今や「オヤジ臭」として定着した加齢臭は、

中年になっていくと誰でも発生するものではありますが、

その匂いの程度はヒトそれぞれで、

きついヒトもいればほとんど無いヒトもいます。

 

加齢臭を発生させる原因は様々ですが、

食べ物の影響も大きく、

ある食材は加齢臭をきつくし、

ある食材は加齢臭を減弱させると言われています。

 

ということは、食生活を意識しさえすれば

悩み深いあの加齢臭を抑えることもできるということですね。

 

体臭の原因物質としては

皮膚からの皮脂や汗腺から分泌される活性酸素などがあります。

活性酸素は体の成分を強力に酸化して細胞に障害を与えるため

老化が進行してしまいます。

 

しかしその活性酸素の酸化作用は

一部の食材に含まれている抗酸化物質によって

抑制することができるのです。

 

たとえば、大豆に多く含まれるイソフラボン、

ブロッコリーやいちごなどに多いビタミンC、

アボカド、ほうれん草、アーモンドなどに多いビタミンE、

にんじん、マンゴーなどに多いカロチン。

これらは抗酸化作用があり活性酸素を抑制してくれます。

 

緑茶に含まれるカテキンやりんご酢にも

抗酸化作用や消臭作用がありますので、

適量を摂取することでオヤジ臭を改善してくれるでしょう。

 

特にリンゴは

加齢臭やわきがの原因となるアポタンパクの生成を抑える効果が非常に高く、

リンゴの擦り汁を直接脇に当てるだけでも

リンゴエキスがアポクリン汗腺に染み込んでいき

アポタンパクを直接分解するような特殊な作用を持っています。

 

これら抗酸化物質を含む食品、食材をバランスよく多く摂取することが

加齢臭を抑えるコツといえます。

 

これらの食材はメタボにも効果的です。

結局、メタボを予防するような健康的な食生活を続けていれば、

自然と加齢臭をも抑えられるということですね。

ヒトの汗はアポクリン汗腺とエクリン汗腺の2種類の汗腺から分泌されます。

アポクリン汗腺は脇や陰部など局所に分布しており、

そこから分泌される汗には脂肪や尿素、アンモニアなどが多く含まれています。

 

一方、エクリン汗腺は全身に分布しています。

エクリン汗腺から分泌される汗はほとんどが99%水分の無色無臭です。

エクリン汗腺からの汗は全身で一日に約1.5リットルほど分泌され、

それは体内の熱を放出する役目があります。

 

アポクリン汗腺から分泌される汗と違い、

エクリン汗腺からの汗には脂肪成分やアンモニアはほとんど含まれていません。

 

ところがストレスや緊張がかかるとエクリン汗腺からの汗も、

脂肪やアンモニアを含むようになり、

においやべたつきが出てきます。

 

ストレスや緊張のために

エクリン汗腺からも汗臭さの原因物質が分泌されるのは避けたいところですね。

 

エクリン汗腺からの汗を臭わないサラサラの汗に保つためには

普段から気持ちのよい汗をかくようにしておくことが必要です。

 

そう考えると、たとえば今流行のホットヨガや岩盤浴は、

汗はかけるしストレスは解消され、

体臭を抑えるのにピッタリです。

 

ホットヨガをして、汗を拭きとって、

服を着替えて、ビタミンたっぷりの野菜を食べて・・・。

 

日常的に汗をかくようにするということは、

健康的な生活をしつつ汗臭さを予防することにつながります。

 

そしてそれは、ひいては仕事や恋愛に良い影響をもたらすことになるのであれば、

人生を良い方向へ、

好循環に持っていける大きな要因のひとつでありますね。

人間の皮膚は常に外界にさらされています。

外界の病原菌は人間の皮膚にどんどんくっついてきます。

しかしなぜそんな状況でも

皮膚には病原菌による病気が起こりにくいのでしょうか。

 

病原菌がくっつきやすい場所には

すでに人間にとって大切な善玉常在菌が皮膚全体にべったりとへばりついていて

ボディースーツのようになっているので、

悪玉病原菌が定着できないのです。

 

