認知症や重度の失語症をお持の方が、素敵な応答をして下さる事の多い働きかけは?(交流分析9交流⑤) | 向き不向きより前向き♪言語聴覚士かあこから感謝をこめて

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ST(言語聴覚士)として病院・施設・学校などでリハビリや訓練に長年携わっています。出会わせていただいてきた方々への感謝の心をこめて、日々思う事・考える事などを綴っていきます。
どなたかの「今」にお役に立てることがひとつでもあれば幸いです。

今回は、
私が、患者様とやりとりをさせていただく時に、
意識的に、作戦的に、よく用いる交流のパターンを、
お伝えします。


あくまで、私見です。
でも、かなり実感しています。

そうして、色々な方に、色々な場面で、
応用していただけるのではないかな~?
とも、思っています。



いきいきとした応答、しっかりした応答、
表情いきいき!


そういう応答、反応をしていただけることの多い、方法です。


わたし(ST:言語聴覚士です)が、
認知症や重度の失語症をお持の方とやりとりする時に、




自分の、どの自我状態から、
相手の方の、どの自我状態に働きかけるか。



どういう「交流」を、ねらうか。






ねらう、という時点で、結構(というか、かなり)意識的です。
でも、こういうことが出来るのが、交流分析の醍醐味だと思います。




さて。

5つの自我状態。
もう1回のせますね。


これの、

どこからどこに向かって、
発信すると、
上記のような応答をしていただけることが多そうですか?


読みながら、よろしかったら
ちょっと考えてみて下さい。


まずは、「どこから発信」にしてみましょうか。


例えば・・・

□しゃきっとしていただくには、ある程度厳しくいかないと?
    ⇒CP(批判的な親)からになりますね

□やっぱり、やさしく安心できる働きかけが一番?
    ⇒NP(保護的な親)からになりますね

□冷静な働きかけが、しっかりした応答を導きやすいのでは?
    ⇒A(大人)からになりますね。

□のびのびした自然な働きかけが、いいんじゃないかなぁ?
    ⇒FC(自由な子ども)からになりますね

□我慢強くてイイ子から働きかけてもらうのが安心?
    ⇒AC(従順な子ども)からになりますね



どれになりそうでしょうか。


ご自分が患者様だったとしたら、
どの働きかけをされるのが、いいですか?




どの働きかけをされたら、残念な気持ちになりそうですか?


ここで、ちょっと復習。
今出てきた、CP・NP・A・FC・ACの簡単な説明は、こちらです。
   ↓↓
-------------------------------------------------
<P:親Parent>
CP: Critical Parent  批判的な親 父親的な自我状態の部分
  良心や理想と深く関係
 主に批判、批難、叱責などを行なう自我の部分

NP: Nurturig Parent  保護的な親 母親的な自我状態の部分
 同情的、保護的、養育的なことを行なう自我の部分

<A:大人Adult>
 大人 人間のコンピューターに例えられる部分
  データーを収集し、整理、統合する自我状態の部分

<C:子供Child>
FC: Free Child  自由な子供
 誰にも束縛されず自由に振舞う部分
 感情的、本能的、自己中心的、積極的な部分
 好奇心や創造性の源

AC: Adapted Child  順応する子供
 自分をしつけたり、教育しようとした親に順応している部分です。
 順応的で、我慢強く、イイ子的な面をもちます。
 自分の本当の感情を抑圧している場合が多い
------------------------------------------------



さて。


答えです。



まず

いきいきとした応答を「いただきにくい」のは、

CP(批判的な親)
AC(順応する子ども)


からの、はたらきかけです。


 そうして。



A(大人)からの働きかけですと、
A(大人)からの、応答をしていただけることが増えます。

ご入院中だったり、施設にご入所中だったりすると、
A(大人)からの発信を求められる機会って、実は少なくなりがちです。

ましてや、認知症や失語症をお持ちの方ですと、
回りの人から、
「わからないだろう」「難しいだろう」と思われて、

A(大人)からの発信や返信を、あてにされないことになりがちです。
(それを、発動できる働きかけが、まわりからされない)





そうして。
一番、いきいきとした応答をいただきやすいのは、


FC(自由な子ども)


からの、発信です。
(経験に根差した、私見ですよ~~)


私がねらうのは、

FC⇒FC
FC⇒NP
FC⇒A


です。




例えば、患者様が、宿題を、ものすご~~く沢山がんばってきて下さった。

というような場合。

・・・


・・・の続きは、次回にします。
(書いたのですが、あまりにも長くなってしまうことに気づきました)

ですので、

この場面で、この交流だったら、
どんな感じになるのかなぁ?

とか、ちょっと思い浮かべてみていただければ、とてもうれしいです。





それでは、本日はこのあたりで。
最後までお読み下さりありがとうございました。 


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