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医師がガンになったら

2018-06-23 10:26:05 | 健康・医療
ガンを治療することが専門の医師がガンになったら、どんな治療法を選択するのかというアンケート結果が掲載されました。

これは20代から60代までのガンの診療経験のある現役医師553人のアンケート結果です。治療法として手術、化学療法(抗ガン剤)、放射線治療、放射線と化学療法の併用などいろいろありますが、トップに来たのは意外にも心身の苦痛を和らげる緩和ケアでした。

特に膵臓ガンの場合は、その割合が56%と高くなていました。その理由として、「効く薬がないから」「痛いのはいや」「治療がしんどい」「現時点で有効な治療手段がない」「治る見込みないなら好きに過ごしたい」が上げられていました。

化学療法を選んだ人は16%で、「一度やってみて、副作用と効果を見たい」「劇的に効くこともある」「一応試して、そのあと健和ケア」といった意見でした。何と手術を選択した人は8%しかいませんでした。

この結果は私の経験とも一致するようです。私の友人のお父さんで親しくしていた医師の人が自分で肺ガンを見つけました。この発見時が何期だったのかはよくわかりませんが、その先生も緩和ケアを選択しました。

手術を含めた一切の治療をせず、痛みなどだけを取り除き元気なようでしたが、発見後2年ほどで60代で亡くなりました。当時は取り除くには大掛かりな開胸手術が必要で、現在のような内視鏡手術などがあればまた違っていたのかもしれません。

さてアンケートですが、医師たちに特にかかりたくないガンを尋ねたところ、3期や4期では膵臓ガンを筆頭に、肺ガン、食道ガン、咽頭ガン、脳腫瘍などが続いていました。

こういったガンは予後が悪い、治療が難しい、痛みなどの症状の負担が大きい、罹患や治療の過程で機能の損失や見た目の問題がある等、ADL(日常生活動作)やQOL(生活の質)を損なうと言われているガンが上位に来ているようです。

膵臓ガンは、早期発見が難しく予後が悪いという声が極めて多く、心的ダメージの言及もみられました。肺ガンでは呼吸困難、食道ガンや咽頭ガンには食事や発声ができなくなる恐れなど、ADLやQOLのリスクを指摘する声が多いようです。

3期、4期のガンと診断された場合に選択する治療法は、前述のようにすべてのガンで「緩和ケア」が最も多く挙がっています。

4期は多臓器転移のある状態で、医師ならば4期のガンの5年生存率の低さも認識しています。積極的な治療をするより、痛みなどの症状を和らげてQOLを優先したいということで、知識がある分一般人より諦めが早いのかもしれません。

私ももともとガンになっても緩和ケアだけにしようと考えていましたが、このあたりがガン治療の大きな問題点かもしれません。


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