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認知症リスクを上げる過度な糖質制限

2018-04-11 10:41:49 | その他
ご飯やパンなどの炭水化物の摂取量を制限する「糖質制限食」をダイエット目的で実践する人が増えているようです。

しかし糖質(炭水化物)が分解されてできるブドウ糖は脳にとって唯一のエネルギー源です。むやみに減らせば当然脳に悪影響がありそうという記事が出ていました。

このブログでも糖質制限ダイエットを取り上げましたが、私の感触としては何か気持ち悪い感じを持っています。こうした問題は常に推進する意見と逆がありますので、ここでは反対意見を取り上げてみます。

一定の糖質制限が必要な人がいます。代表的な例が血中のブドウ糖濃度(血糖値)が高くなる糖尿病患者で、なかでも2型糖尿病患者は、糖質摂取量を抑える対策が必要です。血糖値の高い状態が続くと、次第に血管が障害され、失明の危険がある網膜症、人工透析が必要となる腎症、手足の感覚がマヒする末梢神経症などが起こります。

太い血管が障害されると、脳梗塞や心筋梗塞といった直接生命を脅かす病気も起きやすくなります。ただしいくら糖尿病であっても、糖質制限が行き過ぎると逆に問題が起こります。

近年血糖降下薬の服用時には、血糖値が下がりすぎる低血糖発作を起こさないようにすることが重要視されています。低血糖を起こしている高齢者の糖尿病患者は、アルツハイマー型認知症発症の危険が1.6~2.4倍になることも分かってきたのです。

最近は、健康な若年〜中年層で、ダイエットを目的に極端な糖質制限を行っている人もいるようです。極端な糖質制限で体内のブドウ糖の量が低下すると、ヒトの体は脂肪や筋肉を分解することで糖質を作り出し、それをエネルギー源とします。

これを糖新生と呼んでいます。確かに脂肪や筋肉が分解されればダイエットはできるでしょう。しかし糖新生はあくまでも非常措置で、停電時に自家発電を稼働させているようなもので、多量の燃料を必要とします。

緊急事態を乗り切るための脂肪や筋肉を燃料に代えているわけですから、長期間続ければ当然体に異常が生じます。脳の働きは鈍り、めまいや冷や汗が止まらなくなり、最悪の場合は低血糖発作で意識を失ってしまいます。

実際糖質制限による低血糖発作で病院に救急搬送されるという事例もあるようです。高齢者の多くは筋肉量が低下しています。糖質制限による糖新生が起きた場合、筋肉量はさらに低下し、著しく心身機能が低下した状態のフレイルに陥りやすくなります。

1日に必要なカロリー摂取量は、年齢や活動性、病気の有無などによって異なりますが、全体の約6割は糖質で摂取することが望ましいようで、糖尿病患者も同様とされています。

このあたりが昔の栄養学なのか、現在も通用するのかもう少し情報を集める必要がありそうです。

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