東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

日本数学オリンピックの簡単な問題(65)

2016-10-24 12:00:11 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

予報通りシベリア高気圧が日本列島を覆い、全国的に秋晴れになりました。この高気圧は直ぐに東へ移動してしまいますが、また新たに北西から高気圧がやってきて、しばらくの間、大きな崩れはないようです。

さて、今回は2001年日本数学オリンピック予選に出題された整数問題を取り上げます。

問題は、
「2001をある正の整数nで割ったところ、余りは114になった。このようなnのうち、最小のものを求めよ。ただし、n>114である。」
です。

まず、問題文の内容を立式しましょう。

2001をnで割ったときの商をQとすると、
2001÷n=Q・・・114
で、これから、
nQ+114=2001
nQ=1887
が成り立ち、これはnが1887の約数であることを意味しています。

そこで、1887を素因数分解すると、
1887=3×17×37
から、1887の約数は、
1,3,17,37,51,111,629,1887
です。

ここで、n>114から、条件をみたすnで最小値のものは629で、これが答えです。

以上のように、簡単に答えが見つかるのですが、1887の素因数分解が難しいかもしれません。

1887の各位の数の和は、1+8+8+7=24で、これは3の倍数ですから、1887は3で割り切れ、その商は629になります。

もし、629の素因数分解が見つけられずに答えを629と書いても正解になるのですが、ここでは、少し629の約数探しを調べてみましょう。

629は、2、3、5の倍数でないので、2,4,6,8,・・・、3,6,9,12,・・・、5,10,15,20,・・・の倍数ではありません。

つまり、629の約数の候補は、7,11,13,17,19,・・・になります。

あとは、629÷7=89・・・6、629÷11=57・・・2、629÷13=48・・・5、629÷17=37、のように、割り算を繰り返せば、17が約数であることが判ります。(もちろん、倍数の判定法を使ってもOKです)

ところが、なかなか割り切れない場合、いつまで割り算を繰り返せばいいのかが気になるところです。

そんなときには、
「合成数nは1より大きく√nを超えない約数をもつ」
または
「正の整数nが√nを越えない最大の整数以下のすべての素数で割り切れなければ、nは素数」
を使うとよいでしょう。

実際に、「合成数nは1より大きく√nを超えない約数をもつ」を629に適用してみましょう。

まず、
25^2=625<629<676=26^2
から
25<√629<26
なので、629が合成数であれば、25以下の約数をもつことになります。

ここで、629は、2、3、5の倍数でないので、それらを除いた25以下の整数は、7,11,13,17,19,23の6個になり、これらの数で629を割り算すれば、629が合成数か素数かが判ります。


合成数、素数の調べ方は頭に入れておくとよいかもしれません。

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