大切なもの、7番目から9番目のこと | アダルトチルドレンから、「以前より相当まとも」に回復しています

アダルトチルドレンから、「以前より相当まとも」に回復しています

社会と人と自分に不安を抱える「とかくこの世は生きにくい」 アダルトチルドレンが 回復へのきっかけを見つけ

「以前より相当まとも」に変わりながら一進一退、もう一歩踏み出そうとしている

ごく普通のAC会社員の様子を書いた現在進行形のブログです。



今回は、大切なものの7番目から9番目のことについて書きたいと思います。

※前回の続きです


『先日、ある大学で「自分の死を想像してみよう」という授業を行っているのを、ニュース番組の特集で見た。その授業では、学生たちに自分が大切だと思っていることを十二項目、紙に書いてもらう』

『その十二項目に優先順位をつけ、諦めなければいけないものから順に紙を破り捨てていく』

『例えば「趣味のコレクション」を捨てる。「将来の地位を捨てる」。「お金」を捨てる。「可愛がっているペット」を捨てる。「恋人」を捨てる。そして最後に・・・』

[出典:「あるがまま」を受け入れる技術 河合隼雄・谷川浩司共著 PHP文庫 P248~249]

アダルトチルドレンから、回復の途上。
試みの夏の夜の思索、です。


さて、9番目には私、こちらを選びました。

「梨、すじこ、お刺身」

つまりは、好きな食べもの、ですね。

お刺身はとにかく全般、いくらでも食べられます。
また何故か、梨を非常に好みます。幼少期からあの香りと感触、ひろがる甘さの虜です。(苦笑)

そしてなかでも、わけては。

すじこ、です。

炊きたてつやつやのご飯のうえに2つ、3つ乗せて、口にすればもうそれは、至福の時です。

うーん、たまらん、ですね。

それをもう味わえない、とした時の私の反応は。

エーッ、でした。

相当、残念な顔をして破っていたと思います。


次です。8番目は、こちら、です。

「北海道」

元家族のうち、私よりも年かさで女性の方の故郷、でもあります。

幼い頃から少年期にかけては連れられて、妻娘とは荷物係として。
この眼、耳、脚は憶えています。

短い夏の陽光、遠く続く稜線にみえる牛の姿、北の匂い。

ナナカマドの赤い実、白樺の木立ち、鉛色の海
そして肌を刺す寒さのなか、さらさらと舞う粉雪

踏みしめては、キュッ、と鳴る音に喜んでいるわたし。

楽しそうに笑っています。

追憶のうち、この胸に去来したのは「好き」や「楽しい」とも異なる思いでした。

そこにあり、そこにいる。

安心感とも、帰属感とも違う、何とも表現し難いもの。

ただ包まれている、が近いかもしれません。

けれど二度と訪れることは叶わない。
ああ、ああ、としか言えずに手をかけました。





そして感じたのは虚脱感、というものなのだと思います。

ため息がでました。


7番目、さんざん迷った挙句の順位です。

「マイケル・ジャクソン」

パォ!です。

国境と言語、人種に風土、そして世代を超えた稀有なるアーティスト。
その光は、東洋にいる一ファンの生活も照らしてくれました。

私ですと、アダルトチルドレンからの回復の日々は、マイケルの曲とともにあったのです。

しかし、M・Jの名の書かれた紙をこの手で破り、棄てねばならない。

「とにかくいやだ」

洩らしたことば、です。

そして見返したのは、ライブのDVDでした。
あの超人的なダンス、熱狂のなかステージに立つ姿と歌声に改めて、震えがきました。

いつしか目を奪われ、気付けば深夜、一人の時間が過ぎます。

観る者のこころの襞のほころびを見据えるかに感じられる、曲の数々。

「スタート・サムシング」から始まり
「アナザー・パート・オブ・ミー」「ヒューマン・ネイチャー」を経て
「スムーズ・クリミナル」「ビート・イット」を抜け

ラストには、「マン・イン・ザ・ミラー」が響きます。

これで最期と思い定め、勝手なこととは知りながら、受け取ったものを言い表すとするならば。

「自分の力に気づいて欲しい」

力に溢れ、限りない優しさとともに、信じていたのかもしれません。
まだ見ぬ人たちを含めて、です。

幾度も躊躇(ためら)い、見つめ、とうとう果たした後にきたのは。

真水のような悲しみでした。

澱の溜まった身ではありつつ、心の扉の隙間から流れたそれは結晶にさえなりそうな。

綺麗な悲しさ、の手触りを残します。

窓硝子の向こうには夜が落ちていました。

喪失の傷心を抱えるその一方で、感じていたのは。

こんな思い、すっかり忘れていた、です。

懐かしいほど、悲しめたのかもしれません。


おまけ)本日の言い間違い


「今年はミカンならないね~」 → ○ 「トマト」



私の場合、のお話です。




「アダルトチルドレンは希望の言葉」
それでいいんです。大丈夫です。大丈夫じゃなくてもいいです。




「ぼくは治そうとなんかせず、ただ偶然を待っている」(河合隼雄さん)
「人格は変わる。それは世界の認知の仕方による」(齋藤学さん)
 

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