ごっとさんのブログ

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ガンを薬で治せる時代は?

2018-05-03 10:43:20 | 
副作用の少ない薬だけでガンを治せる時代は来るのでしょうか。現在「免疫チェックポイント阻害剤」と「分子標的治療薬」に期待がかかっているようです。

日本では2人に1人がガンに罹り、3人に1人はガンで亡くなるといわれています。1981年に死因のトップに躍り出たガンは、超高齢時代と相まって、年間37万人以上の命を奪っています。

これは私の個人的感想ですが、私ぐらいの歳になるともう余命はそれほどありませんので、ガンに罹ってもつらい治療を受けず、自然に放置しても寿命はあまり変わらないような気もします。

局所に留まったガンならば、手術で取り除くあるいは放射線を照射するのが、今のところ確実性が高い治療といえます。しかし残念ながら、再発転移したガンには全身療法である薬に頼らざるを得ないのが現状です。

抗ガン剤の基本は1940年代から細胞毒性物質を中心に発展してきました。これは「毒を持って毒を制する」という言い方をする人もいますが、細胞を殺す化学物質という点では、正常細胞にも作用し強い副作用が当然という薬ばかりでした。

この時代は抗菌剤、天然由来の毒物、プラチナなどの有毒物質が抗ガン剤に応用され、一定の延命効果を納めていますが、固形ガンでは根治を目指せるものはほとんどありません。

こういった状況の中2014年、免疫チェックポイント阻害薬という新しいタイプの抗ガン剤としてオプジーポが登場しました。これは非常に高価な薬として注目を集めましたが、発売当初100mgあたり73万円(1年間で3500万円)だったものが、16年には一気に半額の36万円まで引き下げられ、さらに今年の薬価改定で28万円と6割安くなりました。

それでも通常の薬と比較してはるかに高く、ある意味問題を残しています。このガン細胞に発現する免疫のブレーキ役となるPD-1というタンパク質の阻害剤は、ガンを自分自身の免疫で治療するという画期的なものでした。ただ有効率が20%程度と低く、どういうタイプのガンに有効なのか試験方法が期待されています。

次が「分子標的薬」ですが、これはガンを発生・増殖させるガン遺伝子の発見とその活性化に関与しています。最初の分子標的薬として乳ガン治療薬ハーセプチンが発売されています。こういった発ガン遺伝子の活性化を妨げるというメカニズムの薬はその後続々開発されています。

これがどの程度の有効率かは分かりませんが、骨髄性白血病などでは良い結果が出ているようです。ただこういった分子標的薬もほとんどが抗体医薬ですので、価格が問題となってくるのかもしれません。

こういったガン細胞に特異的な薬が開発されれば、それほど副作用もなく薬だけでガンを治療することが可能になるのかもしれません。


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