共通テスト化学最後の総仕上げ!ややこしい「色」を覚え方を徹底解説

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夏休みが終わったら、いよいよ本格的な二次試験対策に移ります。共通テスト化学はもうばっちりですか?次の共通テスト模試では満点を取れるでしょうか?

「え?満点?8割はいけるけど・・・」

このように思った方は注意が必要です。(中堅レベル以上の大学で)理系学部を志望するのであれば、共通テスト化学は「満点」が基本です。共通テスト化学で満点をとれなければ、まだ仕上がっているとは言えません。

この時期になっても、共通テスト化学が仕上がっていない方は少し焦った方が良いでしょう。

「二次試験対策はそのまま共通テスト試験対策にもなる!」

よく言われる言葉ですね。

しかし、少し待って下さい。本当にそう言えるのでしょうか?

確かに、酸化還元や濃度の計算などは二次試験の方がハイレベルな問題が出ますので、共通テスト対策にも繋がるでしょう。

しかし、「色」や「物質の性質」などの「暗記分野」は共通テストの方が事細かに訊いてきますので、特別に対策する必要があります。逆に「暗記分野」では共通テスト対策が二次試験対策に繋がることもあります。

「暗記分野は覚えればいいだけだから・・・」

このように暗記物を侮っていませんか?実は暗記物も計算問題と同様に、反復学習が必要なのです。たとえ知識が頭に入っていても、その記憶を引き出すのに一手間置くようでは、とても本番では通用しません。もちろん、共通テストもそこを突いてきます。

共通テスト試験は曖昧な記憶ではケアレスミスをするように出来ています。基礎問題だけで受験生の差を付けさせるにはそこしかありません。

しかし、しっかりと知識が定着していれば、いわゆる「引っ掛け問題」も恐れるに足りません。それどころか「引っ掛け要素」が問題の急所となり、確実に正解を導くことができます。共通テスト化学で満点を取る為には暗記分野も繰り返し丁寧に学習していく必要があります。

さて、今回の記事では共通テスト化学の暗記分野でもややこしい部分とされる「色」についてのお話をしていきます。

1. 馬鹿にできない共通テスト化学の「色」

共通テスト化学の暗記分野の中で、特に「色」に関しては、なかなか頭に入らない人も多いのではないでしょうか。炎色効果、イオンの色など、その都度しっかりと頭に入れているはずなのに、肝心な時に忘れてしまう経験をした人も多いと思います。

内容が単純故に、一時的にはすぐに頭に入っても、なかなか定着しないところが悩みどころです。

1.1. 共通テスト化学で出てくる色をあらかじめ把握しておく

イオンや沈殿物の色を覚える前に、共通テスト化学で出て来る色をあらかじめ把握しておきましょう。
共通テスト化学で出てくる 色は以下のようなものです。

紫色、赤色、赤紫色、紅色、褐色、赤褐色、黄褐色、橙色、黄色、黄緑色、淡黄色、青色、淡青色、緑白色、緑青色、緑色、赤褐色、黄褐色、黒紫色、黒色、灰黒色、白、無色・・・

赤や黄などはすぐに色のイメージがつきますが、黄褐色や淡黄色などの色を具体的にイメージできるでしょうか。

化学の問題集などに書かれていた色を具体的にイメージできないのであれば、すぐにインターネットなどで調べて色を把握する必要があります。共通テスト化学に出て来る色を、文字ではなくイメージで覚えるようにすると、各段に色を覚えやすくなります。

また、無色は「無色」という色として頭に入れておきましょう。無色だから覚えなくて良いというわけではありません。無色の物質を有色だと記述している選択肢も当然出て来ます。そのようなとき、「水酸化ナトリウム水溶液は何色だっけ?」というのが本番で必ず起こります。

1.2. 語呂合わせを駆使する

最終的には掛け算九九のように、物質名を聞いた瞬間反射的に色が出て来るようにならなければなりません。しかし、覚える段階では語呂合わせは非常に有効な暗記法です。
色に関わらず共通テスト試験の暗記分野の語呂合わせはインターネット上に沢山紹介されていますので、有効に活用しましょう。

