小池都知事の失策 | 熱党のブログ

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小池百合子氏が都知事となった時は私も随分頼もしく感じていたし、都民ではないものの応援もしたいと感じていた。
しかし、今年に入ったころから少し見方が変わっていた。
それは、豊洲移転問題と国政への動きだ。
豊洲移転には様々な問題があり、再調査なども行なうところまでは納得であったが、再調査の結果が先日(3月中旬)に出たが、それまでの間、豊洲移転をどうしたいのかという方針が出ないままであり、ご本人が推進したいのか廃止したいのかの知事としての意向を一切示していない。
そして、先日、再調査の結果は出たものの、方針は明らかになっていない。
豊洲移転を保留にするということは、毎日毎日、都民の税金をどぶに捨てているのと同じことなのだ。
豊洲移転問題の責任を石原前知事への責任追及へと持って行くのも良いが、しかし過去の経緯や責任問題と、今現状をどうするのかは又別問題である。
そして、方針を出さないことから見えるのは、7月に予定されている都議会選挙だ。
明らかに豊洲問題もひとつの武器として都議会選挙をご自身の有利な方向へ導こうとしているのは明白だろう。
これは、明らかに豊洲移転問題を選挙に利用しているとしか思えない。
しかし、豊洲移転を先に延ばせば延ばすほど、莫大な税金が必要となり東京都、東京都民としては大きな不利益となる。少し都民ファーストという概念からはズレてきているのではないかと感じる。
そして、もっとも失策だと思うのは、石原前都知事を百条委員会にまで出したことだろう。
当初、東京都議会の野党もマスコミも、猪瀬前知事や舛添前知事のように、マスコミの標的となり引きずり降ろすことで世間を騒がせるようなことになると期待していたのだと思うが、いざ、石原前知事の百条委員会後、マスコミのトーンに大きな変化もなく、逆にこれと言った新事実もなく、マスコミのトーンは落ちた。
そして、石原都知事は非常に大きな支持の中で勇退されており、実際に東京都の大赤字を立て直し、オリンピックまで事実上招致した人物でもある。
また、今まで、誰の責任だ!誰の責任だ!どの書類にどうこう書かれている!誰が何を言った!というマクロの部分ばかりで議論されていたものが、石原前都知事の記者会見と百条委員会での発言で、マスコミも世論の一部も石原氏の言うことに納得された方も多かっただろう。それは、知事としての責任はあるものの、都議会や委員会など様々なフィルターを通して、最終知事が決断したということで、ある意味で民主主義の基本で豊洲移転が決定していたということだ。
土壌汚染の問題だけであれば、昨年の内に小池氏が調べさせた委員会と都職員との間でグレーではあるが、一定の結果は出ており、実際に処罰もしているはずである。
石原氏を百条委員会まで引っぱり出すほどでもなく、また百条委員会という注目される所に出したことで、世間の目は石原前知事と小池現知事とを見比べることになってしまったのだ。
小池氏も人気はあるが、現段階では実績はない。
石原氏は未だに一定の人気があり、なにより実績がある人物である。
石原前都知事に明確な金銭的な疑惑などがあれば別だが、豊洲問題のような場合、マスコミも必要以上に石原氏を叩くようなことは難しいだろう。
百条委員会前に開いた記者会見も大きかっただろう。マスコミは石原氏に批判的な報道もあったが、明確に批判できるものではなかった。それは、見ていて分かるように、マスコミの質問が低レベルであったことだ。石原氏も国政の議員も長く、マスコミの追求から考えの違ういわゆる左派系の追求など慣れていて、真剣に答えていたのは最初の数社の質問だけで、それ以外は一刀両断であった。
これを見て、百条委員会で野党側の質問は完全に萎縮していた。
要するに、豊洲問題の全体像も見ず、ろくに調べずただ叩くだけの質問は、石原氏には通用しないということである。
石原氏のことが長くなったが、今回、石原氏の百条委員会での発言で、小池氏はかなりマイナスだっただろうと思う。
参考人程度にしておけば良かったのだ。


そして、国政に向けた動きだ。
都民ファーストの会を立ち上げ、7月の選挙で都議会も小池氏側を与党にしようとしているが、その先には明らかに国政も狙っているのも間違いないだろう。
国政に都民ファーストの会から出馬させずとも、国政への影響力を強め、自民党の影響力が都政に及ばせないようには考えているだろう。
小池氏の言う「ねずみ」の駆除は必要であり、応援したい側面はあるが、しかし政党として選挙で排除するには、小池氏の手法は厳しいだろう。
それは、政党としての方針を自民党と差別化できないからだ。
小池氏も自民党である。
都政では豊洲やオリンピックという事柄で自民党と敵対できるが、国政となるとまったく差別化ができない。
その中で、影響力を出そうとしても、厳しいものがあるだろうと思われる。
実績もなく、国政と戦う必要のない状態の中で国政を意識した動きを出すには余りにも早すぎたのではないかと思われる。


ここまで書いていても、小池都知事にはまだ頑張っていただきたいと思っている側面もある。
それは、古い政治や、時代遅れの左派系政治家の排除ができるのは小池氏だろうと思うからだ。
しかし、今のままであれば、7月の選挙で今のような圧倒的な人気の中で都政を仕切っていくことは厳しいだろうと思われる。
結局、やってることは、既存の政治家が敵を作り劇場型にして話題を集め人気を集めている手法と同じだ。
知事になって半年もなれば、愚直に問題と向き合う側面が見えてこなければ支持は低下する。
女性という立場で、敵を作りここまでのし上がってこられた実力は素晴らしいものである。
しかし、東京都知事という立場はトップである。これ以上のし上がる場所はないのだ。
その中で、敵を作ることが本当にベストなことなのか。
それで、東京都民が幸福になるのか。


小池都知事はトップの政治家としての資質が問われ始める時期に入ってきたのではないかと思う。


最後に、
豊洲問題は、沖縄の辺野古問題にも類似している側面がある。
また、次回にでも。