さらに常在菌が栄養分を分解して作り出す排泄物は

病原菌にとって住みにくい環境を作ります。

皮膚常在菌は皮膚に出てきた皮脂や汗を食料として取り込みます。

そしてそれを分解した排泄物は脂肪酸など、酸性の化学物質なのです。

一般的に悪玉病原菌は酸性の環境に弱いため棲みつきにくくなります。

 

口の中も同じです。

口の中は体の表面のなかでも最も菌の多い場所の一つです。

病原菌は口の中からなんとか体の中に入り込んでやろうと、

スキを狙ってうごめいています。

でも口の中の常在菌であるミュータンス菌やアクチノマイセスは

歯の周りの歯垢に定着していて、

外から侵入しようとする菌を排除しているのです。

 

最近は新しい歯科クリニックに行くと、

昔とは全く違う最新鋭の機器が揃っていますね。

 

口の中の液をぬぐい、

虫歯の菌というものを顕微鏡で拡大して見せてくれたりします。

大きなモニターに菌がウジャウジャ動いているのが見えて不気味です。

(でもあれは果たして本当に虫歯菌なのでしょうか)

 

最近は虫歯の治療と共によく歯垢取りもしてくれます。

電動ドリルでガリガリ、ゴリゴリとセメントを砕くような音を立てて

歯垢を取ってくれます。

 

何十年と溜まった歯のゴミを削り取ってくれるので

「ああスッキリ」とは思いますが、

実はあの歯垢の中には

口の中を悪玉菌から守ってくれている善玉常在菌がすみ着いているんです。。

 

いいのかな、あんなに歯垢掃除をしちゃって。

 

私は口の中のことは全くわからないので、これもなんとも言えませんが。

私たちは母親の子宮のなかで成長している間は無菌状態なので

胎児の体には常在菌はありません。

しかし産道をくぐりぬけ、この世に出てきた瞬間から

多くの菌に取りつかれてしまいます。

 

生まれて数時間後には腸内には大腸菌が住みはじめ、

そのあとはビフィズス菌が置き換わって増えていきます。

 

これらの体に取りついてくる常在菌は

いくら一卵性双生児であっても、

触れるもの食べるものに付いている菌がそれぞれ違うものですから、

常在菌の集団も菌の分布もほとんど違うものになってしまいます。

 

つまり常在菌の集団(マイクロバイオーム)は

一人ひとりが違う集団を持っており、

それは指紋のように個人を特定できるほどのものなのです。

 

国によっても腸内細菌ははっきりと違いがあります。

腸内細菌を分析するとどこの国の人か正確に当てられる時代になっています。

 

それだけ微妙な腸内細菌ですから、

腸内細菌の分布の崩れによって病気もいろいろ起こります。

糖尿病や腸の炎症性の病気だけでなく、

なんと自閉症も腸内細菌がかかわっていると言われてきているのです。

 

健康なヒトのウンコを体に入れて病気を治そうとする研究も進んでいます。

実際には本当のウンコではなく、

ウンコから取り出した菌を腸内に流し込むというものですが。

もちろん当然ですよね。

 

腸内細菌の集団は、いろいろな菌の多い少ないの分布で構成されています。

病気になるのは、腸内に別の悪玉菌が入り込んでくるからだと思われがちですが、

実は、腸内細菌の数の分布が崩れること、

つまり今ある常在菌の勢力分布が崩れることで起こることがほとんどなのです。

皮膚の病気を持っていない人でも、

数日間頭を洗わないなど、頭皮の清潔を保てない状況になると

すぐに頭皮の痒みやフケが出てきます。

この症状を引き起こす多くが脂漏性皮膚炎です。

 

頭の皮膚には頭髪を作り出す毛包があり、その毛包には大きな皮脂腺があります。

皮脂腺で作られた皮脂は毛包から頭髪の隙間をぬって皮表にあふれ出てきます。

 

この皮脂は頭皮全体を覆うことで角層を保護、保湿してくれます。

 

