屋島へ6000回、登った人と出会う。
「これから、今日のように冬霞の日が一か月は続く。景色が良く無くて気の毒」
と言ってくれた。
晴れていれば、小豆島も手に取れるような距離にあるが、残念に今日は曇っていて、遠くは写真の写りが悪い。
☆ 地球から石を切りだす春の人 長谷川櫂
師が詠んだ目交の五剣山の石切場もこのような感じ。日本で一番の良質の石、庵治石の産地である。
☆ 春風の的の扇のゆくへかな 長谷川櫂
師が NHK の番組「海の細道」で詠んだ屋島周辺の句を、この絵看板を見て思い出した。
あの那須与一の源平合戦の折りの逸話にのっとった句である。
歩ける嬉しさに訪づれた屋島で 師の句が浮かんできた。
俳句も歌仙もケセラセラなるようにと一歩距離を置いたつもりが、因果なこと。
思い出す羽目に。
殿が元気な時は、散歩に連れてきた。
いかなる、さぬきの場所も 殿 の匂いが沁み込んでいる。
殿を想い出す散策でもあった。
🍒 血の池を染めゐる漆紅葉かな
🍒 ときに鈴聞こへる冬の峰札所
合戦の時、敵方の首を洗ったとの言い伝えのある「地の池」
今は静かに、観光客もまばらであった。