東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

中学生でも解ける東大大学院入試問題(206)

2018-04-21 11:36:00 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、平成30年度東大大学院新領域創成科学研究科環境学研究系海洋技術環境学の入試問題です。

問題は、
「O、A、B、Cを頂点とする4面体の3つの線分OA、OB、OCが互いに直交し、それぞれの長さがa、b、cであるとき、頂点Oから平面ABCへ下ろした垂線の長さを求めよ。」
です。

点(x1,y1,z1)から平面ax+by+cz+d=0へ下ろした垂線の長さが、

になることを知っていれば簡単です。

図1のように、空間座標に4面体OABCをおくと、平面ABCは、

で、これを整理すると、

になります。


▲図1.空間座標に4面体OABCをおきました

原点Oから平面ABCに下ろした垂線の長さは、

で、これが答えです。

点から平面に下ろした垂線の長さの関係を利用しなくても次のように解くことができます。

4面体OABCで、底面を△OABと考えると、∠AOB=90°なので、その面積S(OAB)は、
S(OAB)=ab/2
です。

このとき、∠AOC=∠BOC=90°から高さはcになり、4面体OABCの体積V(OABC)は、
V(OABC)=ab/2×c×1/3=abc/6       (★)
になります。

次に、△ABCを底面として4面体OABCの体積を表します。

図2に示すように、AB、BC、CAの長さは、三平方の定理から、

です。


▲図2.△ABCを底面として4面体OABCの体積を表します

そこで図3のように、AからBCに下ろした垂線の足をD、BD=x、AD=yとすると、三平方の定理から

が成り立ち、これらから

です。


▲図3.△ABCに注目します

したがって、△ABCの面積S(ABC)は、

になります。

ここで、Oから平面ABCに下ろした垂線の足をH、OHの長さをhとすると、4面体OABCの体積V(OABC)は、

で、これは(★)と等しいので、

が成り立ちます。

これをhについて解くと、

になり、前の答えと同じになりました。


簡単な問題です。

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
証明 と 命名 (★)
2018-10-27 15:03:17
Names and natures do often agree「名は体を表す」べき だが...;

https://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/020/691/47/N000/000/007/154058577631663142178.gif

https://www.su-gaku.net/common/pdf/ryoukin_kaitei201809.pdf
https://www.su-gaku.net/common/pdf/association/2018_yosan.pdf
下衆の勘繰りと云われそうだが 儲かるなぁ--------

R^k (k∈{2,3,4,5) に 於ける 超平面 H を定義する;
●原点O KARA H に 下した 垂線の長さを h とする●

x[1]/a[1] + x[2]/a[2] = 1

x[1]/a[1] + x[2]/a[2] + x[3]/a[3] = 1

x[1]/a[1] + x[2]/a[2] + x[3]/a[3] + x[4]/a[4] = 1

↓ を 証明し 獲た 定理を 命名願います;

x[1]/a[1] + x[2]/a[2] + x[3]/a[3] + x[4]/a[4] + x[5]/a[5] = 1

■1/h^2=1/a[1]^2 + 1/a[2]^2 + 1/a[3]^2 + 1/a[4]^2 + 1/a[5]^2■
証明;

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