しかし皮脂分泌が多い部分、つまり脂漏部分は

脂漏性皮膚炎を起こしやすい部位でもあるのです。

頭皮の脂が好きなカビであるマラセチア菌が繁殖し皮膚炎を起こすと

痒みやフケやにおいが酷くなっていきます。

 

そうなると抗真菌剤や炎症を抑えるためのステロイド剤などを塗って

マラセチアを退治するという治療をしなければなりません。

これを放っておくと、頭皮の炎症が悪化し頭髪は細く短くなり、

最後は抜け毛が進んでいくのです。

 

頭皮のかゆみやフケを引き起こす脂漏性皮膚炎以外の病気としては、

尋常性乾癬や接触皮膚炎があります。

さらに接触皮膚炎には

一次刺激性接触皮膚炎とアレルギー性接触皮膚炎があります。

 

一次刺激性接触皮膚炎は

シャンプーやコンディショナーなどに含まれる界面活性剤や保湿剤などの化学物質が

直接皮膚に刺激を与えることで起こります。

 

アレルギー性接触皮膚炎は個人的に合わない化学物質が

そのヒトの皮膚に触れて起こる皮膚炎です。

白髪染め剤にはアレルギーを起こしやすい物質が

いろいろ含まれていることがありますので注意しましょう。

 

接触皮膚炎などで症状が出る場合は、まず低刺激性のシャンプーを使いましょう。

さらに、シャンプーの原液を直接頭にかけるのではなく、

適量の水で少し薄めて泡立ててから頭髪につけるようにしましょう。

シャンプーが終われば十分にすすぎしっかりと乾燥させましょう。

シャンプーの際の強いブラッシングや爪を立てて洗うことは

頭皮を傷つけることになるので十分注意しましょう。

わきがは遺伝だけじゃない

 

わきがやデリケートゾーンの臭いがきつい人は、

親からの遺伝によるのは事実ですが、

親からその体質を引き継いでしまったら、

もう何をやってもムダ、というわけではありません。

 

同じ遺伝体質を持っていても、

体臭の程度がきつい人もいれば弱い人もいます。

 

それはなぜでしょう。

 

それはおそらく、その人の後天的な要素、

つまり食生活や生活習慣の違いが

関係しているんだと思います。

 

ここでは体臭に影響を与える食生活について

考えてみましょう。

 

 

体臭に影響を与える食生活

 

脇やデリケートゾーンにはアポクリン腺が多く存在します。

アポクリン腺から出る汗には、

もともと、タンパク質、糖質、脂肪、

アンモニア、尿素、ピルビン酸など、体臭の素になる成分が

多く含まれています。

 

近年、日本人は食生活が欧米化してきたことで、

肉類や乳製品などの摂取量が増えました。

つまりタンパク質も脂肪も

動物性のものを多く摂るようになったのです

 

動物性脂肪には体臭の原因となる

飽和脂肪酸が多く含まれています。

 

スイーツや果物など糖分の高い食べ物は

血中の中性脂肪を増やし皮脂の分泌を過剰にします。

これらは体臭の素になる成分を増やすのです。

 

その他、油物、香辛料の多い食べ物(カレー、キムチ等)、

ニンニク、ニラ、ネギ類、たまねぎ、

タバコ、ビール等々・・

これらも体臭を増強させるので、

摂りすぎには注意しましょう。


 

体臭を抑える食材

 

一方、魚、豆類、オリーブオイルには

植物性脂肪、不飽和脂肪酸、善玉コレステロールが

多く含まれています。

 

これらの食べ物は体臭の素になる成分を減少させたり、

汗の酸化を抑えることで体臭を弱めてくれます。

 

体臭を抑えるのに効果的な食べ物としては、

緑黄色野菜、海藻類、魚中心の食事

梅干し、しょうが、みそ、

お酢、リンゴなどがあります。

 

緑黄色野菜に含まれるビタミンA、ビタミンEは

過酸化脂質の発生を抑制します。

 

リンゴは体臭を悪化させるアポタンパクの産生を抑えます。

 

大豆(納豆)に含まれるイソフラボンは

制汗作用や酸化抑制作用があります。

 

