【ハラールを含めた共同声明文が発表されました@第 2 回全国ムスリムミーティング20160818】

アラブビジネス専門コンサルタント岩口昇龍です。
A.CS東京代表もやっています。

先日私もオブザーバーとして参加した、
第2回ムスリムミーティングの共同声明文が発表されました。
http://kris-web1.sfc.keio.ac.jp/ja/press_file/20160819_islamlab.pdf
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◆ 共同声明文

全国ムスリムミーティング共同声明文
ヒロシマ原爆投下から 71 年の日に際し、改めてイスラームが平和を希求する教えで あることを宣言する。人々の日常と平和を脅かすいかなる暴力も、イスラームの教え とは相容れないことを確認する。 ムスリム(イスラーム教徒)に平和の価値を教えるのがイスラームであり、その具体 的な行為が、唯一なる創造主アッラーに対する祈りである。祈りはいわゆる礼拝行為 に限らず、日々の善行の積み重ねでもある。地道な努力で平和を守り続けてきた人々 とともに平和の祈りを捧げたい。 「ハラール」や「ハラル」とは、ムスリムのためだけの宗教的な戒律ではなく、全人 類が、現世のみならず、死後においてもまた幸せになるための規準である。商業主義 的でごく一部の限られた者の利益にしかならないような活動や、ムスリムと信者では ない人々との間に新たに壁を築くような行いを強く非難する。 事物の原則は許容であり、聖典クルアーンと預言者ムハンマドの言行であるスンナに 明確な根拠がない限りハラーム(禁止)とはされない。ハラール認証(マーク)が なくとも、ムスリム消費者が日本で摂ることのできる飲食物は数多く存在する。 ハラールとハラームを決定できるのは、至高なるアッラーだけである。ムスリムは、 ハラール認証の有無にとらわれることなく個々人の判断で商品やサービスの選択を 行うべきである。日本国内では、たとえば原材料表示やピクトグラム等による情報提 供があれば判断を行うことが十分可能であるため、ハラール認証は原則として不要で あると言える。 ジハードを、「価値観や宗教の違いを超えて、良好な関係を築くためのよい言葉とよ い態度と叡智による不断の努力」とする。一人一人のムスリムは、アッラーの下僕で あることを強く自覚し、自らの欲望に対して戦うとともに、周囲との良好な関係を築 こうと努力することが求められる。 平和を愛し、信仰の違いにかかわらず、平和裏の共生関係を築くべく、教えと経験の 両面から研究と協議を行うための実践的な学びの場として、「日本イスラーム学術会 議」を、慶應義塾大学 SFC 研究所イスラーム研究・ラボに設立し、情報の発信と共有 に努める。
2016年8月6日

慶應義塾大学 SFC 研究所イスラーム研究・ラボ代表 慶應義塾大学総合政策学部教授 奥田 敦

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ハラールに関する内容だけをピックアップすると:
「ハラール認証(マーク)が なくとも、ムスリム消費者が日本で摂ることのできる飲食物は数多く存在する。 ハラールとハラームを決定できるのは、至高なるアッラーだけである。ムスリムは、 ハラール認証の有無にとらわれることなく個々人の判断で商品やサービスの選択を 行うべきである。日本国内では、たとえば原材料表示やピクトグラム等による情報提 供があれば判断を行うことが十分可能であるため、ハラール認証は原則として不要で あると言える。」
これでハラール認証を信仰する認証派が減ればいいのですが。



下記は、報道各位に流された「日本イスラーム学術会議」設立の発表です。
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報道関係各位
慶應義塾大学 SFC 研究所
第 2 回全国ムスリムミーティング、 「日本イスラーム学術会議」設立を発表 -ムスリム接遇人材育成プログラム事業-
【神奈川県・慶應義塾大学 SFC 研究所 協働事業】
慶應義塾大学 SFC 研究所イスラーム研究・ラボは神奈川県と協働し、「ムスリム接遇人材育
成プログラム事業」を平成 27 年度から2ヵ年にわたって実施しております。
この取組の一環として、8 月 6 日(土)に慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスにて第 2 回全国
ムスリムミーティングを実施し、ハラールおよびムスリムコミュニティについて議論を行
い、接遇人材育成の基礎にもなる共生社会の在り方に関する共同声明文を、同ラボ代表奥田
教授の名前でまとめました。また今後、研究と議論を深める場として「日本イスラーム学術
会議」が設立されることになりました。
◆第2回全国ムスリムミーティングについて
8月6日(土)に慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスτ(タウ)館2階にて、
第2回全国ムスリムミーティングを実施しました。
プログラム
13:00 開会、挨拶
<第Ⅰ部> 13:05~14:10
13:05 基調講演「共生関係をいかに構築
するのか~イスラーム的な祈りと努力につ
いて考えておく~」
(慶應義塾大学総合政策学部教授奥田
敦)
13:20 登壇者による報告
テーマ
「ハラール認証といかに向き合うか」
「日本社会におけるムスリムコミュニティ」
 須見啓司(宗教法人北海道イスラミック
ソサエティ会長代理)
 前野直樹(イスラミックサークルオブジ
ャパン日本人部代表)
 サラ・クレシ・好美(宗教法人名古屋モ
スク渉外担当理事)
 山根郷史
 中村翁團
<第Ⅱ部> 14:20~15:50
14:20 ディスカッション
15:50 休憩、アスル礼拝
<第Ⅲ部> 16:20~16:50
16:20 奥田敦研究会/イスラーム研究・ラ
ボ活動紹介
<第Ⅳ部> 17:00~18:10
17:00 共同声明文についての検討
18:00 共同声明文の発表、集合写真
18:10 閉会
19:00 懇親会(@カバブハウス湘南台店)
20:30 解散

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