ここでは語呂合わせを一部紹介します。

炎色反応

リアカー 無き           K村。    動力     借ろうと       するもくれない   馬力

Li(赤)  Na(黄)    K(紫)  Cu(緑) Ca(橙)    Sr(紅)           Ba(緑)

ハロゲン

短気な               君は            真っ赤で           即死

フッ素(淡黄食) 塩素(黄緑) 臭素(赤褐色)   ヨウ素(黒紫)

2.「色」の知識を定着させる方法

炎色効果やイオンの色などを覚えるのはほとんど苦労しません。語呂合わせもありますので、一時的にはすぐに頭に入ります。しかし、簡単に頭に入る故になかなか定着しないものです。何度覚えてもすぐに頭から抜けてしまいます。

共通テスト試験では定着していない知識はまず使えないと考えた方が良いです(定着していない知識で挑むとミスをするように作られている)。

語呂合わせも覚えるメソッドとしては非常に有効ですが、「酸化銅(Ⅰ)は赤褐色、酸化銅(Ⅱ)は黒、銅イオン(Ⅱ)は青」と掛け算九九のように反射的に言えるようにならなければなりません。

共通テスト試験でよくあるひっかけが「酸化銅(Ⅱ)が青色」です。

酸化銅(Ⅱ)を銅(Ⅱ)イオンや緑青と混同している人がこの手の問題にひっかかります。

繰り返しますが、共通テスト試験にあるひっかけは知識をしっかりと定着させていれば、むしろそのひっかけがその問題の「急所」となり、確実に正解を導くことができます。

それでは、以下に「色」を定着させる勉強法を紹介していきます。

2.1. 36色色鉛筆を使う

ノートをとるとき、何色の色を使っていますか?恐らく多くても、4色(黒、赤、青、緑)だと思います。しかし、化学のノートをとるときは、36色使いましょう。36色色鉛筆を駆使して、水溶液や沈殿物の名前や図に色を付けてください。

また、参考書を読む時や共通テスト模試の解答解説を読むときも、色がうろ覚えだった物質名や化学式に色を付けるのも良いでしょう。

例えば、イオン化傾向の箇所ではキャプチャ

このように色付けをします。アンダーラインを引くよりこちらの方が頭に入ります。
鉄(Ⅱ)イオンは淡緑色、水酸化鉄(Ⅱ)は緑白色と文面上ではややこしいところもこのようにまとめるとすぐに頭に入ります。

2.2. 物質毎に色を整理する

炎色反応、イオン、沈殿物・・・など、化学では様々な場面で色が出てきます。

炎色反応

リチウム(赤)、ナトリウム(黄)、カリウム(紫)、銅(緑青)、カルシウム(橙)ストロンチウム(紅)、Ba(黄緑)

イオン

銅(Ⅱ)イオン(青)、鉄(Ⅱ)イオン(淡緑)、鉄(Ⅲ)イオン(黄)・・・・・

沈殿物

塩化銀(白)、塩化鉛(白)、水酸化鉄(Ⅱ)(緑白)、水酸化鉄(Ⅲ)(赤褐色)・・・・

今までは、このように各項目でそれぞれ覚えてきたと思います。しかし、「物質」に目を向けて覚えたことはあったでしょうか。実は化学の色の覚えにくさは、同じ物質でも色が違う点にあります。

例えば

「鉄(Ⅱ)イオンに強塩基を加えると淡緑色の沈殿ができる」

解答:× 緑白色の沈殿が出来る

この問題が出たとき、鉄イオン(Ⅱ)の淡緑色と水酸化鉄(Ⅱ)の緑白色のどちらかが分からなくなるのです。また、鉄の場合、三価のイオンもありますので、ますますややこしくなります。

そのため、いままで各項目で「横」に覚えてきた物質の色を、今度は物質に着目し、「縦」に覚える必要があります。
一度整理してみますと、頭の中がすっきりとするでしょう。