お酢の成分のクエン酸は強い殺菌作用があります。

 

コップ一杯のお酢をお風呂にいれておくと、

入浴中にクエン酸が吸収されて

アンモニアの発生を抑えてくれます。

 

その他、酸化を抑制する食品としては

以下のようなものがあります。

 

ビタミンC・・ブロッコリー、ほうれん草、トマト、いちご、柿

 

ビタミンE・・かぼちゃ、ナッツ、ブルーベリー、鮭、さんま

 

カロチン・・・にんじん、マンゴー、海苔、わかめ


 

結局、和食が一番だということ

 

つまり、これらの食材を使うということは和食ですね。

和食中心の食生活にすれば体臭は軽減していくでしょう。

和食は究極の消臭剤とも言われています。

 

しかし、だからと言って、

臭いの原因となりそうな食材を

すべて完全に排除しようというわけではありません。

 

どんな食材も食べ過ぎないようにすることが大切なのです。

いろいろな食材をバランス良く摂ることこそが、

体臭だけでなく、

健康にとっても良いってことなんですね。

 



 

アポクリン腺は女性のほうが多い
 

体の嫌な臭いといえば男性に関する話題が多いようですが、
実はワキガは男性よりも女性に多いのです。

ワキガの臭いは
アポクリン腺で作られる汗の中に含まれる無臭の物質が、
皮膚常在菌によって臭い成分に作り替えられることで生じます。

女性は皮下脂肪がつきやすいのですが、
この皮下脂肪はアポクリン腺を活性化してしまいます。

さらに女性ホルモンもアポクリン腺を活発にします。
そのため男性にくらべてアポクリン腺からの汗も多く、
ワキガが生じやすいのです。

アポクリン腺の比率が高い部分を多く持っているため、
アポクリン腺に関する悩みは、
実は解剖学的に言っても女性のほうが多いのです。

ワキガもデリケートゾーンの臭いもアポクリン腺に関係しますから、
ワキガが強い人はデリケートゾーンの臭いも
きつくなる傾向にあるのでしょうね。
具体的な研究報告がないので確定的なことはいえませんが・・・

 

一人で悩まないで
 

女性にとってワキガやデリケートゾーンの臭いは、
とてもつらいものですね。


この臭いはワキガかしら?
デリケートゾーンの臭いは他人よりきついのかしら?

誰とも比較できず、
一人で悩んで、どんどん自信をなくしていく方がおられます。

最初にも書いたとおり、
体臭で悩むのは、体質的に言っても、
女性の方が多いのです。
にもかかわらず、
臭いで悩む自分は少数派の特別な体質で恥ずかしい、と、
自らを追い詰めてしまったりするんですね。

女性が、間違った概念が原因でコンプレックスを持ってしまうことを
何とかしたい。
私は皮膚科の女医として、
そんな女性の味方にならなければ、と考えるようになりました。


まんしゅうがきつい?

みなさんは、最近話題の女流漫画家「まんしゅうきつこ」を
ご存じですか?
美人でどこか妖艶なのですが、
そんなことも吹っ飛ぶくらいペンネームが強烈ですね。

しかもそのペンネームを改名したいと提案するネタを使って、
一気にマスコミに取り上げられました。

こんな言葉は、普段の会話で出そうものなら、
究極の下ネタ、セクハラ事件になりかねないのですが、
そこを彼女の計算しつくした遊び心がカバーすることで、
売名行為を臭わせる「あざとさ」ではなく、
イヤらしさのない洒落っ気になっているように思えます。

体臭に悩んでいる女性を救いたいと考えていた私としては、
そんな言葉を白日の下にさらしてくれた彼女に
拍手喝采を送りたいですね。

いままでずっと裏街道に追いやられていた
女性の「まんしゅう」が「きつい」という症状を、
女性自らがあえて表に出して、
笑い飛ばしちゃおうよ、という
あっけらかんな環境を作ってくれて感謝です。

さすがに「まんしゅう」が「きつい」という直接的な言葉は、
日常で使うにはまだまだ抵抗感があるとしても、
「すそわきが」や「デリケートゾーンの臭い」という言葉に
市民権が与えられれば、
体臭に悩む女性たちにとって救いになる可能性も
期待できるような気がします。

