スタッフ

演出：三木章雄

キャスト

瀬奈じゅん
彩乃かなみ
桐生園加
羽咲まな
舞城のどか
萌花ゆりあ

ゲスト

春野寿美礼

感想

早くも瀬奈じゅん25周年コンサート、第2回目の感想です。
始めは感想1回目(コチラ)で宣言した通り、コンサート演出を担当した、宝塚歌劇団・三木章雄氏の話題です。
些細な事ですが、まずはパンフレットから。
瀬奈さんに寄せるコメントは、何故か“Sena”呼び。
花組時代のコンサートタイトルに合わせたのでしょうが、これだけでも、そこはかとなく面白いです。
ところが文章の後半、“瀬奈”表記に変わるんですよね。
ゲストは皆愛称、出演者は皆名字と、これまた忙しい。
意図してはいるんでしょうが、ムダに芸が細かい。

さて、演出的にはこれといった飛び道具はなく、時代を追った流れなのですが、事件は「BAD AGAIN」で起こります。
しなやかにダンスを踊る場面。
誘惑光線を送っていたはずの舞城のどかさんが、突如、瀬奈さんを切りつけます。
照明で真っ赤に染められ、ガーンと固まる瀬奈さん。
出た！
飼い犬に手を噛まれた！
まさか退団後のコンサートまで、やってくれるとは。
笑ってしまいます。
私は堪えきれません。
「グブブブ」と、声を発してしまいました。
演出も可笑しいのですが、瀬奈さんの真剣な顔と色気が拍車を掛けちゃうんですよね。
いやあ、楽しかった。

以降は、見所をかいつまんで取り上げます。
真っ先に思いついたのは、瀬奈さんが久々に披露するレディーファーストっぷり。
柔らかい眼差しでエスコートする様は名人芸の域です。
一方、彩乃かなみさんや桐生園加さんがそでに捌ける際にみせる瀬奈さんとのアイコンタクトも、温かい気持ちに誘われますよ。
第二幕の「アパショナード」は圧巻。
瀬奈さんは真っ赤な衣装に身を包み客席から登場し、やがて舞台センターにて、黒い衣装の彩乃さんと激しく歌い踊ります。
もしかすると宝塚時代に実現可能だったのでは・・・と、過ぎ去りし日を憂い少しの間、感傷に浸りました。
女優になってからの、「エニシングゴーズ」や「Take Me to Heaven」など名曲の数々もテンポよく。
「Sister Act」では感情が入り過ぎたのか涙ぐみ、歌に詰まっていたのは、瀬奈さんには珍しいことだったように感じました。
まだまだ書き足りないのですが、この辺にしておきます。

さて、ここでひとつ疑問が湧きました。
なぜ瀬奈さんのコンサートは観客を飽きさせず、ここまで惹きつけるのでしょうか。
休憩アリ、共演者たちがいるとはいえ、大仕掛けもなくメイン1人で2時間超ですよ？
その気になればソウルまで飛べちゃう時間です。
恐るべし、宝塚トップスター。
思うに瀬奈さんの場合は、7変化スターだからではないでしょうか。
時にカッコよく、時に可愛く、時にクール、時にコミカル、時に女、時に男、時に死神。
色々混ぜたのはご愛嬌として、彩り豊かな歌・トーク・ダンス表現力は、ショースターの持つそれです。
クルクルと目まぐるしく変わる瞳の色をみつめながら、ふと、そんなことを考えました。

2日目のゲストは瀬奈さんの上級生、元花組トップスター春野寿美礼さんです。
春野さんは「あかねさす紫の人」を披露した後、「宝塚の申し子！」と瀬奈さんに紹介され、少々苦笑いで応戦。
2人は大笑いしたり涙ぐみながら、至福の時を満喫していましたよ。
瀬奈さんは掛け値無しに春野さんのことが大好きなんだとわかる一幕でもありました。
愛する才能に長けた人は、きっと大きな愛が返ってくることでしょう。


最後に。

パンフレットがとても良いです。
まあ、パンフレットというより写真集に近いですが、ジャズシンガーを彷彿とさせる表紙が素敵。
今までにない瀬奈さんの表情に魅入りました。
オススメはYOKO FUCHIGAMIカットの写真。
メチャクチャ魅力的です。
購入していない人は是非、その目で確かめてください。
欲を言えば、パンフレットの衣装を舞台でも観てみたかったです。
特にYOKO FUCHIGAMI。
・・・これ営業妨害になっていません、よね。

 

Fin