「元イスラエル大使が語る神国日本 神代から大東亜戦争、現代まで貫く「日本精神」とは」エリ・コーヘン

【私の評価】★★★☆☆（79点）

要約と感想レビュー

日本とイスラエルは似ている

居合、空手の達人であるという元イスラエル大使が、「日本とイスラエルは似ている」ということを教えてくれる一冊です。そもそも日本には昔イスラエル人が渡来したのではないか、と思わせる共通点が多いという。

お祭りの掛け声、歌など日本人には意味がわからないものもヘブライ語に似ているというのです。例えば、相撲や祭りの掛け声はヘブライ語に似ており、ヘブライ語で「エッサ」は、「持ち上げろ」あるいは「運べ」という意味で、祭りで神輿を担いでいる時に、「エッサ、エッサ」と言っているという。

さらに、日本もイスラエルも神話を持つ国です。その日本の神話と聖書の神話に共通点があるのです。日本の『古事記』では伊邪那岐（いざなぎ）、伊邪那美（いざなみ）の神が、性的関係を持つことにより、神々や日本の国が生まれました。同様に、聖書のアダムとエヴァも禁断のリンゴの実を食べ、互いが裸であることに気付き、腰巻きを付けるのです。日本には「三種の神器」がありますが、イスラエルにも、聖櫃（アーク）があり、その中には、「十戒の石板」の他に、「マナの壺」、「アロンの杖」が納められているというのです。

日本軍の指揮官は兵士の先頭に立つ・・実は、イスラエル軍の指揮官も、常に軍隊の先頭に立ち、兵士を導くのです（ｐ80）

トランベルドールの遺言

ただ、イスラエルは国家を失ってしまいました。イスラエル建国に貢献したトランベルドールというロシアのユダヤ人がいます。彼は、旅順要塞で日本兵と戦い、降伏して、日本の捕虜収容所に収容されました。彼が日本人から教わったのは、「国のために死ぬほど、名誉なことはない」という言葉です。この言葉は、トランベルドールの遺言となったのです。

外国人に言われて気づくのも恥ずかしいのですが、確かに日本は神の国であり、武士道精神を持っているのだと再認識しました。また、日本はなんとか独立を維持していますが、日本もイスラエルのように国家を失わないよう国土、国体を守っていかなくてはならないのだと感じました。日本は天皇のもとに一体化できるのが日本の強さの源泉なのでしょう。コーヘンさん、良い本をありがとうございました。

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この本で私が共感した名言

・日本人のＤＮＡは、朝鮮半島の人々のＤＮＡとも、シナ大陸の人々のＤＮＡとも、まったく異なることもわかっています・・・日本人は、大陸から朝鮮半島を通って日本に渡来したのではありません（ｐ81）

・1930年代には、二万人にのぼるユダヤ難民が、ナチス・ドイツの迫害を逃れて、極寒のシベリアを経由して満洲の国境に集結していました。着の身着のままで満州に辿り着いたユダヤ難民を救ってくれた英雄こそが、ジェネラル・ヒグチなのです（ｐ223）

・『万葉集』にある大伴家持の次の歌があります。
　　　海ゆかば　水漬く屍
　　　山ゆかば　草生す屍
　　　大君の　辺にこそ死なめ
　　　かへりみはせじ・・・
　武士道の根幹となる精神は、すでに、万葉の時代には形づくられていたということです（ｐ188）

【私の評価】★★★☆☆（79点）

目次

第一章 神の命によって生まれた国
第二章 神話という「民族の叙事詩」
第三章 イスラエルと日本の不思議な絆
第四章 イスラエルと日本を結ぶ「黄金の三角形」
第五章 「武士道」は神話の時代から育まれた
第六章 イスラエルを建国しユダヤ人を救済した「日本道」
第七章 日本もイスラエルも「神の国」だ

著者経歴

エリ - エリヤフ・コ-ヘン（ Eli-Eliyahu Cohen）・・・1949年エルサレム生まれ。1975年ヘブライ大学数学物理学科卒業、1997年ロンドンテームズヴァリー大学にてMBA取得。2004年より2007年まで駐日イスラエル大使を務める。現在は、ECアドバンスド テクノロジーズ マーケティング 代表取締役。特技として、イスラエル松濤館流空手道協会会長(松濤館大島道場五段)、全日本剣道連盟居合道(五段)。

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