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論文数で日本は世界2位から4位に

2017-09-07 10:41:23 | その他
科学技術・学術政策研究所が、日本を含めた世界主要国の科学技術活動を体系的に分析した「科学技術指標2017」をまとめ公表しました。

公表資料によると、2013~15年の3年間に日本が出した論文数は、10年前の米国に次ぐ世界2位から4位に下がり、中国、ドイツに抜かれています。日本の科学研究力の低下傾向があらためて浮き彫りになりましたが、一方で特許出願に着目すると、現時点ではまだ世界有数の技術力を維持していることがうかがえます。

こういったデータはあまり興味を持つ人はいないと思いますが、元研究員として論文や特許を出してきたものとしては気になるところです。

「科学技術指標2017」によると、2013~15年の年平均の論文数の世界一は20年前、10年前と変わらず米国がトップで、日本は64,013件で、03~05年の67,888件から減少しています。

これに対し13~15年の中国は219,608件であり、03~05年の51,930件と比べて約4倍も増えています。10年前より論文数が増えて13~15年の数が64,747件になったドイツにも抜かれて日本は世界4位に落ちています。日本の研究者数は2016年時点で66.2万人で、中国、米国について3位で、論文数順位は研究者数順位を下回っています。

実はこの論文の投稿というのにも裏があるのです。論文というのは大きく分けて2種類あり、速報というしっかりまとめたものではないが重要な研究を簡単に紹介するというものがあります。これは速報だけを集めた学術誌もありますし、普通の学術誌にも掲載可能となっています。

通常は後に詳報(これがいわゆる論文となります)を出すことが多いのですが、この速報も1件とカウントされます。これは私の知人の大学の先生に聞いた話ですが、こういったシステムをうまく使うと、一つの研究成果で4報ぐらいの論文を出すことができるようです。

私のような企業研究者は論文数など評価の対象になりませんが、大学の先生方は発表数や論文数以外に評価方法がないため、いろいろ苦労されているようです。

日本の論文については、論文総シェアの約50%を占める国立大学の論文数が 2000年代半ばから伸び悩んでいる実態や、分野別分析の結果、臨床医学が増加する一方で物理学、化学、材料科学が減少していることなどが明らかになっています。

特許出願数(2か国以上出願特許)では1位となっていますが、ここでも中国が大きく伸びているようです。この資料ではその他に研究開発費の比較や対GDP比など研究費の面や論文の引用回数のデータなどいろいろ出ています。

こういった数値で日本という国の技術力が比較できるのかはよくわかりませんが、まだ技術大国と言っても良いような気がします。

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