ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

「人体」第4集 免疫を司る腸

2018-01-20 10:40:54 | 自然
楽しみにしていたNHKスペシャル「人体」の第4集が先日放映されました。この日にちょっと所用がありましたので、録画しておき後からゆっくり見ました。

今回は「免疫を司る腸」というテーマでしたが、このシリーズの共通の新しいコンセプトである臓器間のコミュニケーションという点では、あまり新鮮味はなかったような気がします。

それでも腸というと、食べたものを消化吸収し排泄する管のようなものというイメージがありましたが、体全体の免疫機能を司る重要な役割を担っていました。

およそ1億という、脳に次ぐ神経細胞を持つ腸は、人体においても別格の存在で、いわば人体の独立王国といえるほどのようです。その具体的な働きを簡単にすると、腸内細菌と免疫細胞を使って、全身の免疫機構をコントロールすることとなります。

腸には食べ物だけでなく、病原菌やウイルスも入ってきますが、腸内には無数の絨毛と呼ばれる器官があり、その内側に防御部隊である免疫細胞が控えています。これは身体全体の70%の免疫細胞であり、外敵には殺菌物質を出して撃退しています。

こういった免疫細胞が暴走し、自らの仲間である細胞を攻撃してしまうことが分かってきました。これが自己免疫疾患で、番組では海外と日本の患者を取り上げて説明していました。

こうした症状を持つ患者の便を調べてみたところ、特定の種類の腸内細菌の数が少ないことが判明しました。腸内には1000種類の細菌が住み着きその数は100兆以上といわれていますが、その中でクロストリジウムという種類の菌が少なくなっていたのです。

免疫細胞には、仲間の免疫細胞の暴走を抑える役割を持つ細胞が存在することが分かってきました。それがTレグ細胞(制御性T細胞)です。クロストリジウムは、腸内の食物繊維をエサとして増殖し、メッセージ物質(主に酪酸のようです)を放出します。この物質は、腸に集結する免疫細胞に「落ち着いて」というメッセージを伝え、これによってTレグ細胞へと変身するというのです。

重症のアレルギー疾患の患者は、このTレグ細胞を生み出す働きが弱くなっている可能性が考えられるのです。ここから免疫細胞の暴走を抑えるには、食物繊維を摂取することが重要ということになります。

この点で日本食として寺院の精進料理を上げていましたが、昔からの日本食はこの食物繊維が豊富だったようです。それが近年食生活が変化し、食物繊維を取らなくなったことがアレルギー疾患の増加の原因としています。

流れとしては面白いのですが、やや単純化しすぎているような印象を持ちましたが、今回も興味を持ってみることができました。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