扇子と手拭い

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大変なんですよ、出前寄席は!

2017-01-21 09:18:15 | 落語
 東京・世田谷のデーサービス施設に出前寄席を届けた。落語の友人が長年ボランティアを続けている施設で、あたしを含め3人でおじゃました。

 あたしが開口一番を受け持った。噺の冒頭で、かかあ天下のおカミさんが「チョイト・・チョイト、こっちおいで。おいでったら」とダンナを呼ぶ場面があった。

 そうしたところ、最前列に腰かけていたおばあちゃんが「ハイ」と応えた。これには参った。一瞬次にセリフがよどんで出てこなかった。自分が呼ばれたと思ったらしい。大きく深呼吸をして、気を取り直し、噺を続けた。

 二番手が「親子酒」を高座にかけた。オヤジと息子がそろって大酒飲みの噺。2人そろって断酒を誓う、と話し手が説明すると、中ほどの席に座ったばあちゃんが「断酒するんでった。面白いね」とそばにいる施設の職員に話しかけ大声で笑った。

 それだけならいいのだが、このばあちゃん、高座の一言一言に“感想”を指しはさんだ。こんな光景は慣れているのか、友人は一向に気にすることなく、自分の落語を演じた。

 一席終えたあたしは、このばあちゃんが気になって、そっちばかり見ていた。職員が必死でばあちゃんをなだめている様子だが、ばあちゃんの“感想”は止むことがなかった。

 三番手は「カラオケ病院」を披露した。患者集めの策としてカラオケを導入。やって来た患者が次々、病名を言って替え歌を歌い出す。これには施設にやって来たみなさん、大喜びで、中には手拍子を取る人も現れた。

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