云っていた。アッキーもその番組の出演者で各地をリポートしていた。殿と逢った時もそんな時か?
今朝は番組が終わるのが悲しくて泣いていたのである。

         

 アッキー君を、それで今日は殿のことを、思い出してしまった。
 
 金毘羅へ歌舞伎のお練りを見に行った時。
お練りの行列が来るまで、待ち時間を公園のベンチに座った。
隣のベンチに座っていた個性的なヘアースタイルの男性が殿を見て、オオーおおーと云う。殿は喜んで尻尾を振って振って足元に行く。
篠山紀信さんであった。
親子二人して、殿は何かのご縁があったみたい。
篠山紀信さんは金毘羅歌舞伎の写真の撮影に来ているとおっしゃっていた。

 今年は 戌年。
殿のことを忘れてはいないが、今日はたっぷりと殿のことを偲んだ。
犬は殿、殿以外の犬を飼おうとは思わぬ。
野良犬の餌やりは毎日欠かさない。寒くてもいつもの場所で待っている。決してなつかないけれど。

       

 それなりの愛情はあるが。。。。
片足が無く近所の犬好きの何人かからも餌をもらっているみたいだ。よく肥えている。

 

  


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