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抗ガン剤で白髪が黒髪に

2017-08-28 10:40:50 | 健康・医療
新薬の治験を受けたガン患者の白髪が思いがけず若々しい茶色や黒によみがえり、医師らを驚かせているようです。

抗ガン剤を使った化学療法は髪が抜ける副作用で知られていますが、今回髪色が濃くなった14人のガン患者は全員が新しい免疫治療薬の治験中でした。

新薬の効き方や副作用はそれぞれ異なっていますが、スペインの研究チームによると、少なくとも肺がん患者に対しては、毛髪の色素を復活させる効果が含まれる可能性が高いと判断しているようです。

バルセロナ自治大学の研究チームは、「最初の患者については、特殊な事例だろうと思った」と語っています。その後他の患者にも治療前の写真を見せてもらい、同じ現象を確認できたとしています。

今回髪色がよみがえった14人の患者の事例は、新薬「キイトルーダ」「オプジーボ」「テセントリク」について何か好ましくない副作用が出ないかどうかを52人の肺がん患者を対象に追跡調査していた中で確認されたものです。

大半の患者の毛髪に色の変化はでませんでしたが、14人もの患者に変化が生じたことは、これが特殊な事例ではないことを示唆しています。14人のうち13人の患者は髪全体が濃い茶色や黒によみがえり、1人は一部の白髪が黒くなりました。

ここで使用された新薬は、いずれも免疫チェックポイント阻害剤という免疫力によりガン細胞を殺すというタイプの薬です。分かりにくい名称ですが、チェックポイントというのはいわゆる検問所という意味で、免疫の過剰発現を抑えるのという意味です。

ガン細胞はこのブレーキ機能を使って、免疫細胞からの攻撃を免れているわけです。そこでガン細胞のブレーキ機能を阻害し、自分自身の免疫系によってガンを殺すようにするのがこれらの薬剤です。

こういった薬剤が毛母細胞に何らかの作用をしているようですが、そのメカニズムは全く分かっていません。もう1つ不思議なことには、これらの新薬ではこれまで、皮膚がんの一種であるメラノーマ(悪性黒色腫)の患者については、髪が脱色する副作用が確認されています。

研究チームによると、治験中、14人の患者のうち1人を除く全員は少なくとも安定した病状が保たれ、他の患者よりも高い治療効果が認められたとしています。彼らの髪色が濃くなったことは、薬が効いている兆候とも考えられるようです。

皮膚科の専門家は、今回の結果についてはさらに深く調べる必要があると指摘し、一方で「これが白髪の新しい治療法につながると考えるのは早計だ」とも警告しています。ただし毛髪の色を変える効果が確認されれば、白髪治療のための別の薬が新たに開発される可能性があると考えられるようです。


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