 

 

 
おいしいお酒はマイクロバイオームのおかげ
 
皮膚には約1000種類、1兆個の常在菌が
棲みついています。
このブログではこれまでに何度も言ってきましたが、
皮膚を覆い尽くしたこれらの菌はひとまとめにして、
マイクロバイオーム(菌の集合体)と呼ばれています。

人間の皮膚は全部を伸ばして広げると、
タタミ2畳分もの広さになります。
タタミ2畳の上に1000種類、1兆個の菌がベッタリと
こびりついていると想像して下さい。
あまり気持ちのいいものではありませんが、
これは現実ですからあきらめてください。
このマイクロバイオームが人の皮膚を、
そして人の命を守っているのですから、
毛嫌いするわけにもいきません。



あまり親しくないけど離れられない隣人
 

あまり親しくないけど会えば挨拶くらいはする、
そんな古くからの隣人程度には
お付き合いは続けていきましょう。

マイクロバイオームは皮膚の上でも、腕、足、脇、陰部など、
棲んでいる場所によって菌の種類や数が異なります。

同じ場所でも一人一人で菌の種類や数が異なります。
若い人、中年の人、老年の人もそれぞれ異なります。

マイクロバイオームが皮膚を守る(0011)でも、お話ししましたが、
マイクロバイオームは指紋と同じくらい個人個人が異なります。


杜氏の皮膚常在菌に感謝
 

日本では、日本酒などの酒造りは古来から、
杜氏(とうじ)が麹(こうじ)を素手で混ぜて作っています。
杜氏はそれぞれの酒蔵の味を守っている重要な職人です。

酒蔵の味がそれぞれに違うというのは、
杜氏の手に生息している
マイクロバイオームの違いから来るのです。

漬け物のぬか味噌も味が家ごとに違うと言われています。
おそらくぬか味噌を混ぜる人の常在菌が異なるため、
発酵の仕方もそれぞれ違うからなのでしょう。

このように皮膚のマイクロバイオームは、
人間の生活にも様々な形で強く関わっているんだということを、
再度、認識して、
必要以上に痛めつけない、傷つけないよう、
気配りをしてあげてもらいたいですね。

 

 

 

 

 
 

アルカリ性の石鹸で洗うとお肌がつっぱる

 

健康なお肌の表面は皮膚常在菌の中の善玉菌である
表皮ブドウ球菌に被われています。

 

表皮ブ菌ちゃんは皮脂や皮膚のカスを食べては

弱酸性の脂肪酸を産生しています。

 

作られた脂肪酸は皮脂となって
お肌の表面を被ってくれるので、
お肌はほどよい潤いが保たれるのです。

 

昔ながらの固形石鹸はアルカリ性です。

お肌の表面は弱酸性ですから、

 

アルカリ性の石鹸で洗うと、
お肌の表面が一次的にアルカリ性に傾きます。

 

石鹸で洗うとお肌がつっぱる感じがするというのは、

アルカリ性に傾いたためです。

 

そのアルカリによるつっぱり感が

お肌に良くないというイメージがあり、

お店には弱酸性のボディソープも多く出回っています。

これらはつっぱり感が無くお肌に優しいと宣伝しています。

 

 

お肌に優しい? 弱酸性ソープ

 

お肌を洗うというのは

皮膚の汚れを落とすことが目的なのですが、

実は弱酸性のソープは

アルカリ性よりも汚れを落とす力が弱いのです。

 

そこでボディソープには、
洗浄力の弱さを補うために
合成界面活性剤が配合されています。

 

すると今度は皮脂を取りすぎてしまって、
お肌がカサカサになってしまうので、
それを補うために
保湿成分を配合しなければならないのです。

 

つまりボディソープは弱酸性を売りにするために、

かえって合成界面活性剤や保湿成分など

合成化学物質を配合しなければならなくなったのです。

 

 

石鹸と呼べるのはアルカリ性の洗剤だけ

 

