日馬富士の暴行問題は、ここに来て大きく流れが変化して来た。

被害者である貴ノ岩が提出した二枚の診断書。

一枚は日本相撲協会に、もう一枚は鳥取県警察本部に提出したが、二枚の診断書の内容に違いが見られるというのである。

協会に提出した診断書には「頭蓋底骨折、髄液漏れの疑い」と記されていたが、警察に提出した診断書にはその部分が削除されていたのだ。

診断書を書いた医師によれば、あくまでも「疑い」の範囲内で記載したらしく、ケガが絶えない力士の診察においては何処までが古傷で何処までが新しいものであるか判然としない部分もあるという。

ただ、当該医師によれば、いずれにしても今回のケガは重傷のレベルではなく、重傷であるかのように報道されて来た事に当惑しているそうだ。

また、白鵬や日馬富士当人の発言からもビール瓶で殴ったという話はどうやら事実でない可能性が出てきた。

また、日馬富士と貴ノ岩の間では事件の翌日の朝稽古の場で既に仲直りしていたという話も白鵬らが語っている。

だとすれば、当事者の間では手打ちになっていた話が、いずれかの時点で蒸し返され、事件そのものが重傷化していったと考えるのが自然であるような気がする。

その背後にあるのは貴ノ岩の師匠である貴乃花親方の思惑という話が実しやかに語られてはいるが、真相は明らかになっていない。

いずれある程度の結論は、日本相撲協会危機管理委員会と鳥取県警によって出される事になるが、そもそも貴ノ岩が思いのほか軽傷であったという話になれば、診断書を大袈裟に書かせた理由や、大したケガでもないのに休場させた理由等により、貴ノ岩本人はもとより貴乃花親方の責任も追及され、形勢が一気に逆転する可能性が出てきた。

今後の展開を固唾を飲んで見守っていきたい。

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