ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

陸上型イージス その配備問題によせて

2018-06-23 12:08:39 | 日記
陸上型イージスの配備をめぐり、新聞の社説でも意見が二分している。
陸上型イージスは、北朝鮮のミサイルを迎撃するための防衛システムだ
が、これを従来の計画通り、秋田県と山口県に配備する必要があるのか
どうか。

ない、そんな必要はない。南北朝鮮の融和ムード、米朝間の融和ムードを
うけて、北朝鮮をめぐる軍事的緊張は大きく緩和された。それに伴い、
サイルの脅威もかなり和らいだ
。高額な予算を要する陸上型イージスの導
入は、見合わせるべきではないか。

この立場をとるのは、東京新聞の社説《地上イージス 導入は見直すべき
だ》である。東京新聞はこう述べる。
「導入には一基一千億円程度かかるという。迎撃ミサイルの命中精度にも
懸念がある。国際情勢が好転の兆しを見せる中、高額装備の導入をなぜ急
ぐ必要があるのか。」

いや、そうではない。陸上型イージスは従来の計画通り配備すべきだ。こ
う主張するのは、読売新聞の社説《陸上型イージス 配備の意義を丁寧に
訴えたい》である。読売の主張の根底にあるのは、「国際情勢は決して好
転していない」という(東京新聞とは正反対の)現状認識である。読売は
言う。
北朝鮮は日本を射程に入れる弾道ミサイルを配備している。米朝首脳会
談でもミサイル廃棄の道筋はついていない
。万が一の危機に備えるのは当
然である。」
ここにあるのは、小野寺防衛相が示したのと同じ現状認識である。小野寺
防衛相はこう語ったという。「北朝鮮は数百発の日本に届く弾道ミサイル
や、かなりの数の核弾頭を保有し、具体的な廃棄の動きもない」。
読売の社説がこうした小野寺防衛相の発言を直接援用しないのは、「読売
は政府自民党の広報誌なのか!」という根強い誤解(?!)を気にしたた
めだろう。

読売が政府自民党の広報誌かどうかはともかく、北朝鮮のミサイルが相変
わらず脅威を及ぼしていると情勢判断に立つのなら、産経の社説《ミサイ
ル避難訓練 中止で国民を守れるのか》が言うように、ミサイル避難訓練
の中止を打ち出した政府の決定
は、支離滅裂だと言わなければならない。
政府がミサイル避難訓練の中止を打ち出すのは、北朝鮮ミサイルの脅威が
和らいだ、という現状認識があってのことだろう。事実、菅義偉官房長官
は「日本にいつミサイルが向かってくるか分からない、安全保障上の極め
て厳しい状況はかつてより緩和された」と述べている。

北朝鮮ミサイルの脅威は和らいだ、という情勢判断に立ちながら、それで
も政府が陸上型イージスの配備をやめようとしないのは、東京新聞が言う
ように、安倍政権が「トランプ米政権による、高額なアメリカ製軍備品の
押し売り
」を断れないからではないのか。東京新聞は言う。
「イージス・アショア導入を閣議決定したのは、その(日米首脳会談の)
約一カ月後だ。脅威が差し迫っているのならまだしも、緊張緩和局面での
計画強行は、米国の意向に沿った、導入ありきとの批判は免れまい。」

メイド・イン・アメリカの軍備品を売りつけようとして、米朝間の軍事的
緊張をさんざん煽ってきたトランプ政権は、先ごろ方針を転換して、緊張
緩和へと大きく舵を切った。戦争の恐れが遠のけば、武器商人の軍事ビジ
ネス
が商売上がったりになるのは、必然の成り行きである。トランプ大統
領の「アメリカ・ファースト」路線は、この面でも大きく揺らいでいる。

シンゾーくんよ、お友達にこだわるあんたの姿勢は解るし、拉致問題で借
りを作ったあんたの立場も解るけど、あんたがそこまでドナルドの尻拭い
をしなくてもいいんじゃないのかな。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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おはようございます。 (〈ゴマメのばーば〉)
2018-06-24 06:33:50
おはようございます。
《安倍政権が「トランプ米政権による、高額なアメリカ製軍備品の押し売り」を断れないからではないのか。》
私も、そう思います。
今朝は、雀がチュンチュン チュンチュンです。
出歩いていて、夕食に買ったお弁当のご飯が食べきれずに残ってしまいました。
庭石の上に広げて置いたせいか、朝から、雀さん達の訪問で賑やかなコト。
おはようございます (ささやん)
2018-06-24 09:56:38
ゴマメのばーば様

我が家の庭先には、ヒヨドリ、ムクドリ、ジョウビダキなどが姿を見せたことがありましたが、最近は姿を見せなくなってしまいました。ジョウビタキは渡り鳥とのことなので仕方がありませんが、ヒヨドリやムクドリはやはり撒き餌をしないと居着かないのでしょうか。
コメントありがとうございました。

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