ここまで私は、弱酸性の体の洗剤のことを

ボディソープと呼んできました。

 

なぜなら「石鹸」と呼べるものは

アルカリ性のものだけだからです。

 

「鹸」はアルカリを表しており、
「石鹸」とは固いアルカリという意味です。

厳密にいうと、

弱酸性の洗剤は「石鹸」とは呼べないのです。

 

人間は紀元前にすでにアルカリ性の石鹸を使用しており、
つい最近まで、何不自由なく石鹸で体を洗っていました。

 

私の父の世代なら若い頃はみんな、

体を洗うのに、

頭の先(洗髪)から足の先まで、

固形石鹸一つで事足りていました。

 

ところが1970年代に入ると、
お肌に優しい弱酸性のボディソープが
市場を席巻(セッケン、ダジャレです)したのです。

 

果たして弱酸性のボディソープは

本当にお肌に良いのでしょうか。

 

 

アルカリ石鹸で洗うとお肌が頑張る

 

アルカリ性の石鹸を使うと

お肌の表面はアルカリ性になり、

確かにつっぱる感じが気になります。

 

しかし一時的にアルカリ性になっても、
お肌の常在菌が頑張ってすぐに弱酸性に戻すのです。

 

この復元力こそが皮膚の健康の指標です。

 

弱酸性の洗剤ばかりを使っていると

お肌の復元力がどんどん弱っていき、

結局、衰えが進んでしまいます。

特に女性にとっては洗顔は大切です。

 

化粧品などで汚れた顔の表面を
いかに効果的にきれいに洗い流せるか、
化粧水、美容液をいかに効果的に

 

お肌に浸透させられるか、
お肌の自然な潤いをいかに保つことができるか。

 

そこに視点を置いて考えると、

表面的にお肌に優しいと言われている

弱酸性のボディソープが、
本当に良いものなのか、

十分に考える必要があります。

 

弱酸性のボディーソープとアルカリ性の石鹸。

両者の長所と短所をしっかり見極めて、

うまく使い分けるように心がけてください。

 
 

お茶の葉っぱを煎ってみましょう

 

私の母親は昔から家の消臭に

お茶の葉を使っていました。

安いお茶の葉をフライパンに入れて、

火をかけて煎るのです。

 

葉っぱが熱せられて焦げてくると煙が出るので、

そのフライパンを持って家の中を歩き回ります。

部屋の中が焦げたお茶の葉の煙で一瞬曇りますが、

お茶の良い香りが拡がります。

 

家で魚を焼いたり、煮物を作ったりした後の、
料理のきつい臭いが部屋に充満しているときなどは、
この方法で部屋一杯にお茶の香りを広げると、
確かに嫌な臭いがスッとなくなるんです。

 

その母親の習慣は、昔からのことなので、

ずっと特に意識もしていなかったのですが、

先日、ふと眼に止まったある記事を見て、

なるほど、と納得しました。

 

ニンニク臭にも効果バツグン

 

ニンニクを食べた後の口臭を消す方法として、

緑茶が最も効果があって、

しかも即効性があるというものでした。

 

ニンニクの臭いの元、アリシンを
茶カテキンが中和するというのです。

 

そしてその記事には、

高濃度茶カテキンが含まれるヘルシア緑茶や、

エーザイの医薬品 

サクロフィール(葉緑素成分配合)なども

紹介されていました。

 

お茶パワーは体臭も抑えてくれる

 

そういえば、私の父親は八十近いですが、

これまで加齢臭など嫌な臭いを

感じたことがありません。

 

うちの家は昔から、

母親が三度三度の食事の時に、

かならず緑茶を出していました。

 

そうか、そうなのか

 

ニンニク臭に限らず、

嫌な体臭の原因となる物質はカテキンや葉緑素で

中和か分解されるんですかね。

 

お茶を煎った煙の消臭効果も含めて、
お茶が体臭やお部屋の臭い問題を
すべて引き受けてくれるなら、
合成化学物質に頼らなくてもいいですし、
体にも環境にも良いことずくめです。

 

皆さんも是非お勧めです。

お茶のパワーをお試し下さいね。