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2017年11月07日

白い天使

あの可愛らしい姿を生涯忘れることはない。
まん丸い目、透き通った白色、心に染みわたる歌声。
あの時子供でなかったら・・・ちゃんとかわいがることが出来たと思う。


名前は「ピーコ」。
当時飼っていた手乗り文鳥の名前だ。

とてもなつっこくて可愛らしい奴だった・・・自分以外は・・・。
手の上で・・・肩の上で餌を食べるとても可愛らしい奴なのに
自分の肩に乗った時はすぐに耳をかじられたものだ。

だから肩に乗せるのが嫌だった。
嫌われていると思っていた。
犬と一緒で順番付けされていたのかもしれないが
とにかく私に懐くことはなかった。

それでも、籠に入っている時は可愛かった。
餌を食べる姿も、水をすする姿も・・・。

そんな白い天使を母は物凄く可愛がっていた。
母は動物アレルギーなのに・・・。


家族団らんの時間になると、ピーコも籠から出されて
みんなで過ごした。

家族みんなの肩の上で綺麗な歌声を披露することもあった。

自分はいつもそんな光景を傍から見ているばかりではあったが、
それでも可愛かった。
むしろ、自分の肩に乗らないでいてくれることで
平和が保たれていたのかもしれない。

耳をつつかれるのが本当に苦手だったし、意外と痛かった。

そんな光景を見ると、母はいつも笑っていた。
滑稽で、面白おかしかったのだろう・・・。
幸せなひとときだった。

そんなピーコが他界した時、
母は泣いた・・・ピーコはいつしか家族になっていた。
母にとって子供のような、友達のような存在だったのだろう。

そう言えば・・・ピーコが他界した時、季節は冬だった・・・
母が他界した時と同じ・・・冬だったなぁ・・・。


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緊急入院した母が,非小細胞肺がん(腺癌)「ステージ4」を宣告され、1年後に他界・・・母の闘病中の記録や、がんに関することを中心に記事にしているブログです。
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