セブンの駐車場でiQOSに火を点けようと手に持ったラテのカップを花壇の縁に、

 

「ばちょん。」

 

まだひと口しか飲んでないラテを引っくり返す。

 

うん。

絶好調だ。

いつもの俺だ。

何事もなかったかの様に拾い上げ、飲む。

半分くらい残ってるしー

 

通り向かいの交番のお巡りさんと目が合う。

（えっとここ数年は何もしていません時効ですだいたい善良な一市民です）

ひっまそうだなぁ。大爆発でも起きないかな？ とか思ってんのかな。

 

 

並木道を少し大きめの真っ白なMA-1、黒のスキニージーンズ、ブーツで歩いて来る。

（あっし、なっがっ）

 

「よ。」

 

おかえり。

 

いつものイタリアン、窓辺の席。

厨房の奥からマスターが「？？？」

（だーかーらー）

 

「魚が全然美味しくないの」

「お肉は大きくて臭いし」

「明日から大阪京都」

「一人でだよ」

北米での暮らし、帰国後の多忙、あちらの親族のご様子、母親様のご近況、等等等等・・

 

（聞いちゃいねえ）

 

窓からの柔らかな陽射しで「きらきら」

前髪を「くるん」とナチュラルメイク。

カラコン入れてる？ て黒目がちな瞳。

ひゅっと顎を上げてしゃべる仕草。

 

 

雰囲気、母親そっくりだなっ

 

 

俺これから怒られんの？

正座した方がいい？