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ノーベル賞 自然系は日本人受賞できず

2017-10-11 10:45:09 | その他
今年度の自然系のノーベル賞の受賞者が発表になりましたが、残念ながら日本人は受賞できませんでした。

医学生理学賞には京都大学の本庶先生らが候補として上がっており、期待していましたが、今年度の受賞にはなりませんでした。やはり日本人が受賞しないとマスコミもほとんど取り上げませんので、発表自体を知るのも遅くなってしまいました。

医学生理学賞の対象の分野は、基礎医学から臨床医学、薬の開発、体の機能に関する生理学など非常に幅広く予想は難しいのですが、ガンや免疫学が対象となった場合は日本人への受賞に期待がかかっていました。

本庶先生は、免疫を抑制するタンパク質PD-1を発見し、この働きを抑えることでガンに免疫系を作用させるという、ガン免疫療法薬オプジーボの開発につながりました。これは免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれる薬の一つで、多くの種類のガンに効果があり、従来の抗ガン剤の弱点を克服する薬と高い評価を得ていますが、高額治療という面でも注目を浴びています。

ただ私としてはこの薬はやや問題があると思っています。免疫抑制のタンパク質PD-1はガンに特異的なものではなく、すべての細胞が持っており、これによって自分の免疫に攻撃されないシステムとなっています。つまりPD-1を抑えてしまうというのは、免疫細胞が色々な正常細胞も攻撃する可能性があり、様々な副作用が出る確率が高いと思っています。

しかし本庶先生のPD-1発見自体は素晴らしい業績であり、ノーベル賞候補の筆頭と言えるでしょう。

さて今年の医学生理学賞はアメリカのジェフリー・ホール氏ら3人が受賞しました。受賞業績として「概日リズムを制御する分子メカニズムの発見」ですが、簡単に言えば体内時計の分子機構の解明ということになります。

体内時計というと海外旅行などでの時差ボケを引き起こすことなどが知られていますが、人間の生活にとっては非常に重要な役割を持っているようです。この体内時計は脳にだけ存在するのではなく、内臓にも存在し互いに補完しながら生体活動を支えています。

もともと目から入る太陽の光によって体内時計が作動することはわかっていたようですが、この遺伝子やそれによって生産されるタンパク質まで同定され、体内時計のメカニズムが明らかになってきました。今回の受賞者の業績をざっと読んでみたのですが、遺伝子関連の非常に複雑な話でとてもここに書くまで理解することはできませんでした。

現在は生体活動の基本部分が遺伝子レベルでわかるようになってきましたが、どうも私にはそれを理解するための基礎知識が不足しているようです。 


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