【忌み名の風習】本名使用禁止の村

寄り合いの場で聞いた話。
一人の若者が山で仕事をしている最中、どこからか自分の名を呼ばれた。山で名を呼ばれても返事をするな、というのが村の言い伝えだったが、 とっさに「おーい!」と返事をしてしまった。

その日の夜、山の方から若者の名を呼ぶ声が村中に響き渡った。村の誰もが聞き覚えのない、甲高い男の声。心配した近所の者が若者の家を訪れたが、もぬけの殻だった。以来、若者の消息は杳として知れず、村では、本当の名ではなく「忌み名」を用いる習慣がしばらく続いたという。

メールアドレスが公開されることはありません。