でさ、
俺「キレ易い年寄り」になった気分でさ。
すっごい凹んだ。
そのディレクターと一日仕事以外で口きかないで、帰りも別の新幹線で帰って来た。
いや大人気無いなとは思ったんだけどさ。
「うーん」
「Kenさんの言ってることが正しいかどうかは、あたしはその場に居なかったから判らないけど」
(ですよね〜 だから話するの嫌なんだよ伝わらないでしょ)
「それはそれとして」
(?)
「入社5,6年の社員がベテランの言うことに言い返すって」
「その会社どういう教育してるんだろ?」
「ありえないでしょ」
「ですよね」
「俺達の世界って年長者の言うことって絶対じゃないですか」
「言われたことを先ず考えるべきだし」
「言い返すにしてもその場ってありえないですよね」
はぁ。
ふぅぅん。
ちょっと前にあった現場での不愉快を、別の仕事で西日本某所の割烹で食事中、制作会社の女性副社長さんとディレクターと俺の会話。
その発想は無かったわ。
なるほどね。そういう考え方もあるのか。
俺はただ(こいつ何やってんだ?)と「かっちーんっ」で、
(言わなくてもいいことかな? いやダメだ言おう)で、
「ちょっといいかな?」と。
で、言ってしまった後、ものすっごい嫌な気分になった。
なるほどね。伊達に皆この業界長くないね。
いや結局ね。
その不愉快ディレクターは後日メールで大変丁寧な御礼をくれたんだけど。撮影ヘビィだったからね。
それで「ま、いっか」と。
けどさ、このメールにしたって、直接会って御礼を言われたら「何この慇懃無礼?」てことかも知れない。その逆もあるよね。
だからメールは駄目なんだ。つーんじゃなくって、
なんで一本電話して来ないかね?
「最近の若いやつらは」なんて言うつもりはないよ。そんな立派な大人じゃないし。
メールってさ、電車宣長(どこの大名だよ?)乗りながら飯食いながら『〜ながら』出来るじゃない? それは便利ではあるけれど、そこまで時間を節約しなきゃならないほど忙しいか? わざわざ電話かけるほどの用件でもないか?
ある意味、失礼だと思うんだよなぁ。
歳取ったってことなのかな。
小五月蝿い爺になりつつあるのかな。
一緒に飯食ってたディレクターが言った。
「もうさ、クライアントもデザイナーも俺より若い人が多いんですよ」
「だからさ、どこまで言っていいのか注意していいのか? 考えちゃうんですよね」
「うるさいおっさんと思われたくないし。いや思われなきゃいけない時もあるんだけど」
「向こうがこっちを信頼してリスペクトしてくれてる上ならいいんでしょうけどねぇ・・」
その通りだ。
一緒に仕事をしてる=同格。ではないんだよ。
制作会社=外注より偉い。ではないんだよ。
こっちが下手に出て笑顔でへりくだってるだけで、
よぅ姉ちゃん、いー加減にしろよ。
て思ってんかんな。
今年の桜は「あっ」ちゅう間だったね。
ぱっと咲いてぱっと散る。それは桜の慣用句だけど、それにしても今年は早かった。
狂い咲きなんて見なかったもんな。
墓場でさ「ぎゅっ。ぼわん」と咲いてる桜を見ると「あーやっぱり根元に死体が埋まってると違うのかな」と。
桜ってタンパク質を養分にするんだろか?
我が家の庭に埋まってる猫はまだ恩返しに来ない。