例えば「鉄」に着目した場合、次のようにまとめます。

「鉄」

酸化鉄(Ⅱ)      黒

鉄イオン(Ⅱ)   淡緑

水酸化鉄(Ⅱ)   緑白

硫化鉄(Ⅱ)      灰黒 淡褐色

酸化鉄(Ⅲ)      黒(結晶) 赤褐(粉末)

鉄イオン(Ⅲ)   黄

硫化鉄(Ⅲ)      黒

二硫化鉄              黄金

以上のように物質毎にまとめると今まで曖昧でもやもやしていた知識がすっきり整理されるでしょう。

2.3. 写真で確認する

化学で出て来る色を具体的にイメージできると、「色」の定着度が格段に上がることを前項で述べました。そして、実物を写真などで確認すると、そこからさらに定着度が上がります。

一見手間のように見えますが、なかなか定着せずに何度も覚え直すことを考えると、こちらの方がより効率的です。写真での確認はインターネットを使うと便利です。

「酸化鉄(Ⅲ) 赤褐色」と検索すれば、すぐに写真が出てきます。簡単に確認できますので、面倒くさがらずにしっかりと調べましょう。36色色鉛筆を使ったノートでも同じことが言えますが、「ビジュアル」による記憶は共通テスト本番の緊迫した状況できっとあなたの力になってくれるでしょう。

2.4. 色の認識を細かくする

淡緑色と緑白色はまったく違う色です。しかし、この2つを一括りに「緑」と捉えていては、本番はこの2つの色の違いで涙を飲むことになるでしょう。私たちは色の認識を「赤」「緑」「青」など大方漢字一文字で表される色で分けてしまいがちですが、受験生の間は色の認識をより細かく分けましょう。

「淡緑色は『淡緑色』であり、『緑』でも『黄緑』でもない」といった感じに一つひとつ丁寧に覚えていきましょう。

3. 勉強時間を確保する方法

二学期になりますと、二次試験対策に力を入れなくてはなりません。

しかし、基礎知識の復習は本番直前まで繰り返し行わなければならないので、基礎知識の確認に割く時間の確保が重要になります。以下に賢い時間の使い方に関してお話をします。

3.1. 立っているとき・歩いているとき

シャワーを浴びているとき、通学中、歯磨きをしているときなど、立っているとき・歩いているときの時間を有効に活用しましょう。イオンの色などの確認は頭の中でもできます。

逆に言えば、立っているとき・歩いているときに、他に何かできることと言えばそれくらいしかありません。立っているとき・歩いているときにも、勉強時間を確保すると、勉強時間が想像以上に多く稼げます。

3.2. 勉強前のウォーミングアップに

勉強は、やり始めるまでが一番大変だと思う人も多いと思います。一度集中できれば、その後は3時間でも4時間でも勉強ができるのに、勉強をやり始めるまでに4時間以上かかってしまう人も多いのではないでしょうか。

いきなり難しい計算問題から始めるのはハードルが高過ぎますので、まずは「色の確認」といった簡単な作業から勉強をやり始めると良いでしょう。

3.3. 二次試験対策の勉強中に

物質名が出たらその都度色をイメージしながら問題を解いていきます。問題文の中に、例えば塩化銀が出てきたとき、すぐに白色が頭に浮かぶような癖をつけます。一見大変そうに見えますが、慣れてしまえば、案外簡単にできます。

やがて特に意識しなくても物質名を見た瞬間その色が頭に浮かぶようになってきます。

4. まとめ

共通テストの暗記分野で一番危険なのが、「覚えた気になっている」ことです。確認したその瞬間は「覚えている」と思っても、実際に問題が出たら「解けない」ということがザラにあります。

そしてやっかいなのが、一度テストで間違わない限り、「覚えていない」という自覚を持ちにくいところです。

模試の度に自分の盲点に気付くことは重要ですが、本番までそれを繰り返すのは良くありません。「分かっている知識でも、とりあえず繰り返し確認する」というのを本番直前まで続けましょう。基礎知識はそれだけ手間がかかるものなのです。

著者情報

究進塾 編集局

究進塾 編集局
東京・池袋にある究進塾の編集局です。受験指導のプロが大学受験に役立つ情報をお届けしています。 大学受験対策コースはこちらからご覧いただけます。
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